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第5章
とーさまはやっぱり偉大な人
しおりを挟む「すまなかった」
城に到着し、案内された部屋には既にクラージュ殿下が居て、そして目が合うなりクラージュ殿下は立ち上がり僕へと頭を下げた。
「アーバスノイヤー公爵と話し、己に傲慢な思考があったことを自覚した」
頭を上げたクラージュ殿下は僕達に座ることを勧めて、先程の謝罪に至る経緯を話してくれた。
「国王にも別の方法で我が国にいるドラゴンが同盟国を脅かす存在ではないということを説明する場を設けるよう進言し、了承を得た。まず私達は言葉で話し理解を得る努力をせねばならなかった。それを怠り、我が国に力を貸してくれているドラゴン達を無下に扱おうとしたことを深く反省している」
そう言う殿下の表情からは酷い疲労感を感じた。
最後に殿下と会ってからまだ一日しか経っていないというのに、こんなに疲労感が滲み出るほどのことがあったのかと、何だか少しだけ気の毒に思う。
「私は自分は父上程傲慢な人間ではないと思っていたが…無意識にドラゴンの力をルナイスを通じて思いのままに扱おうとしていたことに気が付いた時はショックで…」
「貴方がショックを受けたかどうかなどどうでもいいです。今ドラゴン達はこの国よりも安全に過ごせる所に居てもらってますので、その間はどうかこの国を守る為に足掻いてください」
はぁっと息を吐き出し、意気消沈している殿下ににぃ様は辛辣だった。
心底どうでも良いというように殿下をぶった切って、皮肉を言い深い痛手を負っている殿下を更に切り付けている。
「殿下。今回の件については貴方の一存ではないと理解していますが、レッドドラゴン達と共に戦地を駆ける仲間の代表として申し上げます。もう一度今回のようなことがあった場合我々はドラゴン達との共闘を拒否します。我等もこの国に守りたいものがあります故、己が戦うことを拒否することはしませんがドラゴン達はこの国やこの国に住まう者達が滅んだところで何の痛みもない者達です。あくまで今は気まぐれにドラゴン達は我等に力を貸してくれているだけだということを努々忘れぬようお願いいたします」
ヒュー様が珍しく厳しい目つきと態度、口調で殿下にそう言うと殿下は深く頷き「胸に刻みつけておく」と言った。
本当は今日、殿下だけでなく国王も呼び出して他国への対処等について話し合うつもりであったがとーさまが動いてくださっていたおかげですんなりと要件は済んでしまった。
国はドラゴンの力を無理やり奪い、飛べぬようにする等という愚行はこの先も行わないという誓約書まで受け取ったのだから、これ以上は何も言う事はない。
そういうわけで、まだまだお仕事のある殿下とはお別れして僕達は解放されたとーさまに会いに別の客間へと向かった。
「とーさま!!」
案内された部屋ではとーさまが優雅にお茶を楽しんでいた。
軟禁されていたというのに余裕綽々なとーさまの姿に改めてとーさまの偉大さを知る。
「ルナイス。何か言う事があるな?」
「はい…相談をすることもなく身勝手に行動し、多くの方に迷惑をかけました。とーさまが軟禁されるような事態になったことも僕のせいです。申し訳ありません」
「ん。ノヴァ、お前もルナイスが暴走した時には只寄り添うだけでなくきちんと軌道修正するように。それだけの力がお前にはあるはずだ」
「はい」
僕だけでなくノヴァも叱られてしまった。
申し訳ない。
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