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第5章
ホルス様が裸の理由
しおりを挟むふっと意識が浮上して、瞼を持ち上げると初めに目を覚ました時よりも視界が戻っており近くの物であれば毒の影響を受ける以前と変わらないくらい見えるようになっていた。
そして、直ぐに自分の体に巻き付く温もりにぱっと横を見ると何故か裸のホルス様(人型)が僕を抱きしめていて思考が停止した。
以前人型のホルス様との接触は控えると決めたが、いざ目の前に理想の筋肉を携えた体があると見惚れてしまう。
その上、目覚めた僕の鼻に鼻を擦り合わせてくるのだから…もうドキドキしてしまっても仕方ないと思う。
「坊からルナイスが害されたと聞き、我だけ先にこちらへ戻って来た。本来の姿ではまた鬱陶しいことになるだろうから人の姿で来たから安心するといい。先程眠っているルナイスに魔界から持ってきた回復の薬湯を飲ませたから熱も違和感もましになったはずだ」
現状に困惑する僕の頭をゆっくりと撫でながら、ホルス様がどうして此処にいるのかを教えてくれた。
そしてホルス様の言う通り、一度目の目覚めよりも熱っぽさはなくなっているし、解毒剤を飲んでも微かに感じていた違和感もなくなってスッキリとしていることに驚く。
今度どういった薬草を使ったものなのか聞いてみようと頭の隅にメモをして、体を起こし少しホルス様と距離をとった。
「ホルス様、何で裸なの?」
「あちらではずっと本来の姿だったからな。ルナイスが害されたとあって気が動転していて人の姿になった時に布を纏わねばならんことを失念しておった。かろうじて腰布はしていたぞ」
目覚めてまず気になっていたホルス様が裸な理由を問うと、返ってきた答えに納得した。
本当はホルス様人型でも裸なの気にならないもんね。
まずドラゴンに布を身に纏う概念ってないし。
いつもは僕達に合わせてくれているだけだったんだと思い出す。
でも、今の状況を第三者に見られるのは非常にまずい。
なので慌てて着られそうな服を探すが医務室にはそんなもの見当たらなかった。
ガチャ
「…」
「ぁ…あぁっと…説明!説明します!」
タイミング悪く戻ってきたらしいノヴァが扉を開き裸のホルス様の姿を捉えるとスッと目を細めて僕を見てきたので慌てて手を高く上げて説明をすることを主張した。
結果、ノヴァはぶすっとしながらも納得してくれ僕に薬湯を飲ませてくれたことに礼を言った。
そしてまた改めてその薬湯について教えてほしいと言っていたから、やっぱりそこ気になったよねっと深く共感。
知らぬ間に飲まされた薬湯が魔界産だったとしても、特に心配に思わないのはホルス様が僕に与えるものだから。
それだけの信頼が僕とホルス様の間にあるし、ノヴァとホルス様の間にもある。
まだ万全とは言えないが、医師やノヴァ、ホルス様のお陰で思ったよりも早く復活した僕はノヴァからコルダが意識不明の重体であることを聞かされた。
昔から僕を影ながら護衛してくれていて、強いコルダがそんな状態になったことが衝撃で少しの間理解することができなかった。
そして、コルダが先に奴に損傷を負わせていたうえであの強さだったのだと思うと…やはり裏に居る人物も只者ではないことを確信する。
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