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第5章
ユエの成長
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二人で頭を押し付け合ってぐりぐりして、落ち着いたところで離れる。
「本当に気に病む必要はない。早い段階で父上が俺にレオをつけてくれたし、レオもまだ従事せずとも良い歳であったのに専属の従者兼護衛として傍に居てくれたからお前が思うほど寂しさは感じてなかった」
「確かにレオは昔からにぃ様の傍に居てくれてました。僕、にぃ様の傍にいっぱい居られるレオが羨ましいって思ってた時期があります」
「俺もルナイスの傍にずっと居られて護れる立場にあるヨハネスに何度も嫉妬した」
お互いの護衛に嫉妬していた僕達兄弟を俯瞰してみると何だか可笑しくって、僕達は見つめ合ったままクスクスと笑い声をこぼした。
そろそろ戻ろうかっと再び馬に騎乗して、来た道を帰り家に着くとまだユエがピーピーと鳴いていた。
馬を厩舎に戻してユエの方へ足を運ぶと僕を見つけたユエがドシドシとこっちへ向かってこようとするのをドラゴンの姿となったホルス様がユエの尻尾を掴んで止めてくれている。
「ユエ、そんなに鳴いてどうしたの」
『だってだって!僕だってルナイスを乗せてお散歩したいのぉ!』
何時もより鳴いているので、どうしたのかと尋ねると僕を乗せて散歩がしたくて駄々をこねているのだけど、その駄々がいつもより激しい理由が知りたい。
「今日みたいなことは偶にあるでしょ?それにユエはまだ人を乗せて飛ぶのは危険なんだよ」
『危険じゃない!僕だってできる!』
言い聞かせるように言っても大丈夫!できる!の一点張りで、困ったけれどこれもユエの成長だと思えば興味深いし可愛い。
パンは本当に自由な子で我儘は言うけれど駄目って言われるとじゃあこっちをする!と気持ちを切り替えるのが凄く上手い子だった。
ユエは人の子と同じ感じで自我が芽生え始めて、やりたいって気持ちを上手く散らせないでいるみたいで駄目って言われるとなんでなんでって地団太踏むタイプみたい。
ドラゴンにも種だけではない個の特徴があるってことを証明できるいい事例だと思うから、また今度文を纏めて国に提出しないとなっと考えながらホルス様に抑えられて前進出来ないのに前進しようとジタバタしているユエに近づいていく。
ユエに僕を害するつもりがなくても、暴れるドラゴンに近づきすぎては危険なのでほどよい距離の所で止まるのだけどそれにもユエはご不満らしくピーピーと鼻を鳴らす。
ホルス様が止めてくれなかったら僕は今頃ユエに踏みつぶされていることだろう…
「じゃあユエはもし僕がユエの上から落ちちゃって地面に叩きつけられて弾けちゃってもいいの?そうしたら僕は死んじゃってるからユエをよしよし出来ないし、ユエとお散歩も二度と出来ないよ」
『そ、そんなことしない!落とさない!ルナイスは死なない!』
「死ぬよ。ホルス様から許可がないと駄目」
僕は死なないなんて無茶なことを言うユエにきっぱりと告げるとガーンっという感じで動きがピタリと止まった。
ユエに落とされて死ななくても、ユエよりも早く死ぬってことも言いそうになったけれど、それをユエに告げるのはまだ早いかなっと思って言わないでおいた。
きっと理解できないだろうし、無駄に不安を煽る必要もない。
『もう良いだろう、ユエ。これ以上ルナイスとアドルファスの時間の邪魔をしてやるな。ルナイス、ユエのことは我に任せ、アドルファスとの時間を楽しんでくると良い』
ピスピス鳴くユエにフゥーと鼻息を吹き出したホルス様がそう言ってくれたので、後は任せてにぃ様と家の中に入る。
家からユエのお家はわり近いから窓の向こうからピーピー鳴く切ない音が聞こえてくるが、ここは心を鬼にして聞こえないふり。
「本当に気に病む必要はない。早い段階で父上が俺にレオをつけてくれたし、レオもまだ従事せずとも良い歳であったのに専属の従者兼護衛として傍に居てくれたからお前が思うほど寂しさは感じてなかった」
「確かにレオは昔からにぃ様の傍に居てくれてました。僕、にぃ様の傍にいっぱい居られるレオが羨ましいって思ってた時期があります」
「俺もルナイスの傍にずっと居られて護れる立場にあるヨハネスに何度も嫉妬した」
お互いの護衛に嫉妬していた僕達兄弟を俯瞰してみると何だか可笑しくって、僕達は見つめ合ったままクスクスと笑い声をこぼした。
そろそろ戻ろうかっと再び馬に騎乗して、来た道を帰り家に着くとまだユエがピーピーと鳴いていた。
馬を厩舎に戻してユエの方へ足を運ぶと僕を見つけたユエがドシドシとこっちへ向かってこようとするのをドラゴンの姿となったホルス様がユエの尻尾を掴んで止めてくれている。
「ユエ、そんなに鳴いてどうしたの」
『だってだって!僕だってルナイスを乗せてお散歩したいのぉ!』
何時もより鳴いているので、どうしたのかと尋ねると僕を乗せて散歩がしたくて駄々をこねているのだけど、その駄々がいつもより激しい理由が知りたい。
「今日みたいなことは偶にあるでしょ?それにユエはまだ人を乗せて飛ぶのは危険なんだよ」
『危険じゃない!僕だってできる!』
言い聞かせるように言っても大丈夫!できる!の一点張りで、困ったけれどこれもユエの成長だと思えば興味深いし可愛い。
パンは本当に自由な子で我儘は言うけれど駄目って言われるとじゃあこっちをする!と気持ちを切り替えるのが凄く上手い子だった。
ユエは人の子と同じ感じで自我が芽生え始めて、やりたいって気持ちを上手く散らせないでいるみたいで駄目って言われるとなんでなんでって地団太踏むタイプみたい。
ドラゴンにも種だけではない個の特徴があるってことを証明できるいい事例だと思うから、また今度文を纏めて国に提出しないとなっと考えながらホルス様に抑えられて前進出来ないのに前進しようとジタバタしているユエに近づいていく。
ユエに僕を害するつもりがなくても、暴れるドラゴンに近づきすぎては危険なのでほどよい距離の所で止まるのだけどそれにもユエはご不満らしくピーピーと鼻を鳴らす。
ホルス様が止めてくれなかったら僕は今頃ユエに踏みつぶされていることだろう…
「じゃあユエはもし僕がユエの上から落ちちゃって地面に叩きつけられて弾けちゃってもいいの?そうしたら僕は死んじゃってるからユエをよしよし出来ないし、ユエとお散歩も二度と出来ないよ」
『そ、そんなことしない!落とさない!ルナイスは死なない!』
「死ぬよ。ホルス様から許可がないと駄目」
僕は死なないなんて無茶なことを言うユエにきっぱりと告げるとガーンっという感じで動きがピタリと止まった。
ユエに落とされて死ななくても、ユエよりも早く死ぬってことも言いそうになったけれど、それをユエに告げるのはまだ早いかなっと思って言わないでおいた。
きっと理解できないだろうし、無駄に不安を煽る必要もない。
『もう良いだろう、ユエ。これ以上ルナイスとアドルファスの時間の邪魔をしてやるな。ルナイス、ユエのことは我に任せ、アドルファスとの時間を楽しんでくると良い』
ピスピス鳴くユエにフゥーと鼻息を吹き出したホルス様がそう言ってくれたので、後は任せてにぃ様と家の中に入る。
家からユエのお家はわり近いから窓の向こうからピーピー鳴く切ない音が聞こえてくるが、ここは心を鬼にして聞こえないふり。
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