僕と先生との物語

げんき

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社会人

2年目【補導②】

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それから2週間ほどが経ち、三者懇談があった。
優樹は無断で懇談に来なかった。
高橋先生はそんな優樹に対して怒っていた。

その日の夜、優樹が再び補導された。

僕と高橋先生は警官から連絡を受けたが、優樹の両親が迎えに行っていると聞いたので、この時は何も動かなかった。



次の日、僕たちに連絡が入っていると知らない優樹は何事もないかのように学校に来た。
高橋先生は懇談を無断でサボった事、2回目の補導をされた事、お母さんとの関係性がよくない事もあり話を聞いて指導する気でいてた。

朝の学活が終わると早速高橋先生は優樹を会議室に連れて行った。
僕も一緒に着いて行った。



優樹は勉強も真面目すぎるぐらいしっかりとやる優等生。
そんな優樹が怒られる事なんて今まで一度もなかった。
ましてや授業中に呼び出されて別の部屋に連れて行かれる事は優樹にとっては初めての事やった。

部屋に入るとすぐに高橋先生は話し出した。
その様子を見て、優樹も不安そうだった。



「ここに座りなさい。」と高橋先生は言ってとりあえず優樹を椅子に座らせた。

もちろん素直に優樹は従う。

「何で呼び出されたかわかるか?」

「昨日、三者懇談行かなかったから。すみません。」

「何で来なかったんや?」

「お母さんから勉強の事でいろいろ言われてて…。でも、その期待に応えられてなくて成績も落ちてるし、また怒られると思って…。それに、お母さんとの関係も良くなくて…。すみませんでした。」

「優樹のお母さんが言うように、今がんばる事は将来に必ず役に立つ。でも、一生懸命にやっても成績が下がる事はある。ちょっと優樹背負い過ぎ違うか?」

「でも、応援してくれてるからちゃんと期待に応えないとアカンから。ただ、これ以上どうして良いのかわからないんです。毎晩2時まで勉強してる。もうクタクタなんです。」

「それをお母さんに伝えたら良いん違うか?」

「それは無理です。お母さんが言ってる事は正しいし。がんばるしかないんです。」

「そんな追い込んで勉強しても身につけへん。それに優樹がしんどいだけやろ?このままやと優樹潰れるで。」

「僕は大丈夫です。心配かけてすみませんでした。次の懇談からは必ず行きます。すみません。」



優樹は間違いなく追い込まれてる。
ただ、僕たちにはどうする事もできなかった。
それに、この話の流れから高橋先生も指導できずにいてた。



それからすぐに春休みに入った。
優樹の事は心配だが、なかなか長期休み中は会う機会がない。
特に春休みは新年度の準備もあり、クラブもできなくなる日が多い。
気になりながらもそのまま時間が経っていった。



そして、3月末。
再び優樹が補導された。
今回も警官から連絡をもらった。
ただ、今までとは状況が変わっていた。
それは優樹の両親が迎えに来なくて警官も困っているとの連絡だった。

僕と高橋先生はすぐに警察署まで優樹を迎えに行った。
警官の話では、優樹は寒い中公園で1人でブランコに座っていたとの事だった。

警察署ではすぐに優樹と会う事ができた。
高橋先生から優樹の両親に連絡を入れ、優樹をとりあえず預かると伝えていた。

それからは優樹を車に乗せて、高橋先生の家に向かった。
僕も心配だったので、そのまま高橋先生の家に一緒に行った。



高橋先生の家に着いた時にはもう夜1時近くになっていた。
めぐみさんが出迎えてくれた。
とりあえず、優樹からの話は明日聞くことになったので、僕もめぐみさんの勧めで久しぶりに高橋先生の家に泊まることになった。
それからはお風呂に入り、優樹と布団を並べて寝た。



次の日、朝から僕達は仕事だったのでご飯を食べて優樹も一緒に学校に向かった。
学校に着くと会議室で優樹からの話を聞いた。

春休み中は塾以外出かける事もなくずっと勉強していた事。
塾の模擬テストがあまりできなかった事。
お母さんから勉強の事をずっと言われる事。
がんばっていても結果に結び付かずしんどくなっている事。
1人になりたくて夜家を抜け出している事。
今回は夜抜け出している事がお母さんにバレて怒られたからケンカして家を飛び出した事など教えてくれた。



もう優樹は限界やった。
このままでは優樹が潰れる。
両親も警察署まで迎えに行っていない時点でもう親子関係も崩壊してると思った。

高橋先生は優樹から話を聞いて、優樹にこれからどうしたいのか尋ねた。



「勉強は大事ってわかってるからちゃんとする。ただ、ちょっとは自由な時間も欲しい。」と言っていた。

高橋先生は優樹の家に電話をして、両親を呼び出していた。



それから2時間ほどして優樹の両親が学校に来た。
お母さんは優樹に対して怒っていた。

「勉強もせず夜中出歩いて何してるの?補導も何回目なん。良い加減にして。」

「ごめんなさい。」

優樹は謝っていた。
その横で何も言わない父親。
それに対して高橋先生が怒った。



「お父さんもお母さんも優樹の事、何で警察署に迎えに行ってあげないんですか?自分達の子どもでしょ。」

「勉強もせずに夜中出歩いて補導も何回もされて…。親として恥ずかしいし情けないです。」

「それでも親ですか?一日中お母さんに言われた通り期待に答えようと勉強して、1人になる時間もなくて…。優樹ががんばってる事とか優樹がしんどくなってる事とかわかりませんか?」

「中学生は勉強する事が仕事でしょ。がんばるのは当たり前です。そんな事でしんどくなるなんて、この子が弱いだけです。」



そのやり取りを聞いて、優樹が教室を飛び出した。
高橋先生が優樹を追いかけた。

僕はその場で呆然とする優樹の両親と残る事になった。
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