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第二章
10.S級に至るはずだった人たち②
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かつて、ダイヤモンドスターは、バーバラ、キャロル、メイベルの女三人とジャンの男一人、計四人のパーティメンバーで構成されていた。サイラスが入ったのは、メイベルが抜けてからしばらくしてである。
キャロルから見て、このサイラスという男は非常に優秀な人物だった。
年長でも新入りだからと雑用を率先してこなし、本来は付与術師で治癒術師の仕事は不慣れで当然なのに、バーバラから文句を言われるキャロルを支え、モンスターから守ってくれるのだ。
それでもダイヤモンドスターが、栄光から転がり落ちる現状は、変わらないのがつらいところだ。
キャロルとしては、サイラスにこのパーティーは本当にS級なのだと言いたいのだ。
そのサイラスは、ごみ屋敷を作り冷めた目で頬杖をつくリーダーに目を向けると、苦笑をこぼした。
「浮かない顔だな。依頼がこないのか?」
「クエストの承認も全滅だ。メイベルの奴が裏で手を回してるに違いねぇ」
以前はギルドに行けば、指名を受けたクエストを自分たちで選べば良かった。
今は鳴かず飛ばずで、ギルドにわざわざクエストをもらいに行っても、近頃のバーバラの素行の悪さが原因で門前払いの目に遭っている。
自分の所為なのに文句を垂れるばかりのバーバラに、キャロルはまたため息を吐いた。
(あいつは死んでるでしょ。言い訳してないで、リーダーの仕事ちゃんとやってよね)
別に自分たちがメイベルを死なせたわけじゃないが、彼女みたいなのがA級ダンジョンで一人生き延びられるわけがない。
ダンジョンの置き去りは、パーティーからの追放宣言だけではこちらが迷惑していると気づいていないメイベルに分からせるため、リーダーのバーバラが発案して、副リーダーのジャンが一緒になって計画し実行したものだ。
本当に実行されたのには驚いたが、ダンジョンに一人置いていかれ、びっくりした顔でこちらを見るメイベルの表情は、鬱憤の溜まっていたキャロルを清々しい気持ちにさせた。
アハハざまあみろ。
言い訳ばかりするような人物だからか報酬もしっかり取り分を要求してきて、腹が立つったらなかった。
キャロルは二人分の仕事をしていたのだ!
というか今だってそうなのに、現在も分配は均等のままのが解せない。
バーバラがリーダー特権を振りかざして自分だけ少し多めにしようとするのを、幼馴染のジャンが抑えてくれなかったら、さらに取り分は減っていたかもしれない。
(彼女が消えたらすべて上手くいくと思ったのに……)
メイベルを追放するまでは、バーバラとは悪い関係じゃなかった。お互い使えない人の愚痴を言って意気投合していたくらいだ。
メイベルが居なくなって、バーバラの本性を知ることになって、げんなりする。
(あーあ……。ジャンが居るし……って我慢するんじゃなかったなぁ)
他のパーティーに移っていれば、ダイヤモンドスターがもっと落ちぶれたころに声をかけて、ジャンもバーバラを見捨てて頼ってくれたかもしれない。
(今からでも遅くないかなぁ……。ううん、泥舟から一人だけ逃げたって印象を与えるだけかな……)
今は頼れるサイラスも居るから……。
青空の眩しさに目を細めつつ、キャロルは自分にそう言い聞かせると、ごみを外に出しに行こうとするサイラスを手伝いに窓を離れた。
キャロルから見て、このサイラスという男は非常に優秀な人物だった。
年長でも新入りだからと雑用を率先してこなし、本来は付与術師で治癒術師の仕事は不慣れで当然なのに、バーバラから文句を言われるキャロルを支え、モンスターから守ってくれるのだ。
それでもダイヤモンドスターが、栄光から転がり落ちる現状は、変わらないのがつらいところだ。
キャロルとしては、サイラスにこのパーティーは本当にS級なのだと言いたいのだ。
そのサイラスは、ごみ屋敷を作り冷めた目で頬杖をつくリーダーに目を向けると、苦笑をこぼした。
「浮かない顔だな。依頼がこないのか?」
「クエストの承認も全滅だ。メイベルの奴が裏で手を回してるに違いねぇ」
以前はギルドに行けば、指名を受けたクエストを自分たちで選べば良かった。
今は鳴かず飛ばずで、ギルドにわざわざクエストをもらいに行っても、近頃のバーバラの素行の悪さが原因で門前払いの目に遭っている。
自分の所為なのに文句を垂れるばかりのバーバラに、キャロルはまたため息を吐いた。
(あいつは死んでるでしょ。言い訳してないで、リーダーの仕事ちゃんとやってよね)
別に自分たちがメイベルを死なせたわけじゃないが、彼女みたいなのがA級ダンジョンで一人生き延びられるわけがない。
ダンジョンの置き去りは、パーティーからの追放宣言だけではこちらが迷惑していると気づいていないメイベルに分からせるため、リーダーのバーバラが発案して、副リーダーのジャンが一緒になって計画し実行したものだ。
本当に実行されたのには驚いたが、ダンジョンに一人置いていかれ、びっくりした顔でこちらを見るメイベルの表情は、鬱憤の溜まっていたキャロルを清々しい気持ちにさせた。
アハハざまあみろ。
言い訳ばかりするような人物だからか報酬もしっかり取り分を要求してきて、腹が立つったらなかった。
キャロルは二人分の仕事をしていたのだ!
というか今だってそうなのに、現在も分配は均等のままのが解せない。
バーバラがリーダー特権を振りかざして自分だけ少し多めにしようとするのを、幼馴染のジャンが抑えてくれなかったら、さらに取り分は減っていたかもしれない。
(彼女が消えたらすべて上手くいくと思ったのに……)
メイベルを追放するまでは、バーバラとは悪い関係じゃなかった。お互い使えない人の愚痴を言って意気投合していたくらいだ。
メイベルが居なくなって、バーバラの本性を知ることになって、げんなりする。
(あーあ……。ジャンが居るし……って我慢するんじゃなかったなぁ)
他のパーティーに移っていれば、ダイヤモンドスターがもっと落ちぶれたころに声をかけて、ジャンもバーバラを見捨てて頼ってくれたかもしれない。
(今からでも遅くないかなぁ……。ううん、泥舟から一人だけ逃げたって印象を与えるだけかな……)
今は頼れるサイラスも居るから……。
青空の眩しさに目を細めつつ、キャロルは自分にそう言い聞かせると、ごみを外に出しに行こうとするサイラスを手伝いに窓を離れた。
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