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【番外編⑤】Happy Christmas(終)
【番外編】Happy Christmas ⑪
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「藍流と流風に。メリークリスマス」
フルーツたっぷりのケーキまで堪能してソファに移動し、ホットミルクを飲みながらクリスマスカードを贈った。
「ありがとう。これは俺から」
「これは俺から奏に」
藍流からのクリスマスカードを受け取り、流風のものも受け取る。三人で封筒を開けながら、ふと疑問に思う。
「藍流と流風は贈りあわないの?」
「え?」
「え?」
ふたりはきょとんとした顔をして、互いに顔を見あわせる。
「俺と流風が?」
「俺が藍流と?」
首を傾けて互いを見て、複雑そうな表情で奏を見る。
「必要なくない?」
「今さら藍流とって」
ふたりとも微妙な顔をしている。そういうものなのか。
「俺は藍流と流風が大好きだから、ふたりが仲良くしてると嬉しいんだけどな」
今でも充分仲良くしているけれど、仲が良すぎて悪いことはない。奏の言葉に、また藍流と流風は顔を見あわせる。奏の頭上で互いを眺めているので、奏もふたりの視線を追ってみる。
「年賀状?」
「寒中見舞い? 流風に?」
複雑そうに首をひねっているのがおかしくて、奏は噴き出した。
「奏が笑うの?」
「奏が言い出したのに」
「ごめんごめん」
だっておかしいのだから仕方がない。笑いながらふたりからもらった封筒を開ける。
藍流からのものは雪が降る濃紺の夜空の下の白い木々の中にカラフルなクリスマスツリーが立っているもので、幻想的な雰囲気がとても綺麗だ。流風からのものはポップアップタイプのカードで、カードを開くとレーザーカットで表現されたクリスマスの街並みが立体的に浮き上がるもの。深いグリーンの背景に白い木々とカラフルなツリーや家々が可愛い。ふたりとも、なんというか「らしい」カードだ。でも。
「――メッセージがない」
どちらもメッセージ欄は空白で、少し寂しい。
「言葉がうまく見つからなかったんだ」
「うん。俺も流風と同じ」
流風も藍流もはにかみながらも申し訳なさそうに眉をさげる。
「奏への感謝や好きな気持ち、嬉しさとか幸せとか、全部を言葉で表したくても、表現できる言葉が浮かばなかったんだよ」
「こんな大きな思い、言葉じゃ表せないよ」
藍流も流風も、そういうところがずるいのだ。いつでも「最高」をくれる。奏があげる以上にくれるから、いつももらってばかりだ。
藍流と流風も封筒を開け、カードを取り出す。どきどきとその姿を見つめていたら、ふたりは涙ぐんで右側と左側からぎゅうぎゅうと抱きしめてきた。
たくさん悩んで書いたメッセージは、「あなたが幸せであるように」。自分の気持ちをそのまま表すならば、それが一番しっくりきたのだ。ふたりが幸せであることが奏の願いで、幸せだ。
「奏がいたらそれだけで幸せだよ」
「俺も藍流も、今だってこれからだって、ずっと幸せ」
こうやって言ってくれるふたりだから、奏はよりいっそう幸せを感じる。藍流と流風の愛に応えるように、ふたりにキスを贈った。
「シャワー浴びる?」
藍流が奏の髪を撫でながら囁くので、小さく頷く。流風の唇が耳に触れ、ぞくりと甘い刺激が体内を走った。
「先に浴びておいで」
「うん」
甘い夜の予感に胸が高鳴りながら、着替えを持って浴室に向かった。
フルーツたっぷりのケーキまで堪能してソファに移動し、ホットミルクを飲みながらクリスマスカードを贈った。
「ありがとう。これは俺から」
「これは俺から奏に」
藍流からのクリスマスカードを受け取り、流風のものも受け取る。三人で封筒を開けながら、ふと疑問に思う。
「藍流と流風は贈りあわないの?」
「え?」
「え?」
ふたりはきょとんとした顔をして、互いに顔を見あわせる。
「俺と流風が?」
「俺が藍流と?」
首を傾けて互いを見て、複雑そうな表情で奏を見る。
「必要なくない?」
「今さら藍流とって」
ふたりとも微妙な顔をしている。そういうものなのか。
「俺は藍流と流風が大好きだから、ふたりが仲良くしてると嬉しいんだけどな」
今でも充分仲良くしているけれど、仲が良すぎて悪いことはない。奏の言葉に、また藍流と流風は顔を見あわせる。奏の頭上で互いを眺めているので、奏もふたりの視線を追ってみる。
「年賀状?」
「寒中見舞い? 流風に?」
複雑そうに首をひねっているのがおかしくて、奏は噴き出した。
「奏が笑うの?」
「奏が言い出したのに」
「ごめんごめん」
だっておかしいのだから仕方がない。笑いながらふたりからもらった封筒を開ける。
藍流からのものは雪が降る濃紺の夜空の下の白い木々の中にカラフルなクリスマスツリーが立っているもので、幻想的な雰囲気がとても綺麗だ。流風からのものはポップアップタイプのカードで、カードを開くとレーザーカットで表現されたクリスマスの街並みが立体的に浮き上がるもの。深いグリーンの背景に白い木々とカラフルなツリーや家々が可愛い。ふたりとも、なんというか「らしい」カードだ。でも。
「――メッセージがない」
どちらもメッセージ欄は空白で、少し寂しい。
「言葉がうまく見つからなかったんだ」
「うん。俺も流風と同じ」
流風も藍流もはにかみながらも申し訳なさそうに眉をさげる。
「奏への感謝や好きな気持ち、嬉しさとか幸せとか、全部を言葉で表したくても、表現できる言葉が浮かばなかったんだよ」
「こんな大きな思い、言葉じゃ表せないよ」
藍流も流風も、そういうところがずるいのだ。いつでも「最高」をくれる。奏があげる以上にくれるから、いつももらってばかりだ。
藍流と流風も封筒を開け、カードを取り出す。どきどきとその姿を見つめていたら、ふたりは涙ぐんで右側と左側からぎゅうぎゅうと抱きしめてきた。
たくさん悩んで書いたメッセージは、「あなたが幸せであるように」。自分の気持ちをそのまま表すならば、それが一番しっくりきたのだ。ふたりが幸せであることが奏の願いで、幸せだ。
「奏がいたらそれだけで幸せだよ」
「俺も藍流も、今だってこれからだって、ずっと幸せ」
こうやって言ってくれるふたりだから、奏はよりいっそう幸せを感じる。藍流と流風の愛に応えるように、ふたりにキスを贈った。
「シャワー浴びる?」
藍流が奏の髪を撫でながら囁くので、小さく頷く。流風の唇が耳に触れ、ぞくりと甘い刺激が体内を走った。
「先に浴びておいで」
「うん」
甘い夜の予感に胸が高鳴りながら、着替えを持って浴室に向かった。
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