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後編
しおりを挟む付き合い始めて一ヶ月ほど経ったある日、僕は拓真のお姉さんに呼び出された。
「京太くん、あなた拓真とは別れた方がいいわよ」
いきなりこんなことを言われて困惑した。
「えっと……どうしてですか?」
「だってあの子浮気ばっかりしてるもの。この間も他の女の家に泊まって朝帰りしてきたのよ?信じらんない」
「そう、なんですね」
僕は混乱しながらも拓真がそんなことをするはずがないと思っていた。
「それに最近、拓真があなたの話をしてくるんだけど、どう考えても変なのよ」
「⋯⋯どんな風にですか?」
「『あいつとセックスしたら気持ち良すぎて癖になりそうだ』とか、『あいつは俺がいなくちゃ生きていけないんだよ』とか……まるであなたが拓真の性欲処理係みたいじゃない」
「⋯⋯」
「とにかく、私はあんなクズみたいな弟を持った覚えはないわ。だから別れなさい」
一方的にそう言い残してお姉さんは去って行った。
僕はしばらく放心状態だった。
お姉さんが言っていた言葉は僕も言われたことを覚えている。
そしてそのまま拓真にメッセージを送った。
『ごめん。別れる。さようなら』
そして僕はそのまま逃げるように大学のために上京した。
それから3年経ったある日拓真と再会した。
大学のサークルでの飲み会をしているときだった。
たまたまそこの居酒屋に拓真がいた。
合コンをしているのだろうか、隣には女の子が座っている。僕は気づかれないように身を潜めていた。
僕はいたたまれなくなって、トイレに行くと言ってそのまま抜け出した。
店を出て、建物の間で僕は静かにうずくまって一人で泣いた。
「うぅ」
やっぱり僕はまだ拓真のことが好きだったみたいだ。
「京太」
うずくまっている僕に後ろから声がかけられた。振り向くとそこには拓真が立っていた。
「拓真っ!?」
僕は驚いて立ち上がる。拓真も驚いた顔をしていた。
「お前、ここで何やってんの?」
「べ、別になんでもいいじゃん」
「ふーん、まあいいや。それよりさいろいろ聞きたいことがあるんだけど「ねぇ、拓真、今何してる?」
僕は拓真の言葉を遮って問いかけた。
酒で酔ってヤケクソになっているからかもしれない。
拓真は驚いた顔をして答えた。
「何も」
「あっ、あんっ、あぁ」
「なぁ、京太?何で突然逃げたんだ?」
拓真は僕の乳首を指で弄りながら聞いてきた。
「うぁっ、にげてなんかっ、あっ、ああ」
僕は喘ぎながらも答える。
「じゃあなんでだよ?」
「それは……」
「ほら、早く言えよ」
「……拓真が嫌いになったから」
僕は嘘をついた。
「へぇ……」
拓真はそう言うと僕のモノを握って強く握った。
「ひぃっ」僕は苦痛の声を上げる。
「なぁ、それマジか?」
僕は嬌声をあげながらコクンと頷いた
「そっか」
そう言って拓真は僕の尻穴に指を入れると濡れたのを確認して、自分のをあてがってきた。
「いくぞ」
「え、ちょっと待って……」僕の言葉を無視して拓真はそのまま挿入してきた。
「ぐぁっ!」
久しぶりに感じるあまりの質量と痛みに耐えられず思わず叫んでしまう。
それでも感じる快感に僕は耐えられなかった。
「すげ、もう入ったぜ」
拓真は嬉しそうに腰を振り始めた。
「あぁ、あっ、あっ」
拓真の動きに合わせて声が漏れる。
「なぁ、京太、俺は今でもお前のこと愛してるよ」
僕の身体を。でしょ。わかってるよ。
僕は何も答えずにただ嬌声だけを上げ続けた。
そしてその後、僕と拓真はまたヤるだけの関係になっていった。
「ねぇ、今日、この後空いてない?」
昼休み、ご飯を食べていると、同じゼミの女の子に声をかけられた。
「えっと⋯⋯名前なんだっけ?」「え!?」
彼女は目を丸くして驚く。
「冗談だって。ちゃんと覚えてるよ。久田さん、だよね?」
「うん、そうだよ。よかった~、忘れられたかと思った」
「ごめんね。それでどうしたの?」
「あのさ、私と一緒に遊びに行かない?実は前から京太くんと遊んでみたいと思っててさ」
「いいよ」
僕は何の用事もなかったので了承の返事をした。
「やった。じゃあ行こうよ」
久田さんに連れられて僕は駅近くのカラオケ店に入った。
カラオケを楽しんだあと僕は久田さんに誘われて居酒屋に入った。僕はお酒を飲まないのでお茶を飲みながら彼女と話すことにした。
「京太くんはお酒とか全然飲めないんだ?」
久田さんに聞かれる。
「はい。僕は下戸なので」
「そうなんだ。意外と可愛いところあるね」
久田さんとの会話は思っていたよりも弾んだ。
「店長、お会計で」
久美さんはそう言って全額のお金を払おうとした。
「僕も払うよ」
僕が財布からお金を取り出そうとすると久田さんは僕の手の上をそっと隠して、
「大丈夫だよ、そのかわり、ちょっときてくれない?」
「えっ?」
僕はふわふわした頭で久田さんに手を引かれるままついていった。
頭が上手く回らない。
立ち止まったところはラブホテルの前だった。
久田さんがそこに一緒に入ろうとしたので、僕は必死に断った。
「あの、僕、いやです」
「大丈夫、大丈夫。直ぐに気持ち良くなるよ」
僕はその場から逃げようとしたが、ふらふらとおぼつかない足では彼女から逃れることはできなかった。
「京太、探してたんだ。行くぞ」
「拓真…」
僕は突然現れた拓真に手を引かれてそのまま、拓真の家まで連れて行かれた。
「なぁ、京太、何してたんだ?」
拓真は僕の首筋に舌を這わせてくる。
「んっ、なにもしてない」
僕は喘ぎ声を押し殺しながら答える。
「嘘つくんじゃねぇよ。お前は俺のだろ?何勝手に俺以外のやつに触られようとしてんだよ」
拓真が僕の耳元で言った。
やっぱり僕の身体しかみてないんだ…。
「なんで?!別にいいじゃん!拓真には関係ないよ!」
僕は叫んだ。
拓真は驚いた顔をして言う。
「関係なくねぇよ!」
拓真はそのまま僕の胸を掴み強く揉んできた。
「痛っ!止めて」
僕は抵抗するが拓真の力が強く、振りほどくことができない。
「うるせぇ。黙れ」
そう言って今度は僕の口を塞いだ。口の中に拓真の舌が入り込んでくる。僕は拓真を殴ってでも引き剥がそうとしたが、両手を押さえつけられていてそれもできなかった。
拓真とのキスは長い時間続いた。拓真はようやく僕の口から自分の唇を話すと僕に言った。
「俺はお前がすきなんだよ!ずっと忘れられないんだよ!」
拓真はそう言って再び僕に深く深く口づけをする。
僕は何も言わずにそれを受け入れていた。
「そんなに僕の身体が好きなの?」
僕は嘆くよう呟いた。
「うぁっ、ああ、あっ」
「京太、お前も感じてるんだな」
拓真が嬉しそうに言った。
僕は拓真のモノを自分の尻穴に受け入れている。
「拓真ぁ、もっと突いて……」
僕は腰を振りながら拓真を求めた。
「ああっ、京太!出すぞ!受け止めてくれ!」
拓真はそう言って僕の中で果てた。
その後、僕は拓真に求められるままに何度も体位を変えてヤリ続けた。そして気が付くと朝になっていた。
「あれ……ここどこ?」
僕は周りを見渡すと、そこには見慣れない景色が広がっていた。
「起きたか京太」
「拓真?なんでここにいるの?」
「ここは俺の家だ。昨日のこと覚えてねぇのか?」
「えっと……」
僕は思い出すために頭を捻るが何も浮かんでこなかった。
「京太、俺は京太が好きだ」
拓真が唐突に言った。
「うん、知ってるよ」
…僕の身体をね。
「違うんだ。そういう意味じゃない」
「どういうこと?」
「俺はお前の心が欲しいんだ」
「心?」
「そうだ。京太、俺と付き合ってくれ」
「……」
僕は戸惑った。拓真が何を言っているのかわからなかった。
「あのさ、拓真。僕の身体が欲しくて僕と付き合いたいんでしょ?別に付き合わなくても僕とエッチできるでしょ?」
「そうじゃなくて、俺は本気でお前のことが好きなんだ」
「嘘だよ。だって拓真は僕以外ともしてたじゃん!」
「……何の話だ?」
拓真がまるで初めて聞いたかのような反応をし
た。
「えっ?」
僕は混乱する。
「いや、本当に知らないんだ。誰かと勘違いしてないか?」
「そんなはずは……だって、あのときお姉さんに……」
「姉貴と何かあったのか?」
僕は思い切ってあの日あったことを言った。
「実はあの日、拓真のお姉さんに呼び出されたんだ。そこで、拓真が浮気して他の人とヤっていることを知ったんだ」
「何を言ってるんだ?俺は京太としかシタことはない!」
拓真は僕の肩を掴んで必死に訴えた。
「本当なの?」
「当たり前だろ!京太以外のやつとは絶対にしない!」
拓真は真剣な眼差しで僕を見た。
「それだけじゃない!あの人は拓真が僕の身体目当てだって……」
「違う!確かに拓真の身体も好きだけど、それよりももっと拓真自身が好きだ!」
「信じていいんだよね?」
「もちろんだ!俺は京太が好きなんだ!」
拓真は力強く言った。
僕はその言葉を聞いて涙が溢れ出た。
「ありがとう。僕も拓真のこと大好きだよ」
「京太!」
拓真はそう言うと僕を力強く抱きしめた。
「ちょっと痛いよ」
僕は拓真を引き離す。
「これからはずっと一緒だからな」
拓真は笑顔で言う。
僕たちはそっと、軽く触れるだけのキスをした。
──────
最後まで見ていただき、誠にありがとうございました。
後日談として姉の話等を書けたらいいなと思っていますので、たまに覗いて下さると嬉しいです。
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