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帝国への亡命

第25話 寝てる間に浄化行為しちゃえ!

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ガバッ!

ロイは勢いよく飛び起きた。そして現在の状況を確認する。自身はベッドの上、黒炎による火傷は……治癒済みか。毛布を捲れば当たり前のようにユキノがいた。ピンクのノースリーブから更に露出が上がって黒のタンクトップ着ている。下は流石に茶色の短パンを穿いている。

コイツ、俺を男だと思ってないのか?

ヨダレをたらしながらもその表情は”にへらぁ~”と幸せそうな表情を浮かべていた。ロイはユキノが仰向けになるように腕を移動させた。

そう言えば、前回の浄化行為の時にかなり声を上げてたな……正直これからはマナブやサリナもいるだろうし……今のうちにやっといた方がいいな。

ロイはユキノが起きないようにそっと左胸へと手を添えた。『浄化の指輪』が共鳴を始めて手の表面が僅かに光始めた。次の瞬間、背後から声をかけられた。

「ロイ、あなた5年も離れてる間に随分とゲスな男になったわね」

「なっ!お前!?」

驚いたロイの手は深く沈み込む。手の隙間から柔肉が溢れだし、黒のタンクトップの下からピンクのブラが垣間見えた。

「んんっ……うっ、ふぅっ……あ……う、んんん……」

「あらあら、喘ぎ声が漏れてるわよ?ワタクシに見つかっても続けるなんて、メンタル面においては黒騎士カイロを超えてるわね」

「お前……もしかして、ソフィアか?」

「……忘れてると思ってたわ」

「いや、お前を忘れることなんてできるわけないだろ」

部屋に設置してある椅子に座っていたソフィアはゆっくりと立ち上がってロイへと歩み寄る。その一歩一歩にロイの本能が警鐘を鳴らしている。

まずい、怒ってるか?ビ、ビンタされるっ!!

ソフィアはベッドに乗っかり、そしてロイの右腕を掴んで言った。

「そろそろ離してあげなさいな。彼女、困惑してるわよ?」

「え?」

ロイが右へと視線を向けると、顔は紅潮し涙目で口をアワアワさせているユキノが目に映った。「わ、悪い」とロイが手を離すとユキノは体を起こして胸の前で腕をクロスさせて「……い、いえ」と返した。

「ま、顔見て名前を言っただけマシと思うことにするわ。ワタクシ、先に下で待ってるわね?朝食でも食べながら色々と説明するから」

パタンッ、シーン……

「ロイさん、あの方とはどういう関係ですか?」

「アイツは5年前に村で預かった帝国の元貴族だ。俺の村で銀髪は珍しいだろ?だからか苛められてたんだ。正直、見てて気分悪くてな……その時に助けてから俺の事を『夫』とか言い始めたんだ」

ユキノが突然グイッと顔を近付けて言った。

「それで、結婚するんですか?」

「い、いや……今はちょっと考えられない」

「よ、良かったぁ~……ハッ!た、他意は無いですよ!?無いですからね!」

顔を手で隠しながらブンブンと顔を振るユキノ、その様子を見たロイは少し鼻を鳴らしてユキノの頭に手を乗せる。

「お前を独りにするわけねえじゃん。お前と俺は一蓮托生だぜ?全部終わったら帰る方法だって探してやるからそれまでよろしくな、相棒!」

「はぃ……ふつつかものですが、よろしくお願いします!」


☆☆☆


『ステータス』

ロイ&ユキノ (影魔術師、治癒術師)

グラム+60
総合力5690
『聖剣特性強化』

テュルソス+60
総合力5130
『スキル向上』

サリナ (槍術師)

『隕石の槍』電気を帯びたAランクの槍。元は魔槍ケラウノス、浄化された際に特殊効果のほとんどが消失した。現在はミスリルの槍に雷をエンチャントしただけの高級な槍と化している。

マナブ (土魔術師)

『隕石の魔道書』土魔術に補正がかかるAランク魔道書。元は禁書グリモワール、浄化された際に特殊効果のほとんどが消失した。現在は上級魔道書に土魔術効果上昇が追加されただけの高級魔道書と化している。

ソフィア (聖騎士)

聖槍ロンギヌス+90
総合力8710
魔力増幅オーバーロード

今回ロイとユキノは浄化行為を行いましたが、強化値が上昇する程の穢れを保有してなかったために増加はしませんでした。

テュルソスは序盤で浄化の指輪を介してグラムとマッチングしたために、武器特性を犠牲にしつつ闇武器としてのポテンシャルを有したまま『隕石の杖』への変化が免除されています。削除前の武器特性は良い意味でも悪い意味でも『感度上昇』です。

経験値ですが、闇の武器は浄化されないままダイレクトに武器へと還元されます。浄化の指輪無しの聖武器は経験値をゆっくりと『ろ過(浄化)』して還元されるので反映に時間かかります。

浄化の指輪有りの聖武器は触れた相手の穢れを数秒でろ過してマッチング相手と自身に還元するので実質『獲得経験値+○%』が付与されてるようなもんです。

村長が表層しか浄化できないと言う旨の発言をしていましたが、実際は表層どころか武器特性と名前すらぶっ飛ばして浄化しちゃってます。これに関しては後々明かされますので設定矛盾と言うわけではございません。

ソフィアの強化値の高さは聖武器の入手時期がロイより遥かに早かったからです。

ソフィアの魔力増幅オーバーロードは応用力に富んでます。序盤、崩落したとはいえ、ピラミッドクラスの質量を誇るオーパーツの安置されてた神殿を証拠隠滅のために極大ビームで吹き飛ばしています。

その他には魔力を消費してろ過速度を爆速にできますのでロイに遅れを取り始めることも無いのでご安心を。(弱点は燃費)
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