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二人交わり一つになる。
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差し出された殿下の手の平に俺の手を乗せて、導かれるままに殿下のベッドに片膝を乗せる。
「殿下…………っうオッ!!」
王族のお使いになるベッドは柔らかく俺の体重を乗せた片膝が思った以上に深く沈んでしまい、バランスを崩した俺は倒れ込んだ拍子に、殿下をベッドに押し倒す様な格好で上にバフッと覆いかぶさってしまった。
「す、すみません!重いですよね!?
今すぐ、どきますので……ひゃ…!」
俺に押し倒されたようにベッドに仰向けになった殿下が、上に覆いかぶさる俺の胸の粒にチュッと吸い付いていた。
下に居る殿下を潰さないようにと腕を立てている俺の肘が、乳首への愛撫にガクガクと震え、カクンと折れそうになる。
「で、殿下っ…ま、待って下さい…!ち、力が抜ける!
あっ…!あっ!こんなの…!
殿下を潰してしまう…から!待って…!」
「オズ、僕がオズに潰される様な、そんなにひ弱な男に見える?
そんな気の使い方しないでよ…。
僕に愛される事だけに集中して…ね…。」
「で、ですが…あぁッ…!ンン…っ!」
俺の胸の粒が先を丸めた殿下の舌の上で包まれながら唇で咥えられ、赤ん坊のようにチュウチュウと音を立て吸われる。
音を聞くだけでも恥ずかしさが募る。
その音に合わせての初めて味わう乳首への強い愛撫に全身の力が抜けそうだ。
なのに下半身だけ変な力の入り方をしていて…殿下の上で四つん這い状態の俺の腰が、乳首を吸われる度にビクッビクッと大きく動いた。
「や、ま、待って下さい…殿下…!」
殿下が四つん這い状態で腰を揺らす俺のトラウザーズの腰まわり両端に手を掛け、ツルンと剥く様に俺のトラウザーズを腿までズリ下げた。
仰向けで寝る殿下の腹部の上に、半勃ち状態の俺の性器がボロンと飛び出る。
一回殿下の腹に乗りかけたソレは、中途半端な硬度をもってクンと俺の腹の方に緩く反り返った。
言っちゃ何だが、殿下の腹部に俺のモノが乗らなくてホッとした。
穢れを知らない神々しい殿下の御身体に俺のモノが乗るなんて…
何だか冒涜的な気もして気が引ける…。
なんて思ってしまったのだが、殿下は俺のソレを握って、緩く扱き始めた。
「でっ…殿下の手が汚れます!…そんな……
そんなモノ握っては……ああっ……!あ!
駄目ですっ!」
殿下に性器を握られて、思わず焦ってしまった。
俺は性経験が無いワケではない。
女性を相手にして性経験だけではあるが、その女性の手により手淫をされた事も勿論ある。
だが、こんな感覚は初めてで…
この気恥ずかしさと申し訳無さが相まって、これが背徳的な行為とすら思えるのに……
この全身を巡る気持ち良さは一体、何なのだろうか。
「あっ!あっ!や……!気持ちい…!は……ンん!
殿下っ…ああ…もぉ…ああもぉ!あああ!」
殿下の手で性器を扱かれて、肉体に与えられた快感だけではなく内側が、身体の芯が、心が激しく疼く。
気持ちが急く様に追い上げられる。
気持ち良くて、愛しくて切なくて、俺の全てが溢れ出してしまいそうだ。
「愛してます!!殿下!!好き!好きだ!
もう…言葉だけじゃ表し尽くせないほど……好きで!
愛してる!!ンンんッ!あああっ!い、イく!」
感情を昂ぶらせた俺は殿下の手の中で、ビュクビュクと白濁液を溢れさせた。
駄目だ、止めなきゃ…!こんなに飛び散って……!
そう思っても、俺のこの溢れんばかりの殿下に対する愛しい気持ちと同じで、飛び出した精液を止める事は叶わなかった。
「オズの……あったかいよ。
そんなにも気持ち良かったの?可愛い……。」
殿下は手の平で受け止め切れずに溢れさせた俺の精液を腹部に受け、それをヌルっと自身の腹部になすった。
俺は殿下の問いかけに大きくコクリと頷き、真っ赤になり俯かせた顔を上げる事が出来ず、四つん這いで耐えていた身体を殿下の上にのしかかる様に重ねた。
もう、肘も膝も立ててはいられなかった。
殿下を潰したくないと言った俺が、もう完全に脱力して殿下の上にグッタリとした身体を重ねる。
細く小さく華奢だと思っていた殿下の身体は、見た目以上にしっかりと力強い存在感があり、俺の重量級の身体の下敷きになった苦しさを余り感じさせない。
俺の巨躯を受け止めた状態で、殿下は折り重なる俺の顔に唇を落とし、両手で俺の身体を優しく撫でさすった。
「オズ、疲れた?大丈夫?
でもまだ休ませてあげられないんだ。
僕と一つになって愛を確かめ合って…溶け合うまでは。
……だから頑張ってね。」
俺が待ち望んだ殿下との交わり…それを果たすまで、脱力している時間など無い。
俺はノソリと身体を持ち上げかけた。
俺が殿下の上に乗った身体をどかす前に、殿下が大きな俺の重い身体をグルンと隣に反転させた。
何と意外に力があるじゃないか!
殿下の隣で、今度は俺が仰向けになった。
ここが大きなベッドで良かった……
俺の部屋のベッドだったら、殿下の寝ている場所から反転したら、もうそこは床に落ちるしかない。
殿下の隣で仰向けになった俺は、シャツの前を開いた状態に太ももまで降ろされたトラウザーズを履いた状態だ。
殿下は中途半端に脱げた俺のトラウザーズを、ズルっと俺の足から抜いた。
下半身を隠すものが一切無くなった状態の俺の膝を立てさせて、その中心に有るものをまじまじとご覧になる。
「で…殿下…あまり見ないで下さい……
ベタベタになって汚いし……」
吐精したばかりの性器も、その周りも、溢れて飛び散った精液で汚れたままベタベタだ。
殿下も俺が出した精液を両手と腹部に付けたままだ。
「汚いなんて無いよ。
オズが僕に感じてくれた証拠じゃないか。」
「そ、それはそうなんですが……
あぁ!駄目です!いけません!殿下…!」
殿下の唇が、俺のペニスの先にチュウっと吸い付いた。
先端の鈴口に滲み出る残滓を、舌先でグリグリと穴を抉じ開ける様にしながら舐め取っていく。
「ふぁ…!あ!殿下っ……!殿下!!」
腰が大きく跳ね上がる。
淫らにねだる様に腰を上下に動かし、殿下を受け入れる予定の後孔を殿下の前に晒した。
「可愛いおねだりの仕方をするね…オズ。
じゃあ、繋がる準備をしていくよ。」
俺の精液を舐め取った口の中に、殿下が中指を入れて指先を濡らした。
その指を俺の後孔に宛てがう。
「あ…あぁ………はぁ………ふぁあ」
ツプと殿下の中指の先端が俺の孔に入る。
内側に、外から挿入る物を受け入れるのは初めてだ。
だが異物感と痛みに俺が身体を強張らせて、殿下のなさる事を阻んではならないのだと俺は体から力を脱いて受け入れた。
同時に間の抜けた声も出たが、力を脱いたお陰で割りとすんなり受け入れられたのではないだろうか。
「……ひあ!?あっ!あうっ!!ぁひぐっ!!」
殿下が根元まで埋めた指先で、俺の内側を掻き回し始めた。
不規則に上下左右に入口を引っ張る様に指を動かして、なおかつズチュズチュと激しい出し入れを始めた。
「ま、待ってくだっ……!そんな、強くッ!」
「待てないよ、これからなのに。
初めて見る、オズの可愛い姿をたくさん見せ付けられて僕も限界なんだ。
ほら。」
俺の開いた股の向こう側にいる殿下が、自身のトラウザーズをズルっと下げた。
俺の目に、初めて見る殿下の雄々しい雄茎がクンと反り返った状態で現れた。
それは、俺の孔の中を掻き回していた殿下の中指とは比較にならないほどの太さと長さを持つ。
━━でかいな……そ、それを……挿れんのか?
俺の尻に……
いや、男性同士の交わりはそういうモノだと分かってはいるが……━━
そりゃ、痛いだろうし苦しいだろうなとの考えが一瞬頭をよぎったが、そんなものは惚れた相手に身を捧げるのに何の障壁にもならない。
俺と繋がりたくて限界だと仰っしゃる殿下を、俺が早く癒やして差し上げたい。
その為なら何だって差し出そう。
「殿下……俺も早く殿下が欲しいです。
殿下と繋がりたい。溶け合いたい。
あなたと……一つになりたいです。」
俺は殿下に向けて両腕を拡げて、来て欲しいとねだった。
「オズ…!!」
「殿ッッ………あああっ!!あぁあ…!んん…」
ツプ…ズン、ググンと、後孔に当てられた殿下の性器の先端が俺の入口を抉じ開け、内側の細道を切り拓く様に道幅を拡げて俺の腹の内側を満たしていく。
受け入れる為に力を抜き口を食いしばる事が出来ない俺は、開いた口から気の抜けた声をあげた。
「あ…オズ…!オズのナカ凄い……!
あ…駄目だ、腰…止まんない…!」
最奥まで埋め込んだ楔がズルっと引き抜きかけられ、再びバチュン!と深く埋め込まれた。
その工程が何度も繰り返される。
「うおぉあ!で、殿下っ…止めないで…!
もっと殿下の好きにしていいんです……!
殿下の気持ちを俺にぶつけて下さい…!」
「オズ、オズのナカすごく気持ちいい…!痛くない?
痛い?ごめんねオズ…!
止まらないんだ…もう!
愛してる…!オズ、大好きだよ!」
「おっ…俺もっっ殿下を愛して…!
ふぁあ!中っ……擦れっ…殿下のが俺の中に…!
殿下と繋がってる…殿下を独り占めしている…
もう…!こんな幸せは……!!
止めないで…!もっと、もっと殿下が欲しい!」
バジュバジュと湿った音を部屋に響かせて、互いの忙しない息遣いと甘さを帯びた声が絡み合う。
俺の上に、守ってあげたいと思えるような殿下の細い身体を乗せて抱きしめる。
華奢な身体を持つ殿下の下半身は逞しく雄々しく、俺の中を激しく突き進み、そのシルシを俺の中に刻み込んでいく。
「オズ…!受け止めて!」
殿下がブルッと身体を震わせた。
それと同時に、俺の内側にブワッと熱が拡がる。
「殿下っ!あ、熱い…あったかいです…
あぁ…殿下………」
俺の上に折り重なる様にクタッと汗ばんだ身体を密着させた殿下の身体を優しく抱きしめる。
この身も心も満たされた、生まれて初めて味わう強い幸福感を、どう表現したら良いのだろうか。
「僕の……僕だけのモノだよ……オズ。
誰にも渡さないから。」
「は…い……殿下……」
唇を重ね、舌先を絡ませ合う。
甘い香りと甘い味が、俺の身体と頭の中に深く刻み込まれていく。
リヒャルト殿下……俺は、貴方だけのモノです。
二人繋がったままでゆっくり微睡んだ後、殿下が甘える様に俺に頬を擦り寄せた。
「また動いていい?オズ。」
断る理由なんか無いのだが、改めて聞かれると答えを口にするのが恥ずかしい。
俺は頬ずりをする殿下の顔に自分の顔を寄せたまま無言で頷いた。
「照れてるの。可愛い…。」
少し硬度を失った殿下の楔がズリュっと俺の内側から抜かれる。
再びズチュンッと俺の内側に帰って来た殿下の楔は、はち切れそうに質量を増して硬くなっていた。
「んああッ!!あ…!殿下っ…!」
「オズの、おっきなお尻が、すごく可愛い。
僕のを根元まで飲み込んで…
本当に、僕だけのオズなんだよね。」
確認するように問われ、貫かれたまま何度も頷く。
俺は殿下を愛している。
だから、こうなれた事に喜びを感じているし何の憂いも無い。
俺の夢の中で出会った枯れ枝のような薄幸の少女。
俺の意思に関係なく、お前に引き摺られたなんて思ってはないが……
お前は、素敵な王子様とこうなりたかったのだろう?
俺の中にいるお前は、こうなれた事を喜んでいるのだろうか。
数回事を済ませた俺達は、互いに全裸のまま寄り添う様にシーツにくるまった。
殿下は俺の腕を枕にして、俺の胸に顔を寄せるようにして眠りにつく。
俺は殿下の寝顔を見ながら、浅い眠りについた。
「………、………、俺は…お前が好きだ。」
「………もう、会いに来ないでと言ったわ………
病が伝染るわよ。
あなたにまで病を伝染したくないの。
だから小屋から離れてちょうだい。」
オンボロの小屋の窓の外に、若い青年が居る。
俺……いや、枯れ枝の様な少女の視線はベッドに入ったまま窓の外の青年に向けられていた。
「転生神様に祈る…。
次の生では、俺は絶対にお前と添い遂げたい。」
「あなたには、まだ今からの人生があるのよ…。
恋だってするだろうし、結婚だってする。
生まれ変わったら、奥さまになった人と巡り合いたいって思うはずよ。
どうか私の事はもう忘れて……幸せになって……。」
………これは………俺、いやこの少女には互いを想う相手が居たという事だろうか。
この、窓の外の青年……まさか、彼が殿下に生まれ変わったのか?
今生で二人結ばれる為に……。
しかし、この少女の頭の片隅に居る俺から見ても
俺が殿下にいだく様な甘く切なく、愛おしく思う感情があるようには見て取れないのだが………
「俺は…次の生で、お前が憧れているような王子様になるよ。
そして、お前の前に現れるから……次こそは結ばれよう。」
「…………ごめん、窓の外でナニ言ってんだかサッパリ聞こえない。
ゴホッゴホッ……寝るから帰って。」
俺の意識を宿した少女は、青年のセリフを聞かなかった事にしてベッドに横たわった。
いや…青年の声、めちゃくちゃ聞こえていたよな?
無視?それともこれは、この先まだ人生の続く彼を思い、突き放したのだろうか。
俺にはそれ以上、何も分からなかった。
「殿下…………っうオッ!!」
王族のお使いになるベッドは柔らかく俺の体重を乗せた片膝が思った以上に深く沈んでしまい、バランスを崩した俺は倒れ込んだ拍子に、殿下をベッドに押し倒す様な格好で上にバフッと覆いかぶさってしまった。
「す、すみません!重いですよね!?
今すぐ、どきますので……ひゃ…!」
俺に押し倒されたようにベッドに仰向けになった殿下が、上に覆いかぶさる俺の胸の粒にチュッと吸い付いていた。
下に居る殿下を潰さないようにと腕を立てている俺の肘が、乳首への愛撫にガクガクと震え、カクンと折れそうになる。
「で、殿下っ…ま、待って下さい…!ち、力が抜ける!
あっ…!あっ!こんなの…!
殿下を潰してしまう…から!待って…!」
「オズ、僕がオズに潰される様な、そんなにひ弱な男に見える?
そんな気の使い方しないでよ…。
僕に愛される事だけに集中して…ね…。」
「で、ですが…あぁッ…!ンン…っ!」
俺の胸の粒が先を丸めた殿下の舌の上で包まれながら唇で咥えられ、赤ん坊のようにチュウチュウと音を立て吸われる。
音を聞くだけでも恥ずかしさが募る。
その音に合わせての初めて味わう乳首への強い愛撫に全身の力が抜けそうだ。
なのに下半身だけ変な力の入り方をしていて…殿下の上で四つん這い状態の俺の腰が、乳首を吸われる度にビクッビクッと大きく動いた。
「や、ま、待って下さい…殿下…!」
殿下が四つん這い状態で腰を揺らす俺のトラウザーズの腰まわり両端に手を掛け、ツルンと剥く様に俺のトラウザーズを腿までズリ下げた。
仰向けで寝る殿下の腹部の上に、半勃ち状態の俺の性器がボロンと飛び出る。
一回殿下の腹に乗りかけたソレは、中途半端な硬度をもってクンと俺の腹の方に緩く反り返った。
言っちゃ何だが、殿下の腹部に俺のモノが乗らなくてホッとした。
穢れを知らない神々しい殿下の御身体に俺のモノが乗るなんて…
何だか冒涜的な気もして気が引ける…。
なんて思ってしまったのだが、殿下は俺のソレを握って、緩く扱き始めた。
「でっ…殿下の手が汚れます!…そんな……
そんなモノ握っては……ああっ……!あ!
駄目ですっ!」
殿下に性器を握られて、思わず焦ってしまった。
俺は性経験が無いワケではない。
女性を相手にして性経験だけではあるが、その女性の手により手淫をされた事も勿論ある。
だが、こんな感覚は初めてで…
この気恥ずかしさと申し訳無さが相まって、これが背徳的な行為とすら思えるのに……
この全身を巡る気持ち良さは一体、何なのだろうか。
「あっ!あっ!や……!気持ちい…!は……ンん!
殿下っ…ああ…もぉ…ああもぉ!あああ!」
殿下の手で性器を扱かれて、肉体に与えられた快感だけではなく内側が、身体の芯が、心が激しく疼く。
気持ちが急く様に追い上げられる。
気持ち良くて、愛しくて切なくて、俺の全てが溢れ出してしまいそうだ。
「愛してます!!殿下!!好き!好きだ!
もう…言葉だけじゃ表し尽くせないほど……好きで!
愛してる!!ンンんッ!あああっ!い、イく!」
感情を昂ぶらせた俺は殿下の手の中で、ビュクビュクと白濁液を溢れさせた。
駄目だ、止めなきゃ…!こんなに飛び散って……!
そう思っても、俺のこの溢れんばかりの殿下に対する愛しい気持ちと同じで、飛び出した精液を止める事は叶わなかった。
「オズの……あったかいよ。
そんなにも気持ち良かったの?可愛い……。」
殿下は手の平で受け止め切れずに溢れさせた俺の精液を腹部に受け、それをヌルっと自身の腹部になすった。
俺は殿下の問いかけに大きくコクリと頷き、真っ赤になり俯かせた顔を上げる事が出来ず、四つん這いで耐えていた身体を殿下の上にのしかかる様に重ねた。
もう、肘も膝も立ててはいられなかった。
殿下を潰したくないと言った俺が、もう完全に脱力して殿下の上にグッタリとした身体を重ねる。
細く小さく華奢だと思っていた殿下の身体は、見た目以上にしっかりと力強い存在感があり、俺の重量級の身体の下敷きになった苦しさを余り感じさせない。
俺の巨躯を受け止めた状態で、殿下は折り重なる俺の顔に唇を落とし、両手で俺の身体を優しく撫でさすった。
「オズ、疲れた?大丈夫?
でもまだ休ませてあげられないんだ。
僕と一つになって愛を確かめ合って…溶け合うまでは。
……だから頑張ってね。」
俺が待ち望んだ殿下との交わり…それを果たすまで、脱力している時間など無い。
俺はノソリと身体を持ち上げかけた。
俺が殿下の上に乗った身体をどかす前に、殿下が大きな俺の重い身体をグルンと隣に反転させた。
何と意外に力があるじゃないか!
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殿下の隣で仰向けになった俺は、シャツの前を開いた状態に太ももまで降ろされたトラウザーズを履いた状態だ。
殿下は中途半端に脱げた俺のトラウザーズを、ズルっと俺の足から抜いた。
下半身を隠すものが一切無くなった状態の俺の膝を立てさせて、その中心に有るものをまじまじとご覧になる。
「で…殿下…あまり見ないで下さい……
ベタベタになって汚いし……」
吐精したばかりの性器も、その周りも、溢れて飛び散った精液で汚れたままベタベタだ。
殿下も俺が出した精液を両手と腹部に付けたままだ。
「汚いなんて無いよ。
オズが僕に感じてくれた証拠じゃないか。」
「そ、それはそうなんですが……
あぁ!駄目です!いけません!殿下…!」
殿下の唇が、俺のペニスの先にチュウっと吸い付いた。
先端の鈴口に滲み出る残滓を、舌先でグリグリと穴を抉じ開ける様にしながら舐め取っていく。
「ふぁ…!あ!殿下っ……!殿下!!」
腰が大きく跳ね上がる。
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じゃあ、繋がる準備をしていくよ。」
俺の精液を舐め取った口の中に、殿下が中指を入れて指先を濡らした。
その指を俺の後孔に宛てがう。
「あ…あぁ………はぁ………ふぁあ」
ツプと殿下の中指の先端が俺の孔に入る。
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だが異物感と痛みに俺が身体を強張らせて、殿下のなさる事を阻んではならないのだと俺は体から力を脱いて受け入れた。
同時に間の抜けた声も出たが、力を脱いたお陰で割りとすんなり受け入れられたのではないだろうか。
「……ひあ!?あっ!あうっ!!ぁひぐっ!!」
殿下が根元まで埋めた指先で、俺の内側を掻き回し始めた。
不規則に上下左右に入口を引っ張る様に指を動かして、なおかつズチュズチュと激しい出し入れを始めた。
「ま、待ってくだっ……!そんな、強くッ!」
「待てないよ、これからなのに。
初めて見る、オズの可愛い姿をたくさん見せ付けられて僕も限界なんだ。
ほら。」
俺の開いた股の向こう側にいる殿下が、自身のトラウザーズをズルっと下げた。
俺の目に、初めて見る殿下の雄々しい雄茎がクンと反り返った状態で現れた。
それは、俺の孔の中を掻き回していた殿下の中指とは比較にならないほどの太さと長さを持つ。
━━でかいな……そ、それを……挿れんのか?
俺の尻に……
いや、男性同士の交わりはそういうモノだと分かってはいるが……━━
そりゃ、痛いだろうし苦しいだろうなとの考えが一瞬頭をよぎったが、そんなものは惚れた相手に身を捧げるのに何の障壁にもならない。
俺と繋がりたくて限界だと仰っしゃる殿下を、俺が早く癒やして差し上げたい。
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「オズ…!!」
「殿ッッ………あああっ!!あぁあ…!んん…」
ツプ…ズン、ググンと、後孔に当てられた殿下の性器の先端が俺の入口を抉じ開け、内側の細道を切り拓く様に道幅を拡げて俺の腹の内側を満たしていく。
受け入れる為に力を抜き口を食いしばる事が出来ない俺は、開いた口から気の抜けた声をあげた。
「あ…オズ…!オズのナカ凄い……!
あ…駄目だ、腰…止まんない…!」
最奥まで埋め込んだ楔がズルっと引き抜きかけられ、再びバチュン!と深く埋め込まれた。
その工程が何度も繰り返される。
「うおぉあ!で、殿下っ…止めないで…!
もっと殿下の好きにしていいんです……!
殿下の気持ちを俺にぶつけて下さい…!」
「オズ、オズのナカすごく気持ちいい…!痛くない?
痛い?ごめんねオズ…!
止まらないんだ…もう!
愛してる…!オズ、大好きだよ!」
「おっ…俺もっっ殿下を愛して…!
ふぁあ!中っ……擦れっ…殿下のが俺の中に…!
殿下と繋がってる…殿下を独り占めしている…
もう…!こんな幸せは……!!
止めないで…!もっと、もっと殿下が欲しい!」
バジュバジュと湿った音を部屋に響かせて、互いの忙しない息遣いと甘さを帯びた声が絡み合う。
俺の上に、守ってあげたいと思えるような殿下の細い身体を乗せて抱きしめる。
華奢な身体を持つ殿下の下半身は逞しく雄々しく、俺の中を激しく突き進み、そのシルシを俺の中に刻み込んでいく。
「オズ…!受け止めて!」
殿下がブルッと身体を震わせた。
それと同時に、俺の内側にブワッと熱が拡がる。
「殿下っ!あ、熱い…あったかいです…
あぁ…殿下………」
俺の上に折り重なる様にクタッと汗ばんだ身体を密着させた殿下の身体を優しく抱きしめる。
この身も心も満たされた、生まれて初めて味わう強い幸福感を、どう表現したら良いのだろうか。
「僕の……僕だけのモノだよ……オズ。
誰にも渡さないから。」
「は…い……殿下……」
唇を重ね、舌先を絡ませ合う。
甘い香りと甘い味が、俺の身体と頭の中に深く刻み込まれていく。
リヒャルト殿下……俺は、貴方だけのモノです。
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「また動いていい?オズ。」
断る理由なんか無いのだが、改めて聞かれると答えを口にするのが恥ずかしい。
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「照れてるの。可愛い…。」
少し硬度を失った殿下の楔がズリュっと俺の内側から抜かれる。
再びズチュンッと俺の内側に帰って来た殿下の楔は、はち切れそうに質量を増して硬くなっていた。
「んああッ!!あ…!殿下っ…!」
「オズの、おっきなお尻が、すごく可愛い。
僕のを根元まで飲み込んで…
本当に、僕だけのオズなんだよね。」
確認するように問われ、貫かれたまま何度も頷く。
俺は殿下を愛している。
だから、こうなれた事に喜びを感じているし何の憂いも無い。
俺の夢の中で出会った枯れ枝のような薄幸の少女。
俺の意思に関係なく、お前に引き摺られたなんて思ってはないが……
お前は、素敵な王子様とこうなりたかったのだろう?
俺の中にいるお前は、こうなれた事を喜んでいるのだろうか。
数回事を済ませた俺達は、互いに全裸のまま寄り添う様にシーツにくるまった。
殿下は俺の腕を枕にして、俺の胸に顔を寄せるようにして眠りにつく。
俺は殿下の寝顔を見ながら、浅い眠りについた。
「………、………、俺は…お前が好きだ。」
「………もう、会いに来ないでと言ったわ………
病が伝染るわよ。
あなたにまで病を伝染したくないの。
だから小屋から離れてちょうだい。」
オンボロの小屋の窓の外に、若い青年が居る。
俺……いや、枯れ枝の様な少女の視線はベッドに入ったまま窓の外の青年に向けられていた。
「転生神様に祈る…。
次の生では、俺は絶対にお前と添い遂げたい。」
「あなたには、まだ今からの人生があるのよ…。
恋だってするだろうし、結婚だってする。
生まれ変わったら、奥さまになった人と巡り合いたいって思うはずよ。
どうか私の事はもう忘れて……幸せになって……。」
………これは………俺、いやこの少女には互いを想う相手が居たという事だろうか。
この、窓の外の青年……まさか、彼が殿下に生まれ変わったのか?
今生で二人結ばれる為に……。
しかし、この少女の頭の片隅に居る俺から見ても
俺が殿下にいだく様な甘く切なく、愛おしく思う感情があるようには見て取れないのだが………
「俺は…次の生で、お前が憧れているような王子様になるよ。
そして、お前の前に現れるから……次こそは結ばれよう。」
「…………ごめん、窓の外でナニ言ってんだかサッパリ聞こえない。
ゴホッゴホッ……寝るから帰って。」
俺の意識を宿した少女は、青年のセリフを聞かなかった事にしてベッドに横たわった。
いや…青年の声、めちゃくちゃ聞こえていたよな?
無視?それともこれは、この先まだ人生の続く彼を思い、突き放したのだろうか。
俺にはそれ以上、何も分からなかった。
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「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。
キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ!
あらすじ
「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」
貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。
冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。
彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。
「旦那様は俺に無関心」
そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。
バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!?
「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」
怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。
えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの?
実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった!
「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」
「過保護すぎて冒険になりません!!」
Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。
すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
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