【R18】【完結】早逝した薄幸の少女、次の人生ガチムチのオッサンだった。

DAKUNちょめ

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幼い姫君。

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俺がリヒャルト殿下ただお一人のものとなってから、既に半年近くが過ぎた。


俺と殿下の関係は……まぁ上手くいってると言うか…。

王子殿下の専属護衛騎士としては、今まで通りに殿下をお守りして付き従う。

俺が護衛担当の日は、師として剣の鍛錬もする。


夕方交替無しで夜間の護衛も担当の日はドアの前ではなく、話し相手と称して殿下の私室内に入ってお守りするのだが…

その際、誰にも知られる事無く恋人として甘々に幸せな時間を過ごさせて頂いている。


事の最中に賊が来たら大変な事になるのだから、睦み合うのを控えましょうとリヒャルト殿下に進言してはいるが聞き入れては下さらない。


それが嬉しい自分も大概にしなきゃならんと思いつつも、周りには悟られぬよう秘めた恋を続けなきゃならん俺達には、その時間にその場でしか愛を語り合う事が出来ない事を痛感する。


それでも王族の一員であらせられる殿下と俺の様な一騎士風情が、互いに心を通わせ互いの肌に触れ合う事が出来る様になったのは奇跡としか言いようが無い。

俺は幸せ者だ。







「オズ、もっと良く顔を見せて。」



「殿下…恥ずかしいんですって…。」



殿下の部屋での逢瀬で幾度と無く肌を重ね交わり、殿下をより逞しく感じる様になった。

俺を抱く際の殿下はもう立派に一人の男だ。

成長著しい殿下は半年で少し背も伸び、普段はまだ少年らしくあるのだが、しとねを共にする際は大人びた雰囲気を醸し出し、俺を甘やかしたがる。

俺の中を深く穿ち、自身の証を俺の身体の内に刻む殿下は優しく、だが強引に俺の理性を剥がしてゆく。



「もっと乱れたオズが見たいんだよ。
気持ち良くなって乱れて欲しいんだ。
それに、二人の時はリヒャルトって呼んで。」



「ああッ…!そんっ…!な事っ…は……
ぁ、こんな格好…見ないで…は、恥ずいんですって!」



俺の内股をガニ股にするように大きく外側に開かせ、ひっくり返ったカエルみたいになった俺の後孔を殿下の雄杭がジュボッジュボッと出入りするのが分かる。

気持ちいい…けど、その気持ちいいって顔を殿下に見せるのが凄く恥ずかしい。

真っ赤になって喘ぐ中年男の顔なんて…美しい殿下の前に晒したく無い!!

と思えば思うほど、だらしなく口元が開いて熱い吐息と共に上擦ったおかしな声が漏れる。

恥ずかしい姿を見られて興奮するなんて、変態か俺は。



「んアッ!あっ!ソコ好きぃ!
でんっ……リヒャルトの硬いのでソコ、コリコリされるの好き!!」



「フフッ、じゃあもっとコリコリと擦ってあげる。
お尻の中、おヘソの内側のここ擦るとオズのペニスも元気になるもんね。」



「そ、そんな激しいの駄目ですっ…!!
あああっ!い、イイ!ィィい!!」



優しい殿下が容赦なく俺の身体を愛でて苛めて来る。

俺の敏感な場所を擦り、俺に絶頂を迎える様に促しながら殿下自身も自らを高みへと追い上げていく。

二人の忙しない息遣いが重なり、グンっと腰を突き上げた殿下の腕を縋る様に掴んだ俺は、内側に抱いた殿下の脈動を感じてクゥゥっと内壁を窄める。



「あっ!!あああっ!リヒャルト!もっと…!
熱いのナカにたくさん出して…!
リヒャルトのがたくさん欲しい…!」



「オズ、オズもたくさん出して!」



殿下は手の平で傘を作る様にして俺の鈴口を覆い、無遠慮に吐き出した俺の精液をその御手で受け止めて下さった。

ああ、なんと申し訳無い事をさせたのだと思いもするが……

そのような行為を躊躇なく行って下さる殿下の愛が嬉しくて堪らない。



「……………殿下……少し、お疲れなのでは…?」



事が済んだ後は互いに心地よい疲労感に身体を委ね、二人まどろむ様に抱き合って寝るのが常だが…。

最近の殿下は、日々の疲れ自体が抜けてないように思える。


理由は分かっている。

殿下は連日、転生神と俺の前世を紐解く何かを探してやっしゃる。


半年ほど俺はアシュリーの夢を見ていないし、もうエルンスト殿下も俺に関わって来ない。


喉元過ぎれば熱さ忘れるでは無いが、もう俺の中でエルンスト殿下の前世の事は、薄い存在となっていた。

リヒャルト殿下いわく、俺は警戒心が薄いと言うのだが、護衛騎士をしている以上は王族の方々の身を守る為に、敵に対する警戒は絶対に怠らないので…そのせいか…

どうもこう、守るべき王族の御方であるエルンスト殿下が俺にする行動に対しての警戒心と言うのは……

後回しになるとゆーか薄れるとゆーか何とゆーか。


半年間何にも無かったもんで、俺の中では済んだ事扱いになってしまっている。


だからこそリヒャルト殿下は、楽観的な俺に代わって色々と調べてくれているのだろう。



「殿下のお気持ちは嬉しいんですが、俺の為の調べ物のせいで殿下がお倒れになったりしたら…。
俺は自分を許せませんよ?」



「オズの為って言うより、これは僕自身の為でもあるんだ。
僕の不安が拭えてないから。」



「半年もの間、何も無かったんですよ?
もうアシュリーの事は諦めたんじゃないんですか。
つか、どう頑張った所で俺アシュリーにはなれないし。」



「半年しか、だよ。
まだ半年しか経ってない。」



何手も先を見据えていくのは、王族ならではの考え方なのであろうか。

目の前にある今だけで手一杯の俺とは違う。


リヒャルト殿下との別れという悲しい未来が待ち構えていると分かっていても、何も考えられず行動にも移せないのが俺だ。



「殿下……俺が非番の日は明方まで本を読んでると聞きましたよ。
ちゃんとお休みに、なられないのでしたら、暫く俺としとねを共にするのはやめときましょう。」



「それは駄目だ。
オズを抱けなくなるなんて僕の命が尽きてしまう。」



大袈裟だな。

そんな風に言われて舞い上がってしまいそうな俺も俺だが。









「オジュワルト。」



「末姫様。」



図書室の扉の前で、授業をなさっている殿下を待つ俺の元にブリュンヒルデ第一王女様がお声を掛けていらした。

10歳になったばかりの姫君は、年の割にはしっかりとした小さな淑女であらせられるのだが、俺の名前だけは何故か上手く発音が出来ない。

だが、そこが何とも愛らしい。



「いかがなさいました?
リヒャルト殿下でしたら、今は授業を受けておいでで…。」



「ううん、わたくし、オジュワルトに会いに来たの。
オジュワルトは最近、リヒャルト兄様と仲が良いでしょ?」



これは……
お兄ちゃんを取らないでと言われているのだろうか。

確かに最近の殿下は、自由時間になると俺と二人で過ごすか読書かに費やすようになった。

リヒャルト殿下を慕って甘えていた王女殿下からしたら、俺が独占しているように思えるかも知れないな。



「申し訳ございません、殿下には姫君との時間を作る様にと進言致します。」



王女殿下はフルフルと緩く首を振った。

王女殿下は、俺の騎士服の端を摘んで俺を見上げる。



「リヒャルト兄様より…
わたくし今はエルンスト兄様が心配なの。
優しい兄様が…お変わりになられたでしょ?」



不意に聞いたエルンスト殿下の名前に、無意識で身体が強張る。

いや、もう今さら……リヒャルト殿下はまだ半年って言い方をしたけれども。

もうアシュリーとしての俺に関わって来る事は無いだろう。



「そうですね…。
半年程前から、ちょっと雰囲気変わりましたしね。
でもまぁ、王太子としての責任を受け止めて大人になられたという事ではないでしょうか。
姫君には寂しく思えるかも知れませんが、ご立派に成長なされている過程でしょうし。」



「そういう心配をしてるのではないのだけれど。
………オジュワルトは楽天家よね。」



そういう心配ではないとは、どういう意味だろう。

そして幼い姫君に楽天家と言われてしまった俺。

王女殿下は半ば呆れた様に、それでも何かを思案するような真剣な表情をした。

何と大人びた女性の顔をするのだろうか。

大人びた表情の幼い淑女に楽天家と言われた俺は、大人びていてもオジュワルトなんて拙い呼び方をする王女殿下の愛らしさに思わず笑みをこぼしてしまう。

そんな俺を、王女殿下がジッと見上げて見詰める。



「オジュワルトは、熊みたいだわ。」



「そりゃ、王族の皆さまをお守りする為に日々鍛えてますから。」



いつもは俺にあまり話しかけて来ない王女殿下が、今日は珍しく俺によく話しかけて来る。

可愛らしい王女殿下に懐かれたようで何だか嬉しい俺は、終始ニコニコしていたのだが



「王都から離れた国境に、大きな街を含む領地があるのだけれど。
………………と、お父様がおっしゃっていたわ。」



「……………はい?それは、どういう………」



王女殿下は、これ以上は言えないとばかりに口をつぐんでしまった。

いや!いや!!逆に気になるだろうソレ!!

その領地は俺もよく知ってるが、そこは隣国との境にあり、防衛線として巨大な砦も有していたよな!

ナニ、俺、ソコに行かされるの!?
田舎に飛ばされるの?
王城勤めを辞めろって事か!?

急に、なんで……?

まさか……
俺と……リヒャルト殿下の関係がバレたとか?



「オジュワルト。
今の話は兄様にはナイショよ?」



王女殿下は人差し指を口の前に立て、秘密を約束させてパタパタと図書室から離れて行かれた。

走り去る王女の姿を可愛いなどと思える様な余裕のある感情など失せており、俺は騎士服の胸の辺りを掴んで

ただ苦しげに表情を歪ませた。



「思った以上に……早かったな……。
エルンスト殿下が俺達の関係を陛下に言ったのだろうか……。」



いつかはこうなると、多少覚悟をしていたつもりだった。

だが、そのいつかって日はまだまだ先の事だと自分の中で勝手に決めていた。

一日殿下と幸せな日を過ごす度に、不幸ないつかも一日先に延びて

延々と距離を詰めないまま先送りになってくれるもんだと脳天気に思い込んでいた。


ああ……俺は……どんな顔をして図書室から出て来るリヒャルト殿下を迎えたらいい?



ガチャ━━



図書室のドアが開き掛けた。





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