王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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○○な2人

お似合いな2人-6人6色・日常篇-

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【錬の場合】
僕が車で帰っていると、黒羽が歩いているのが見えた。
♪「その荷物、すごく重そう...貸して」
「え、でも、」
♪「いいから、ほら...。やっぱり無理して運んでたんだね」
「ごめんね」
僕はそんな黒羽の手を握り、首を横にふった。
♪「謝る必要なんてないよ、寧ろ頼ってもらえて嬉しいから」
そう言うと目の前の恋人は優しく手を握りかえしてくれた。
(すごく温かい)
その手を掴んで、車まで歩いていく。
黒羽に歩調を合わせていると、何故かありがとうと言われた。
嫌なわけじゃないけれど、なんだか落ち着かなくなる。
♪「次から困ったら呼んで。...ね?」
「うん!」
彼女の笑顔が見られたことが、今日一番のよかったことだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【玲音の場合】
バーの準備をしていると、黒羽がグラスを運んできてくれた。
◆「ありがとな」
「ううん、私がやりたかっただけだから」
いつも手伝わせて申し訳ないなと思いつつ、一緒にいられる時間がたまらなく嬉しいと思う。
近くにはバーに新しくつける装飾がまとめて置いてある。
(今のをおろしてランプつらして、それから...!)
どうするか頭で考えていたそのときだった。
◆「危ねえ!」
「...!」
その場でフリーズしてしまっている黒羽に覆い被さるようにして、二人で倒れこんだ。
◆「怪我しなかったか?」
「玲音、ごめんなさい、私...」
目の前の恋人はガタガタと震えている。
(怖い思いをさせちまったな)
◆「怪我がないならそれでいいんだ。本当によかった...」
「違う、違うの...」
◆「...?」
「玲音が怪我していたらって、そう思って...」
(お互い同じようなことを考えていたのか)
大丈夫だからと背中をさすりながら、俺も心配をかけないようにしようと心に誓ったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【真人の場合】
シャッターを閉め、後ろを振り返る。
▲「今日もお疲れ様」
「真人もお疲れ様」
お互いがお互いを労る...それが俺たちの仕事終わりの日課のようなものになっていた。
(黒羽が持ってる鉢植え、重そうだな...)
▲「それ俺が運ぶよ」
「でも、真人は...」
▲「俺が持ってる荷物軽いから、こっちをお願い」
「ありがとう」
本当は全部一人で運びたいところだけど、それでは彼女は納得しないだろう。
(無理せずにくつろいでてほしいんだけどな)
「これを運んだら今日やることはお仕舞い?」
▲「うん、そうだけど...」
「それならこのあと、一緒に休憩しない?」
同じ事を考えていたのかと思うと、なんだか嬉しくなってくる。
▲「それじゃあ早く運ぼうか」
「うん...!」
いつまでもずっとこうして微笑みあっていたいと思ったのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【遥の場合】
☆「遅くなった」
「おかえりなさい」
いつものことながら、黒羽は柔らかい笑みを浮かべて俺を待っていたらしかった。
「最近お仕事忙しいの...?」
☆「まあ、多少な」
我儘一つ言わないこいつに甘えっぱなしで申し訳ないと思いつつ、何を返せばいいのか分からない。
(こういうときどうすればいいんだろうか)
俺は一つ思いついたことをやってみることにした。
☆「黒羽」
「なあに?」
☆「一つ我儘を言え」
「急にどうしたの?」
心配そうに顔を覗きこむ黒羽を強引に抱きしめる。
☆「何でもいいから、言え」
「それなら...少しでいいから遥に休んでほしいな」
そんなことが、願いなのか?
溢れ出す愛しさを抑えつつ、抱きしめてそっとキスをする。
☆「それなら、お前が一緒に寝ろ」
「...っ、いいよ」
恥ずかしそうにしながら頷く恋人を、俺は一生離してやれそうにない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【雪の場合】
○「今日もお疲れ様でした」
「うん、お疲れ様...」
少し疲れた様子の彼女を見て、申し訳なさが一気にこみあげてくる。
本来今日中に提出しなければならないデータがあったことをすっかり忘れていて、結局残業することになってしまったのだ。
(俺一人ならいいけど、黒羽にこんなことをさせることになるとは...)
「雪」
○「...はい」
「楽しかったね」
○「何がですか?」
駐車場までの道を歩きながら、黒羽の言葉につい過剰に反応してしまった。
「夜までお仕事することってほとんどないけど、二人きりでデータを作るのっていいなって思って...。上手く言えないんだけどね」
そう言って苦笑している彼女の言葉に俺は救われた。
気を遣って言っているのではと思ったが、本気で言っているらしかった。
(本当に敵わない)
○「それなら、また俺と残業する?」
「...たまになら、いいかもしれない」
そう言って笑う彼女を見て、もう少しだけ車までの道が長くなればいいと...他愛ない会話を、もっと楽しみたいと思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【渚の場合】
▼「そろそろ閉めるぞ」
「うん」
客足が途絶えた頃、俺たちは漢方屋を終わらせた。
▼「最近また上手くなったな」
「何が...?」
▼「薬、しっかり包めてただろ」
どこか抜けているようで、実はしっかり練習していることを俺はよく知っている。
頭をぽんぽんと撫でると、黒羽はくすぐったそうにしていた。
(こうされるのが好きなのか?)
更に撫でると、今度は少し恥ずかしそうにしている。
顔が夕陽色に染まっていくのが可愛くて、悪戯半分でわしわしと撫で続けていた。
「もう、渚...っ」
▼「悪い。つい癖で」
しばらくじゃれていると、足元に真っ白なふわふわとしたものがやってくる。
(こいつも撫でてほしいのか)
もふもふとした毛並みを撫でてやると、白玉は満足したのかぴょんぴょん飛びはじめた。
▼「待て、危ないだろ」
「白玉、本当に嬉しそうだね」
▼「おまえのことももう一回撫でてやろうか?」
「...っ」
照れて真っ赤になっている黒羽を見て、宣言どおりの行動をおこす。
...いつか〈可愛い〉と、言葉で伝えたい。
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