王子と内緒の人魚姫

黒蝶

文字の大きさ
上 下
578 / 732
赤城玲音 篇

第49話

しおりを挟む
「玲、音...?」
(ここ、どこ?私は生きてるの?)
◆「...!黒羽...」
玲音は感極まって黒羽を強く抱きしめた。
「玲音、痛い...」
◆「いなくならないって、約束しただろ?なんであんな無茶をしたんだよ...」
玲音は肩を震わせ泣いていた。
「玲音、を...守り、たかった」
(言葉が上手くでてこない...)
「でも...みんなに、心配、かけた。...ごめんなさい」
◆「黒羽...。そうだ!みんなにメールで報告しておかないとな!」
玲音は涙をふいて、メールを打ちはじめる...。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆「...誰だ、こんな時に」
○「まったくです」
二人がメールを無視しようとすると...。
▼「メール見ろ。...奇跡がおきたな」
ふっと笑って病室へと戻っていく。
《黒羽がおきた》
その一言だけだったが、玲音が何を言いたいのかは十分理解できた。
☆「美音のことは任せて、俺たちは病室へ行くぞ」
○「はい」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♪「見つけた...」
美音は一人で泣いていた。
♪「美音!」
◇「柄じゃないこと、やってしまった。玲音、絶対怒ってる...」
♪「大丈夫だよ。玲音は、そんなに心狭くないだろう?」
◇「錬...」
二人の携帯が鳴り響く。
♪「黒羽が起きたって!行こう!」
錬は美音の手をとり走り出した。
美音は自らの携帯を見る。
そこには、
他のメンバーとは違う文章が入っていた。
《黒羽がおきた。
さっきは怒ってくれてありがとう。
ダメな兄貴でごめんな》
◇「玲音...」
美音の目から、新しい涙がこぼれおちた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼「言葉がまだ、出づらいか?」
「う、ん...」
渚は検査をはじめていた。
▼「しばらく入院しとけ」
「うん。あの、渚...」
▼「?」
「ありがとう」
ふわり。
▼「...変なやつ」
そう言い残して、渚は部屋を出ていった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
病室には沢山の人が集まる。
◇「あの、玲音...ごめっ」
◆「怒ってねーから謝る必要もねーよ。...ありがとな」
(?何の話だろう?)
♪「何はともあれ、無事でよかった...」
☆「同感だ」
「みんな、ありが、とう」
(私は多くの人に愛されているんだな...)
そんなことを感じながら、黒羽は眠気に襲われ、そのまま眠りについた...。
しおりを挟む

処理中です...