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茶園 渚篇
第29話
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次の日。
「え?お仕事?」
▼「ああ。今日は夜まで仕事があるから先に寝てろ」
「うん...」
(夜までお仕事って、忙しいのかな...?)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「白玉」
可愛らしくこちらに向かって走ってくる白玉を、そっと抱きよせる。
(今日の夕飯は何にしようかな...)
ご飯の買い出しには白玉も連れて渚と一緒に行くようにしていたのだが、黒羽は渚の迷惑にならないようにと考え、一人で買い物に行こうとしていた。
▼「おい、一人で出掛けるなって言ってるだろ?」
「渚...!お店は?」
▼「今日は早めに閉めた。...で?夕飯の買い出し?」
(本当に優しいな...)
「うん!」
▼「行くぞ」
渚は黒羽の手をそっと握る。
「...うん」
黒羽もその手を握り返した。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼「...じゃあいってくる」
買い出しから帰った直後、渚は出掛ける支度を終え、すぐに出ていった。
「いってらっしゃい」
ふわり。
▼「...ああ」
扉が閉まったあと、黒羽は渚が何かを落としていったことに気づいた。
「...!追いかけなくちゃ!」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー「あ、あの...」
▼「安心していい。俺は依頼を半端には終わらせない」
渚は仕事を片付けていた。
ーー「お母さん、これからどこに行くの?」
ー「...新しい町よ。ごめんなさいね、あなたの事振り回して...」
ーー「僕はお母さんがいればいいの!だから大丈夫だよ」
ー「ありがとう...。本当にありがとうございました」
▼「...どうか無事で、お元気で」
黒羽はそれを影から見ていた。
(渚...。これも『裏』のお仕事なのかな?)
すると、渚の背後から男が近づく。
(ナイフ...?)
「渚、後ろ!」
黒羽は思わず叫んでいた。
▼「...!」
ーーー「ぐっ...」
黒羽の足元にナイフが転がってくる。
▼「しまった、なんでだ...」
「渚!」
ナイフを拾いあげ、渚に向かって忘れ物を強く投げる。
▼「仕事道具を忘れるなんて、俺は何やってるんだ」
それで男を殴った。
▼「錬か?...ああ、悪い。港に縄で縛った男が転がってるからそいつ捕まえといてくれ」
渚は電話で言い、急いで黒羽に駆け寄ってきた。
▼「悪い、まさか忘れもんしちまうとは...」
「ううん、気にしないで。さっきの人たちは?」
▼「もう大丈夫なはずだ。なんとか逃がせた...。だが、」
「⁉渚...?」
▼「危ねえだろ、俺を追いかけたら...。それに、全力疾走しただろ?」
「...ごめんなさい」
渚は黒羽を抱きあげる。
▼「白玉はその鞄の中か?」
「?うん」
▼「...ならとっとと帰って飯にするぞ」
「うん!」
渚たちはその場を後にした。
「え?お仕事?」
▼「ああ。今日は夜まで仕事があるから先に寝てろ」
「うん...」
(夜までお仕事って、忙しいのかな...?)
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「白玉」
可愛らしくこちらに向かって走ってくる白玉を、そっと抱きよせる。
(今日の夕飯は何にしようかな...)
ご飯の買い出しには白玉も連れて渚と一緒に行くようにしていたのだが、黒羽は渚の迷惑にならないようにと考え、一人で買い物に行こうとしていた。
▼「おい、一人で出掛けるなって言ってるだろ?」
「渚...!お店は?」
▼「今日は早めに閉めた。...で?夕飯の買い出し?」
(本当に優しいな...)
「うん!」
▼「行くぞ」
渚は黒羽の手をそっと握る。
「...うん」
黒羽もその手を握り返した。
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▼「...じゃあいってくる」
買い出しから帰った直後、渚は出掛ける支度を終え、すぐに出ていった。
「いってらっしゃい」
ふわり。
▼「...ああ」
扉が閉まったあと、黒羽は渚が何かを落としていったことに気づいた。
「...!追いかけなくちゃ!」
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ー「あ、あの...」
▼「安心していい。俺は依頼を半端には終わらせない」
渚は仕事を片付けていた。
ーー「お母さん、これからどこに行くの?」
ー「...新しい町よ。ごめんなさいね、あなたの事振り回して...」
ーー「僕はお母さんがいればいいの!だから大丈夫だよ」
ー「ありがとう...。本当にありがとうございました」
▼「...どうか無事で、お元気で」
黒羽はそれを影から見ていた。
(渚...。これも『裏』のお仕事なのかな?)
すると、渚の背後から男が近づく。
(ナイフ...?)
「渚、後ろ!」
黒羽は思わず叫んでいた。
▼「...!」
ーーー「ぐっ...」
黒羽の足元にナイフが転がってくる。
▼「しまった、なんでだ...」
「渚!」
ナイフを拾いあげ、渚に向かって忘れ物を強く投げる。
▼「仕事道具を忘れるなんて、俺は何やってるんだ」
それで男を殴った。
▼「錬か?...ああ、悪い。港に縄で縛った男が転がってるからそいつ捕まえといてくれ」
渚は電話で言い、急いで黒羽に駆け寄ってきた。
▼「悪い、まさか忘れもんしちまうとは...」
「ううん、気にしないで。さっきの人たちは?」
▼「もう大丈夫なはずだ。なんとか逃がせた...。だが、」
「⁉渚...?」
▼「危ねえだろ、俺を追いかけたら...。それに、全力疾走しただろ?」
「...ごめんなさい」
渚は黒羽を抱きあげる。
▼「白玉はその鞄の中か?」
「?うん」
▼「...ならとっとと帰って飯にするぞ」
「うん!」
渚たちはその場を後にした。
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