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茶園 渚 続篇
プロローグ
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▼「...くそ、またハズレか」
「渚...」
あれから数ヵ月。
渚は裏側からの情報集めにいつも以上に力を入れていた。
「渚、少し休んで?」
▼「いや、あいつを捕まえないとおまえがまた危険な目に遭うかもしれない。それなら早く、」
「渚。私のためにって捜査してくれるのは嬉しいよ。でも、それで渚が自分を大切にしないのは嫌だよ。だから...ね?」
黒羽は祈るような瞳で見つめながら告げた。
すると、渚は黒羽を撫で、隣に腰をおろした。
▼「...悪い。俺の悪い癖だな。熱くなるとすぐに周りが見えなくなってしまう」
「お茶淹れるね!」
白玉がこちらへトコトコと近づいてくるのが見える。
『なぎ やすめ』
▼「なんで命令形なんだよ」
『やすまない から』
▼「ちゃんと休むから、命令形はやめろ。おまえ一応メスだろ」
『ちゃんと めすです』
白玉と渚の言いあい...。
これが、最近の当たり前の日常になっていた。
黒羽はお茶を淹れながらその光景を遠くから見つめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♪「あのね、やっと遺体の調査許可がおりたよ!」
そんなこんなである日のこと。
『現代の麒麟児』の遺体の調査がようやく許された。
▼「遅かったな」
♪「あんな奇妙な死に方じゃ仕方ないよ」
...『現代の麒麟児』は、水分になった。
体が爆発したのだ。そして残ったのが水溜まり。
♪「現場はそのままになってるから、調べたいだけどうぞ」
▼「助かる。...黒羽、こい」
「私も行っていいの?」
▼「当たり前だろ。行くぞ」
渚は半ば強引に黒羽の手をひく。
バッグには、いつの間にか白玉が入っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼「本当に水溜まりだな」
「...難しいことは知らないけれど、普通のお水じゃないということは知ってる」
▼「毒性はないのか?」
「うん」
黒羽は頷きながら、そっとその場にしゃがみこむ。
「...ごめんなさい」
黒羽はそうぽつりと呟いた。
それを聞いた渚は、黒羽を抱きよせる。
▼「おまえのせいじゃないだろ」
「渚...」
▼「まあ、どのみちもう残された方法は一つだな」
「...もしかして」
▼「ああ、その『もしかして』だ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
深夜、二人はあるバーを訪ねた。
白玉はバッグに入りこんだままだ。
▼「...おい、もうあんたしかいない。いい加減分かってることを話してもらうぞ」
?「...」
「お願い。これ以上誰かが傷つく前に、なんとかして止めたいの。協力して...」
魔王。
「渚...」
あれから数ヵ月。
渚は裏側からの情報集めにいつも以上に力を入れていた。
「渚、少し休んで?」
▼「いや、あいつを捕まえないとおまえがまた危険な目に遭うかもしれない。それなら早く、」
「渚。私のためにって捜査してくれるのは嬉しいよ。でも、それで渚が自分を大切にしないのは嫌だよ。だから...ね?」
黒羽は祈るような瞳で見つめながら告げた。
すると、渚は黒羽を撫で、隣に腰をおろした。
▼「...悪い。俺の悪い癖だな。熱くなるとすぐに周りが見えなくなってしまう」
「お茶淹れるね!」
白玉がこちらへトコトコと近づいてくるのが見える。
『なぎ やすめ』
▼「なんで命令形なんだよ」
『やすまない から』
▼「ちゃんと休むから、命令形はやめろ。おまえ一応メスだろ」
『ちゃんと めすです』
白玉と渚の言いあい...。
これが、最近の当たり前の日常になっていた。
黒羽はお茶を淹れながらその光景を遠くから見つめていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
♪「あのね、やっと遺体の調査許可がおりたよ!」
そんなこんなである日のこと。
『現代の麒麟児』の遺体の調査がようやく許された。
▼「遅かったな」
♪「あんな奇妙な死に方じゃ仕方ないよ」
...『現代の麒麟児』は、水分になった。
体が爆発したのだ。そして残ったのが水溜まり。
♪「現場はそのままになってるから、調べたいだけどうぞ」
▼「助かる。...黒羽、こい」
「私も行っていいの?」
▼「当たり前だろ。行くぞ」
渚は半ば強引に黒羽の手をひく。
バッグには、いつの間にか白玉が入っていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
▼「本当に水溜まりだな」
「...難しいことは知らないけれど、普通のお水じゃないということは知ってる」
▼「毒性はないのか?」
「うん」
黒羽は頷きながら、そっとその場にしゃがみこむ。
「...ごめんなさい」
黒羽はそうぽつりと呟いた。
それを聞いた渚は、黒羽を抱きよせる。
▼「おまえのせいじゃないだろ」
「渚...」
▼「まあ、どのみちもう残された方法は一つだな」
「...もしかして」
▼「ああ、その『もしかして』だ」
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深夜、二人はあるバーを訪ねた。
白玉はバッグに入りこんだままだ。
▼「...おい、もうあんたしかいない。いい加減分かってることを話してもらうぞ」
?「...」
「お願い。これ以上誰かが傷つく前に、なんとかして止めたいの。協力して...」
魔王。
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