王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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緑川 真人 続篇

第8話

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「真人、準備できたよ」
▲「黒羽はもう少し休んで」
「でも、」
▲「でもじゃなくて、お願い」
真人が真剣に頼むので、黒羽はその言葉に甘えることにした。
(何かあったのかな)
少し嫌な予感を覚えつつ、黙々と文字の練習に励んだ。
今より上手くなれば、もっと真人の役にたてるはずだ...黒羽はそう考えたのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
午後になり、黒羽は真人の所へ行った。
「真人、何かお手伝いできることはある?」
▲「それなら、お店をもうすぐしてから開けるから、またレジをお願いしてもいいかな?」
「任せて!」
黒羽は気合いを入れ、レジスターの前に立とうとする。
そこで気づいた。
いつもはなかった可愛らしい椅子がそこにあることに。
「真人、これ...」
▲「ずっと立ちっぱなしだと、また足が痛くなったらいけないなと思って...。あまりいいものじゃないけど、ないよりいいかなって」
真人は黒羽をじっと見つめる。
「ありがとう」
ふわり。
真人はそんな黒羽の無邪気な笑顔にほっとした。
▲「もし何かあったらすぐに声をかけてね」
「うん」
植木鉢を運びながら、真人は黒羽のことをずっと考えていた。
ーーカラン
「いらっしゃいませ!」
そのお客は、小さな女の子。
恥ずかしいのか、無言のままじっと黒羽を見ている。
「どのお花がいいですか?」
黒羽はしゃがんでその子と視線をあわせた。
ー「ひ、向日葵」
「真人、向日葵って...」
▲「これでいいかな?」
ー「ありがとう」
その子はお金を支払うと、そそくさと出ていった。
▲「大人しい子だったね」
「そうだね...」
そのあともひっきりなしにお客はやってきた。
どたばたしているうちに陽が沈む。
「お疲れ様、真人」
▲「黒羽もいつもお疲れ様!今日は何か美味しいもの、食べに行こうか」
「うん!」
こういう日も大切だと、真人はそう感じた。
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