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夏彦ルート
第65話
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「夏、彦…おはよ、ございます」
「ごめん、寝ちゃってた?」
「いえ…ありがとう、ございます」
翌朝、やっと舌が上手くまわりはじめて、少しずつなら言葉を伝えられるようになった。
「ちょっとごめんね」
額にひんやりしたものが触れたかと思うと、ふっと安心したように笑う。
「よかった、熱はもうないみたいだね」
「ごめんなさい…」
夜、微熱が出た私に夏彦はつきっきりでいてくれた。
とにかく何回も大丈夫かと訊いてくれて、優しくしてくれて…今思い出してみても、それだけで心がぽかぽかする。
「体調がいいならそれでいいんだ。最近ずっと無理させっぱなしだったし…本当にごめんね」
「私より、夏彦のことが心配です」
体調が悪くなってしっかり寝たことなんてなかったけれど、この場所ではそうさせてもらえる。
ただ、私が寝ている間に夏彦はちゃんと休んだのだろうか。
だいぶよくなったとはいえ、怪我が完治したわけじゃない。
私はそれなりに治りが早い方ではあるとは思うけれど、彼が負った傷はそんな浅いものではなかった。
「傷薬、ちゃんと塗りましたか…?」
「一応ね。だから多分、治ってきてる…と、思う」
嘘だ。口角が片方しかあがっていない。
「本当は痛いのを我慢しているんじゃ…」
「そんなことはないよ。ありがとう、まさかそこまで心配させてるとは思わなかった」
夏彦はそう言いながらぽんぽんと頭を撫でてくれたけれど、なんだかいつもと様子が違う気がしてその手をきゅっと掴む。
「月見ちゃん…?」
「すみません、やっぱり疲れているように見えるので…しばらくこのままでいてください」
そう話しかけると彼はまた笑っていた。
「ありがとう。それじゃあこうさせてもらうね」
もしも私が全部癒せたら、今みたいに抱き合う程度でどうにかなるものなら…そんなことを考えつつ、彼のぬくもりに包まれていたいと思った。
…こんなことを言ったら、気味が悪いだろうか。
「月見ちゃんって温かいよね」
「そう、でしょうか…?」
「俺はいつもそう思ってるよ」
「お、落ち着きますか?」
「うん。俺、元からこうやってくっついてるの好きなんだ。誰が相手でもって訳じゃないけど、月見ちゃんが相手だとすごく落ち着く…」
なんだか少し疲れているような声に、そっと向日葵色の頭を撫でてみる。
嫌がられたらどうしようと思っていたけれど、夏彦はそのまま肩にもたれてきてくれた。
「…これで疲れがとれるなら、いつでもこうします」
「ん…」
それから彼は喋らなかった。
具合が悪いのか不安になっていると、すぐ近くで寝息が聞こえる。
すごくどきどきして、だんだん心が熱くなっていく。
もうすぐこの感情も咲ききるのだろうか。
…いつか夏彦が抱えているものを少しでも軽くできたら、その花を見せてみてもいいのかもしれない。
「ごめん、寝ちゃってた?」
「いえ…ありがとう、ございます」
翌朝、やっと舌が上手くまわりはじめて、少しずつなら言葉を伝えられるようになった。
「ちょっとごめんね」
額にひんやりしたものが触れたかと思うと、ふっと安心したように笑う。
「よかった、熱はもうないみたいだね」
「ごめんなさい…」
夜、微熱が出た私に夏彦はつきっきりでいてくれた。
とにかく何回も大丈夫かと訊いてくれて、優しくしてくれて…今思い出してみても、それだけで心がぽかぽかする。
「体調がいいならそれでいいんだ。最近ずっと無理させっぱなしだったし…本当にごめんね」
「私より、夏彦のことが心配です」
体調が悪くなってしっかり寝たことなんてなかったけれど、この場所ではそうさせてもらえる。
ただ、私が寝ている間に夏彦はちゃんと休んだのだろうか。
だいぶよくなったとはいえ、怪我が完治したわけじゃない。
私はそれなりに治りが早い方ではあるとは思うけれど、彼が負った傷はそんな浅いものではなかった。
「傷薬、ちゃんと塗りましたか…?」
「一応ね。だから多分、治ってきてる…と、思う」
嘘だ。口角が片方しかあがっていない。
「本当は痛いのを我慢しているんじゃ…」
「そんなことはないよ。ありがとう、まさかそこまで心配させてるとは思わなかった」
夏彦はそう言いながらぽんぽんと頭を撫でてくれたけれど、なんだかいつもと様子が違う気がしてその手をきゅっと掴む。
「月見ちゃん…?」
「すみません、やっぱり疲れているように見えるので…しばらくこのままでいてください」
そう話しかけると彼はまた笑っていた。
「ありがとう。それじゃあこうさせてもらうね」
もしも私が全部癒せたら、今みたいに抱き合う程度でどうにかなるものなら…そんなことを考えつつ、彼のぬくもりに包まれていたいと思った。
…こんなことを言ったら、気味が悪いだろうか。
「月見ちゃんって温かいよね」
「そう、でしょうか…?」
「俺はいつもそう思ってるよ」
「お、落ち着きますか?」
「うん。俺、元からこうやってくっついてるの好きなんだ。誰が相手でもって訳じゃないけど、月見ちゃんが相手だとすごく落ち着く…」
なんだか少し疲れているような声に、そっと向日葵色の頭を撫でてみる。
嫌がられたらどうしようと思っていたけれど、夏彦はそのまま肩にもたれてきてくれた。
「…これで疲れがとれるなら、いつでもこうします」
「ん…」
それから彼は喋らなかった。
具合が悪いのか不安になっていると、すぐ近くで寝息が聞こえる。
すごくどきどきして、だんだん心が熱くなっていく。
もうすぐこの感情も咲ききるのだろうか。
…いつか夏彦が抱えているものを少しでも軽くできたら、その花を見せてみてもいいのかもしれない。
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