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冬真ルート
第48話
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「…ごめん」
息を切らした私を見て、冬真ははっとしたように立ち止まる。
そっと手を差し伸べてくれたけれど、その手を撮って迷惑にならないか考えてしまう。
「別に迷惑だなんて思わない。歩ける?」
「は、はい…」
できればもう少し休んでいたかったと思ったものの、そんなことを言っていられる状況じゃない。
ふと前を向くと、すぐ近くに沢山草花が生えていた。
「──お願い、蕀さんたち」
「今何をして…」
しゅるしゅると音がして、草花に紛れて蔦が伸びはじめる。
少し手のひらが痛いけれど、覚悟はもう決まっていた。
「…ふたり来ます。もうひとりは右側からです」
「分かった」
そう話した瞬間、冬真は何かを手に持つ。
ひとり走ってきたのをかわして、彼は何かを突き刺した。
「下がってて」
「分かりました」
ただ見ていることしかできないのが申し訳ないけれど、周りに誰かいないか確認することはできる。
「右側から3人、左側から4人です」
「了解」
冬真は近づいてきた屋台のエプロンをしている人たちに向かって何かをさしているものの、それが何かまでは分からない。
ただ、彼の足元には沢山の人が転がっていた。
「ねえ、まだやるの?そんなに僕に構ってほしいなんて変わってるね」
「調子に乗ってるのか?」
相手の声から感じるのは焦りと怒り。
結局私はどうすることもできずにただ見守る。
怖くなって俯きそうになるけれど、なんとかそれを堪えた。
「大丈夫?」
「は、はい」
「そう」
「ごめんなさい。何もできなくて…」
「君が相手が来る方を教えてくれたから戦えたんだ。何もできないなんて思わないで」
「ありがとうございます」
たとえそれが私を傷つかないように考えられた嘘だったとしてもいい。
私も冬真が悲しむところを見たくないから。
「あの…この人たちは放っておいて大丈夫でしょうか?」
「そのうち起きるから大丈夫。今回も用意しておいてよかった」
「それって、」
「これは眠り薬。普通の睡眠薬より効果が薄いから30分くらいで起きる」
「冬真はやっぱり賢いんですね」
私には分からないことだらけなのに、彼は本当に知っていることが多い。
そんな姿に尊敬の念を感じる。
「僕は特別なことはしてないよ。ただ、自分にできることはやろうって思うだけ」
「素敵な考え方ですね」
「いちいち褒めないで。…照れるから」
彼の頬は暗闇に紛れて分からなかったけれど、多分赤いんだと思うと微笑ましくなった。
「僕から見れば君の方がすごい」
「どういうことですか?」
「君は──」
「伏せてください」
もう少し続きが聞きたかったけれど、そういうわけにはいかないらしい。
何本かばらばらにされた蔦が足元に転がってきた。
その一瞬で手首に強い痛みがはしる。
何かがあたってざっくり切れたと分かるまでに、少し時間がかかった。
息を切らした私を見て、冬真ははっとしたように立ち止まる。
そっと手を差し伸べてくれたけれど、その手を撮って迷惑にならないか考えてしまう。
「別に迷惑だなんて思わない。歩ける?」
「は、はい…」
できればもう少し休んでいたかったと思ったものの、そんなことを言っていられる状況じゃない。
ふと前を向くと、すぐ近くに沢山草花が生えていた。
「──お願い、蕀さんたち」
「今何をして…」
しゅるしゅると音がして、草花に紛れて蔦が伸びはじめる。
少し手のひらが痛いけれど、覚悟はもう決まっていた。
「…ふたり来ます。もうひとりは右側からです」
「分かった」
そう話した瞬間、冬真は何かを手に持つ。
ひとり走ってきたのをかわして、彼は何かを突き刺した。
「下がってて」
「分かりました」
ただ見ていることしかできないのが申し訳ないけれど、周りに誰かいないか確認することはできる。
「右側から3人、左側から4人です」
「了解」
冬真は近づいてきた屋台のエプロンをしている人たちに向かって何かをさしているものの、それが何かまでは分からない。
ただ、彼の足元には沢山の人が転がっていた。
「ねえ、まだやるの?そんなに僕に構ってほしいなんて変わってるね」
「調子に乗ってるのか?」
相手の声から感じるのは焦りと怒り。
結局私はどうすることもできずにただ見守る。
怖くなって俯きそうになるけれど、なんとかそれを堪えた。
「大丈夫?」
「は、はい」
「そう」
「ごめんなさい。何もできなくて…」
「君が相手が来る方を教えてくれたから戦えたんだ。何もできないなんて思わないで」
「ありがとうございます」
たとえそれが私を傷つかないように考えられた嘘だったとしてもいい。
私も冬真が悲しむところを見たくないから。
「あの…この人たちは放っておいて大丈夫でしょうか?」
「そのうち起きるから大丈夫。今回も用意しておいてよかった」
「それって、」
「これは眠り薬。普通の睡眠薬より効果が薄いから30分くらいで起きる」
「冬真はやっぱり賢いんですね」
私には分からないことだらけなのに、彼は本当に知っていることが多い。
そんな姿に尊敬の念を感じる。
「僕は特別なことはしてないよ。ただ、自分にできることはやろうって思うだけ」
「素敵な考え方ですね」
「いちいち褒めないで。…照れるから」
彼の頬は暗闇に紛れて分からなかったけれど、多分赤いんだと思うと微笑ましくなった。
「僕から見れば君の方がすごい」
「どういうことですか?」
「君は──」
「伏せてください」
もう少し続きが聞きたかったけれど、そういうわけにはいかないらしい。
何本かばらばらにされた蔦が足元に転がってきた。
その一瞬で手首に強い痛みがはしる。
何かがあたってざっくり切れたと分かるまでに、少し時間がかかった。
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