王に振られた公爵令嬢は王の側近に拾われる

空田かや

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19 卑猥な味 ※

「そんなとこ…そんなところを…!何をしているんですか!」

スピナは、舌をつき入れられる快感とそんな事をさせている申し訳なさで
身をよじって逃れようとする。

スピナは三ヶ月、毎晩のように抱かれたが
おおよそ、教科書通りの行為しかしてこなかった。

男女の営みでこんな行為があった事を今、知る。

嫌がって悶えるスピナを押さえつけ、一通り舐めつくして満足したルドンは
ゆっくりと起き上がり、唇を舌で舐めながら言う。

「…あなたの味を知っているのは自分だけ…という事でいいかな?」

先ほどまでは冷静な顔をしていたスピナだが
恥ずかしさと好きにされた事の怒りで顔が赤い。

その顔を見るとホッとしたのか
ルドンがクックッと可笑しそうに笑いだす。

「やはりあなたは、すましているよりも、普通にしている方がかわいい…。」

慰めるように頬をなでるとルドンは言う。

「痛くはしない…。ゆっくり入れる…。だから…。」

そう言って優しくスピナに覆い被さると、今までで一番丁寧に
ゆっくりと分け入る。

「あっ…。ああっ…。」

「…好きだ。スピナ…。愛している。」

そう言ってルドンは優しく貫く。
その言葉は、重しが乗ったようにスピナの心をくもらせる。

…甘言は沢山だ。

しかし心とは裏腹に、快感によって甘い吐息がおのずと出るのが悔しい…。

いつもなら、潤んだ瞳で見つめ返してくるはずのスピナは
今日は、悲しみと怒りが混ざった目でルドンを見返す。


「スピナ…?」

ルドンは、スピナを確かめるようにキスをする。

クチャッ…クチュッ…チュッ…。

わざと音をたてているのでは?と思うほどいやらしい音をたててキスをし
ルドンはスピナの様子をみる。

スピナは、いつもの口づけでは感じなかった、自分の蜜の味に気がつき戸惑う。

「卑猥な味がするか?」

ルドンはそう聞きながら、スピナが動揺している顔を見て微笑む。

スピナはルドンに入れられている場所を
いつものようにルドンに委ねたくなかった。

知らず知らずのうちに、自分を守るようにスピナに力が入った。

スピナを優しく貫いていたルドンは、スピナの上で小さくうめきながら呟く。

「今日のあなたは…。」

自分でこの場を御せない事に、ルドンは軽く苛立っているようだった。

「…すまないが、長くもたない…。」

そう言うと、自分の本意ではなさそうにスピナの中で苦しげに果て
スピナの上に身を委ねた。

いつもと違いスピナの中からすぐにものを抜き、スピナの横にあお向けになって
肩で息をしながら問う。

「スピナ?何を怒っている?私は何か怒らせるような事をしたか?あるのなら
…教えてほしい。」

そう素直に言われスピナの心は揺れる。


次の瞬間、居間のテーブルの上に、光り輝く黄金の鷲が現れた。
その鷲は、光りながら半分透けていた。

そして、大きく翼をはためかせると部屋をぐるりと舞い
居間の一番大きな、閉まっているはずの窓を通り抜け、外に出て行った。

ぼうぜんとしているスピナの横で、ルドンは言った。

「先ほどから、王に呼ばれていた。それどころではなかったから
無視をしていた…。しびれを切らして王がよこしたんだろう…。」

「アフェリエアの地で大きな討伐が始まる。私も行かねばならない。
あなたと気まずいまま、別れたくはない。どうしたら機嫌が直る?」

スピナは目を合わせず、顔を背けたままだった。

「できる事があれば全てしよう。私はあなたを愛している。
何で、目を合わせてくれない?」

ルドンは冷静さの中に、少しの焦りも隠しながらスピナに問いかける。

スピナは目を合わせたら、全てを言ってしまい
ルドンと修復できない程こじれると思った。

そして、ルドンに恋をしている事を知られたくなかった。

「…愛しているとか…。それは本当に言うべき人が現れたらおっしゃったら
いい…。」

言っていて、スピナは自分の胸がえぐられたような気がした。

ルドンは無言で起き上がって、シャツを着てローブを片方の肩にかけた。

「あなたは酷い事を言う…。」

そう言うと瞬間移動で消えた。


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