王に振られた公爵令嬢は王の側近に拾われる

空田かや

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25 仕返し ※

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──いっそ、このまま出て行ってしまおうか…。

けれど、やられっぱなしでは悔しいから、この間苦労して手に入れた書物で覚えた
知識を使って仕返しをしてから別れてやろう…。

実践は初めてだが、頭の中では何度もトレーニングはした…。

……頭の中では。

スピナは顔をあげると、ルドンの唇にキスをした。

今まで、スピナからキスをした事がなかったので、一瞬驚いたルドンだが
すぐに主導権を握ってスピナに応える。

最初は優しくチュッ、クチュッと音をたてながら甘いキスを…。

慣れてきてスピナの口がゆるんでからは、舌を入れ、口の中を舐めまわす…。

時々、その形のいい唇を離し、離したかと思うとまた角度を変え
同じことを繰り返す。

そのたび、ピチャッ…クチュッ…といやらしい音が小さくもれる。

レジーにも同じ事をしたのかと思うと、スピナはルドンを許せなかった。
スピナはルドンから体を離し、キスを中断させた。
そしてルドンに体重をかけるように、立て膝をついて再び上からキスをする。

ルドンはゆっくりと後ろへ倒れ、頭を枕につけた。

スピナはルドンの口から唇を離すと首筋から胸、お腹…とキスをする。


「…?スピナ?」

何をするのだろうとルドンは目で追っていた。

するとスピナは、下着からルドンのものをとり出し少しだけ硬くなり始めていた
それに、キスをした。
そしてそれを、優しく右手で掴む。

ルドンは一瞬にして、されている事の意味を理解する。

スピナは口にくわえる事は諦めたのか
右手でおずおずと、さすり始めた。

「スピナ…!やめてくれ…あなたは…何を…!」

言葉とは反対に、ルドンのものは大きく硬くなっていく…。
スピナは狼狽しながらも、それを続けた。

そして意を決したのか、勇気を出してそれをくわえようと顔を近づける…。

それに気がついたルドンは大きな声で言った。

「スピナ…!やめないと、私はあなたを嫌いになる…!」

スピナはそれを聞くと、静かに手を離した。
全て失敗に終わり心は折れ、スピナは無言でふとんにもぐり込む…。

荒い息が落ち着き、自分のものも少し収まったルドンはスピナに言った。

「…スピナ…。どこでそんな事を知った…。」

スピナは、ふとんの中からぼそぼそと答える。

「家の者についてきてもらって…書を扱っているお店で書物を買いました…。
前回、あなたに好き勝手にされて自分の無知を知り…。
なので勉強しました。」

ルドンは思いもかけない返事に、一瞬言葉を失ったが、落ち着きを取り戻すと
スピナに聞いた。

「書物だと…?どこにある?」

──嫌だ。見せたくない…。

あの書物を見せるのかと思うと、軽く目まいがした。
しかし、ルドンの声にはことわらせない威圧感がある…。

「…書物は、机の引き出しの中です……。」


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