へんな運命との出会い

karu

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デート

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というわけで、休みの今日、悪魔さんとデートに来ています。

行先は遊園地ですね。山の中の。昔ながらのものだよ。

それにしても今日はうっとうしいですね。

「俺の瞳には君しか見えない。」

隣の人が臭いセリフばかり吐いているんです。

「あ、そうなんですか。ではいきましょう。」

なんだか、イケメンが臭いセリフを吐いているのは笑える。

まあ私はそんなもの求めてないけど。

「あっあそこに、ジェットコースターがありますよ。行きましょう?」

「ジェットコースターってなんだ?」

「そこからかーい。」

「そこからです。」

「行けば分かります。」

ウシシ。怖がればいいさ。




「キャーッ!!!!!!」

悪魔なのにキャーですか(笑)。

楽しそうで何より。

私はそんなに怖さを感じないんだよね。

でも親近感わくねー。




「はあはあはあ。」

息を整えている悪魔さん。

「お前は怖くないのか?」

「ぜんぜん!!!」

「お前実は悪魔だったりしないのか?」

「失礼な!!!それに私にはゆいという名前がありますー。」

「え?呼んでもいいのか?」

いちいちそんなこと気にしてるんだ。

「気にしてるわい。お主の大事な名前じゃろう。」

「いや、待てい。いきなり喋り方変えるなよ。

しかも、名前で呼べないからって、お前はないだろう、お前は。

まあ、そう思ってくれたのはうれしいけどさ。」




ずんずんと乗り続け、空がオレンジ色に染まっていく。

そろそろ帰ろうかというとき、悪魔さんは言った。

「楽しかったよ。ありがとう。」

花が咲いたようなクシャっとした笑顔にすこしドキッとした。

そして、こう返した。

「また来よう。もしかしたら思ったよりも早く...。」

最後の言葉は悪魔さんには聞こえないような独り言だった。
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