余命僅かの悪役令息に転生したけど、攻略対象者達が何やら離してくれない

上総啓

文字の大きさ
359 / 405
番外編

シモンと二度目の誓約

しおりを挟む
 

「シモン、もんもんっ」


 ぷくーっと頬を膨らませてシモンの裾を引っ張る。
 今日こそは!とやる気みなぎる僕とは裏腹に、シモンは朝からとたとたーっと逃げてばっかり。流石の僕もぷんすかである。

 もんもん、もんもん、と気を引くためにわざとシモンの視界の端でぴょんぴょん跳ねているのに、シモンはぷるぷる震えて僕から顔を背けたまま。
 こうしてスルーされるのも今日で何度目か分からない。既に日が暮れそうな気配を感じて焦ってきたところだ。そろそろ僕もシモンに避けられて悲しくなってきたし、この辺りで切り札の技を使うしかないか。

 僕を無視して棚をふきふきするシモンの横で、僕はふいに勢いよくしゃがみこんで俯いた。


「……ぐすっ、うぅ……」


 身体をぷるぷると震わせて嗚咽を漏らす。その瞬間、ずーっと僕を無視していたはずのシモンが呆気なくあわあわと慌て始めたのを察してほくそ笑んだ。
 シモンは僕のことをチョロいって言うけど、シモンも人のことを言えないと思う。特に僕が絡んだ時は、いつも以上にそう思う。


「フェ、フェリアル様っ……!そんな、泣かせるつもりじゃ……!」


 あたふたとした気配が頭上を忙しなく揺れる。
 ぐすぐす泣いている“フリ”をしている僕の肩にシモンの手が添えられた瞬間、僕は勢いよく顔を上げて身を乗り出し、びっくり顔をするシモンにむぎゅーっ!と抱き着いた。


「もんもん、しもん!かくほ!」


 ポカーンと目を見開いたシモンを見てむっふーとドヤ顔を浮かべ、ぎゅーっと抱き着いたままポケットをがさごそしてある物を取り出す。
 むふふっとやる気満々の僕を見下ろしていたシモンは、僕が指先で摘まんでいるそれを見てハッとしたように顔を強張らせた。


「だめです!フェリアル様!」

「はわっ……!」


 大人しく僕に捕まっていたのはフリだったのか、シモンはものすごい剣幕で手を伸ばして“それ”を奪い取った。
 その衝撃と驚きで思わずシモンの背中に回していた腕を解いてしまい、床にぽとりと尻餅をつく。
 いつも優しくて穏やかで、僕と接する時は特に一つ一つの仕草にすら慎重になるシモン。そんなシモンに荒々しい反応をされたことに予想以上に衝撃を受けて、僕は硬直した末にうるうるっと涙を溢れさせてしまった。


「ぁ……う、ご、ごめ……ごめんしゃっ……」


 ちょこん、と床に尻餅をついたままほっぺをぷるぷると震わせて涙を堪える。シモンのその表情を見てサーッと青褪め、慌てた様子で僕のほっぺをむにゅっと包み込んだ。
 今度はさっきみたいに荒々しくない、いつもの優しい仕草だったことに安心して、そろーりと顔を上げる。

 泣いているのは僕なのに、シモンはまるで、僕の泣き顔をこの世の終わりみたいな表情で蒼白しながら見下ろしていた。


「フェ、フェ、フェリアル様を泣かせるなど……泣かせるなど……ッ」


 カタカタッと小刻みに震える姿に眉尻を下げる。どうしたのだろう。具合悪いのかな。
 心配でおろおろし始める僕をよそに、シモンは何やら内ポケットからスッ……と短剣を取り出して柄の部分を両手で握り締めた。
 覚悟を決めたような真剣な顔で、シモンはその短剣の刃を自分のお腹に向ける。

 ……自分の、お腹?


「────万死ッッ!」


 握り締めた短剣を大きく振りかぶり、シモンはそれをなんの躊躇もなく勢いよく腹に振り下ろした。
 その姿にサァァッっと青褪めて、慌ててシモンにむぎゅーっ!と抱き着きクワッと叫ぶ。


「おばかぁぁっ!!」


 なにしとんねーんと抱き着くと、シモンはハッとしたように短剣を手放した。どうやら自分を刺すよりも僕に刃先が当たる可能性の方が危険だと判断してくれたらしい。
 カランッと床に短剣を落とし、シモンは泣きそうな顔をして僕をむぎゅーっと強く抱き締めた。泣きたいのはこっちじゃよ。

 急に死のうとするなんてひどい!シモンひどい!とぷんすか。僕の激おこを察したのか、シモンはうわーんと瞳を潤ませて「ごめんなさいっ」と頭を下げた。うむ、反省しているならよろしい。


「しもん、めっ。めっ、だよ。一緒に死ぬ約束、これからするところだったのに。むぅ」


 腕をぱたぱた。ぷんすかを全身で表現しつつそう言うと、シモンはやっぱり!とばかりにあちゃーと額を押さえた。なんだね、嫌なのかね。
 さっきシモンに突き飛ばされた衝撃で落としてしまったそれ……小さな“針”をよっこらせと拾うと、そんな僕をあわわっと眉尻を下げて見守るみたいにシモンが身体を揺らし始めた。

 結局許してくれるなら、最初から拒絶しないでほしかった。むぅむぅ、である。


「シモン。こんどは邪魔しちゃだめ。指をね、ぷつってするから、止めちゃメッだよ」

「うぅ……フェリアル様が血を流すのを黙って見てろって言うんですかぁ……」

「指、ぷつってするだけ、だよ?どばばーってならない。ぷつっ、だよ」

「うえぇーん!かわいいぃ!でもやっぱりだめです!痛い痛いですよぉ!」


 うーん、どうしたものか……まさかこんなに反対されるとは思わなかった……。
 反応を見る限り、どうやら誓約自体を拒絶しているわけではなさそうだ。ただ、僕がちょっとでも血を流すのが嫌みたい。
 でも、あれれ?それなら、最初の誓約は一体どうやったのだろう。僕の血を見るのが嫌なのなら、どうやって血を採取したのだろう。

 なんて、そんなきょとん顔が分かりやすく浮かんでいたからか、シモンは涙をぐすっと止めて笑顔を貼り付けた。


「あぁ、一度目の誓約ではフェリアル様が転んでしまった時の血を飲んだんですよ。俺の血はフェリアル様が眠っている時にちょちょいっと」

「そうだったんだ。……うん?僕が転んだときの血、どうして持ってた──」

「あっほらフェリアル様っ!やっぱり最初に俺がぷつっとするので!お手本見せますよっ!」


 僕の血をどうして持っていたの?と聞こうとしたのだが、タイミングが悪かったのかちょうど問いを遮られてしまった。
 どうやらやっぱりシモンが先に血をぷつっとするらしい。ふむそうかと頷いて、持っていた針をどうぞと手渡す。

 シモンがぷつってしたら次は僕……と緊張でドキドキしていると、ふとシモンがピタッと針を持っている手を止めて、真剣な色を含んだ表情を僕に向けた。


「……本当に、二度目の誓約をしてもいいんですね?」


 その問いにぱちくり瞬く。まさか直前になってまたこの質問をされるとは思わなかった。
 よっぽど心配なのだろうな。なにせ今回誓約するのは僕だから、シモンからしたら緊張はとんでもないものだろう。今度は僕じゃなく、シモンが僕の命を背負うわけだから。

 僕に何かあってもシモンにデメリットはない。けれどシモンが仮に死んでしまった場合、即座に僕も死んでしまう。そういう誓約。
 眉尻を下げて躊躇するシモンに微笑み、こくっとひとつ頷いた。


「うん、する。シモンと僕は、いっしんどーたい。死ぬときも、ぜったい一緒」

「一心同体、ですか……」


 シモンがふにゃ、と頬を緩める。
「俺達にぴったりの言葉ですね」というセリフに僕もむふふっと笑った。シモンは笑顔をほんの少し困ったようなものに変えつつ「でも……」とまたもや迷いを帯びた声音を発する。
 今度はなにごと?とぱちくりする僕に、シモンは困り顔で呟いた。


「やっぱり、公子……大公にも許可を頂いた方が」

「もうきいた」

「……はい?」

「もう、ライネスにきいた。シモンに誓約していーい?って」


 シモンの顔がなぬーっ!と驚きの表情を浮かべて固まる。
 いつの間に!?と叫ぶシモンにえっへんと胸を張り、どどどやぁと答えてあげた。


「シモンに内緒で、お手紙おくった。シモンに教わったんだよ。こういうときは、まず“そとぼり”を埋めるんだよね」


 にまーっと得意気な笑顔を浮かべて言うと、シモンは数秒唖然とした末に掠れた笑い声を上げて「まさかそんなことが……」と息を吐いた。
 僕に一杯食わされたのが余程びっくり仰天ものだったらしい。えっへん、僕だって本気を出せばシモンを出し抜くなんてよゆーなのである。えっへんえっへん、どどどやぁ。


「今回はフェリアル様の圧勝ですね。手も足も出ませんでした。文句ももう言えません」

「ふふん、そうであろう。どやぁ、どどどやぁ」

「ドヤるフェリアル様激きゃわっ!」


 腰に手を当ててえっへんな僕にぱちぱちーっ!と拍手をするシモン。何はともあれ、いつもの調子が戻ってきたようで何よりだ。
 シモンは今のやり取りで余裕を取り戻したのか、今度こそしっかりと針を持って指に突き立てた。


「……大公も了承済みならもう俺に言えることはありませんね」


 その言葉を紡ぎ終えた途端、シモンは人差し指の先に針をぷつっと刺して血を一滴ぷっくりと零した。それを見た僕は慌ててシモンの指先をぱくっと口に含み、そのまま口の中でぺろっと血を舐めとる。
 こくっと飲み込んでよきよきと頷き、顔を上げると……そこには真っ赤に染まったシモンの顔があった。むむっ、シモンにはちょっぴり刺激が強すぎたかな。


「もんもん?しもん?だいじょぶ?」

「はっ、はい……すみません。あまりの尊さとファンサの供給過多に心臓が止まるところでしたが、大丈夫です」


 大丈夫じゃなさそう。
 鼻血をふきふきするシモンをじっと待ち、しっかり落ち着いた頃にうむ、と切り替えて針を持ち直す。ぷるぷる震える手でなんとかぷつっと指先を刺すと、シモンと同じように血がぷっくりと一滴零れた。
 一瞬の痛みの余韻に耐えつつ、それをすかさずシモンに掲げる。


「シモン!のむっ!ごっくんする!」

「はいっ!聖水ごっくんさせていただきますっ!」


 二人してあわあわしながら忙しなく血ごっくんを済ませる。
 シモンがぺろっと指先を舐めとったのをしっかり確認して、僕は特に意味もなくぱんっ!と両手を合わせた。完全に前世の文化っぽい動きをしてしまった。


「なむなむ……シモンと一緒にばたんきゅー……シモンはぼくがお守りする。お守りする……なむなむ」


 なむなむ完了!かっ!と勢いよく目を開き周囲をきょろきょろ。
 ……む?特に何かが変わった様子はないが。なんてぱちくり瞬きながら首を傾げると、静かに様子を窺っていたシモンがふとへにゃりと微笑んだ。


「……どうやら、誓約が確かに交わされたようですね。俺とフェリアル様の魂がしっかり繋がっているのが視えます」

「ほんとっ?」

「えぇ。がっちり繋がって……というよりは、結ばれていますね。これで本当に、フェリアル様は俺の死を共にすることになってしまいました」


 なってしまった、という言い方が気にかかってムーッとほっぺを膨らませる。
 シモンはすぐに僕の怒りを察したようで「冗談です。とっても嬉しいですよ」と笑った。本当かね。
 僕はとことこっとシモンに駆け寄り、むぎゅっとコアラみたいに抱き着いてシモンを確保した。魂もこんな感じでむぎゅっと繋がっているのかな。


「シモン。ずっと一緒、ね。逃げちゃ、めっだよ」

「フェリアル様こそ。本当に誓約をしてしまったからには、もう逃がしませんからね」


 不敵に笑うシモンを見上げて、安堵が心の内を支配した。
 完全にいつものシモンが戻ってきたみたい。僕を絶対離してくれない、どーたんきょひ?なんちゃらのシモンが。


「さっそく、ライネスに報告にいくっ!」

「そんな結婚の報告みたいな……うーん、まぁ似たようなもんですかね」


 シモンは何やらボソッと呟き、お手紙お手紙っとわくわくぴょんぴょんする僕を抱き上げた。
 向かう先は僕の執務室。ライネスおめでとしてくれるかなーとそわそわしながら、僕はシモンにぎゅっと手足を絡め直して抱き着いた。








────
本作の書籍につきまして、1/16頃出荷予定となっております。
発売がついに間近に迫って参りましたので、こちらでもお知らせ致します。

今回番外編を二本、四万字弱ほど書き下ろさせて頂きました…!
書籍内、全体的にフェリと兄様達の兄弟エピソードたっぷりの内容となっております。

ぜひぜひ、お手に取って読んでいただけると嬉しいです(´ ` )
しおりを挟む
感想 1,714

あなたにおすすめの小説

気付いたらストーカーに外堀を埋められて溺愛包囲網が出来上がっていた話

上総啓
BL
何をするにもゆっくりになってしまうスローペースな会社員、マオ。小柄でぽわぽわしているマオは、最近できたストーカーに頭を悩ませていた。 と言っても何か悪いことがあるわけでもなく、ご飯を作ってくれたり掃除してくれたりという、割とありがたい被害ばかり。 動きが遅く家事に余裕がないマオにとっては、この上なく優しいストーカーだった。 通報する理由もないので全て受け入れていたら、あれ?と思う間もなく外堀を埋められていた。そんなぽややんスローペース受けの話

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

お子ちゃま勇者に「美味しくないから追放!」された薬師、田舎でバフ飯屋を開く

ファンタジー
現代日本から転生した味覚オタクの薬師ユージンは、幼い勇者パーティの“保護者枠”として命を守るため口うるさくしていたが、「薬が苦い」「うるさい」と追放される。 田舎ミズナ村で薬膳小料理屋「くすり香」を開いた彼の“バフ飯”は冒険者を覚醒させ、村を救い、王都の薬利権すら揺らす。 一方、追放した子どもたちはユージンの真意を知って大泣きするが、彼は戻らない──自分の人生を取り戻すために。

BLゲームの悪役に転生したら攻略対象者が全員ヒロインに洗脳されてた

BL
主人公のレオンは、幼少期に前世の記憶を思い出し、この世界がBLゲームで、自身は断罪される悪役だと気づく。 断罪を回避するため、極力攻略対象者たちと関わらないように生きてきた。 ーーそれなのに。 婚約者に婚約は破棄され、 気づけば断罪寸前の立場に。 しかも理由もわからないまま、 何もしていないはずの攻略対象者達に嫌悪を向けられてーー。 ※最終的にハッピーエンド ※愛され悪役令息

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

巣ごもりオメガは後宮にひそむ【続編完結】

晦リリ@9/10『死に戻りの神子~』発売
BL
後宮で幼馴染でもあるラナ姫の護衛をしているミシュアルは、つがいがいないのに、すでに契約がすんでいる体であるという判定を受けたオメガ。 発情期はあるものの、つがいが誰なのか、いつつがいの契約がなされたのかは本人もわからない。 そんななか、気になる匂いの落とし物を後宮で拾うようになる。 第9回BL小説大賞にて奨励賞受賞→書籍化しました。ありがとうございます。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。