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漫画家とアイドル
無理とか言ってられない
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「神崎さん、そろそろ、行動を起こした方が良くないですか?会いたいんでしょ?スーパーアイドルに。だったら、いつまでも断ったり渋ったりしてる場合ですか?最初から会えるなんて思ってなかったんでしょ?じゃあ、手っ取り早く行くしかないじゃん」
およそ、担当編集から漫画家へ向けられたとは思えない長台詞の説教を喰らうことになった、私。
でも、確かにその言葉は、私にとって、図星すぎて何も言えなかったことも間違いなくて。担当編集に怒られたこともあり、仕方なく、とある番組のオファーを受けることにした。
先ほど、担当編集の山田が言っていた、スーパーアイドル。私が本気で、嫌いな人前に出ることを決意してまで会いたいと思っている人、それが人気アイドルの斉藤くん。
ちなみに、その、とある番組というものが、斉藤くんの後輩グループが担当する冠番組。
私は、この番組に、顔出しはしない漫画家、神崎 蘇雨として番組に出る。被り物、覆面とまでは言わないけど、それを付けて出ることを了承した。
打ち合わせの段階で、その後輩グループのマネージャー佐藤 雪哉と知り合うことになった。マネージャーに会うなんてイベントは確定演出な気もするけど。
「どうも、マネージャーの佐藤です。えっと、そちらは?」
当たり前の挨拶と質問。ありきたりなシーン。
「あ、神崎です。漫画家してます」
こちらも、当たり前の回答をしておく。
「え、神崎って、あの?」
このリアクションまで含めて筋書き通りといったところかな。でも、私が思い描けたのは、そこまでだった。
「はい、神崎蘇雨です」
と、何故か、私ではなく、山田が答える。ここから、私の想像を超えたシナリオが進められていった。
「思ったより若いんすね」
それには、言及せずに、佐藤さんは、感想を続ける。
「多分、うちの神崎、佐藤さんと同い年だと思います」
「え?二十五っすか?」
「はい」
「タメじゃん、嬉しー、え?タメ語でも良い?」
その質問は、明らかに私にされたものだった為、山田は口を閉ざした。その代わり、私が口を開く。
「好きにしてください」
「じゃあ、お互い、そうしよ、あと、あれ、蘇雨は、目立ちすぎるから、神崎って呼んでいい?」
「分かった、じゃあ、私も佐藤って呼ぶね」
と、これまた、何故か和気藹々とした雰囲気で打ち合わせが終了した。
およそ、担当編集から漫画家へ向けられたとは思えない長台詞の説教を喰らうことになった、私。
でも、確かにその言葉は、私にとって、図星すぎて何も言えなかったことも間違いなくて。担当編集に怒られたこともあり、仕方なく、とある番組のオファーを受けることにした。
先ほど、担当編集の山田が言っていた、スーパーアイドル。私が本気で、嫌いな人前に出ることを決意してまで会いたいと思っている人、それが人気アイドルの斉藤くん。
ちなみに、その、とある番組というものが、斉藤くんの後輩グループが担当する冠番組。
私は、この番組に、顔出しはしない漫画家、神崎 蘇雨として番組に出る。被り物、覆面とまでは言わないけど、それを付けて出ることを了承した。
打ち合わせの段階で、その後輩グループのマネージャー佐藤 雪哉と知り合うことになった。マネージャーに会うなんてイベントは確定演出な気もするけど。
「どうも、マネージャーの佐藤です。えっと、そちらは?」
当たり前の挨拶と質問。ありきたりなシーン。
「あ、神崎です。漫画家してます」
こちらも、当たり前の回答をしておく。
「え、神崎って、あの?」
このリアクションまで含めて筋書き通りといったところかな。でも、私が思い描けたのは、そこまでだった。
「はい、神崎蘇雨です」
と、何故か、私ではなく、山田が答える。ここから、私の想像を超えたシナリオが進められていった。
「思ったより若いんすね」
それには、言及せずに、佐藤さんは、感想を続ける。
「多分、うちの神崎、佐藤さんと同い年だと思います」
「え?二十五っすか?」
「はい」
「タメじゃん、嬉しー、え?タメ語でも良い?」
その質問は、明らかに私にされたものだった為、山田は口を閉ざした。その代わり、私が口を開く。
「好きにしてください」
「じゃあ、お互い、そうしよ、あと、あれ、蘇雨は、目立ちすぎるから、神崎って呼んでいい?」
「分かった、じゃあ、私も佐藤って呼ぶね」
と、これまた、何故か和気藹々とした雰囲気で打ち合わせが終了した。
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