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18.優勝した後のご褒美は?
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それから練習を続けていくうちに、段々と技術が上がっていくのが分かった。
クラヴィスも頻繁に見に来てくれて、アドバイスをくれた。
しかし、馬術大会で優勝出来るかは相手の強さやその場の運すら関係がある。
大会前日、リーリルがいつものように髪を梳いてくれていた。
「お嬢様、明日は頑張って下さいね。まずは安全第一ですよ!」
「リーリルも心配性ね。クロルにも今朝、同じようなことを言われたわ」
「私はクロルほど心配性ではありませんわ……!」
頬を膨らませているリーリルと目があって、私はつい笑ってしまった。
リーリルも私と顔を見合わせて、楽しそうに笑ってくれている。
「お嬢様、もし馬術大会で優勝出来たら、何がしたいですか? 自分へのご褒美を考えておくことも大切ですよ!」
「ご褒美……そうね、まずは馬術を教えてくれたクラヴィスにお礼が言いたいわ」
「では、一緒に街へ出掛けてはいかがですか?」
「え?」
「クラヴィス様と一緒に街へ出掛けて、クラヴィス様へ練習のお礼でプレゼントを送るのもよろしいかなと」
リーリルが私の髪を梳いてくれている手がさらに優しくなったのを感じた。
「きっとクラヴィス様も喜ばれますよ」
「私は屋敷から出られなかったこともあって、街に詳しくないわ。それに私は国一番の悪女だから、街の者が驚いてしまうかもしれないわ」
「お嬢様なら大丈夫ですよ。それに平民でお嬢様の顔を知るものはいません。不安ならフードのある服を着ることだって出来ます」
リーリルは穏やかな笑顔を私に向けてくれる。
「お嬢様が笑顔で街を歩いて過ごすことを私は……いや、お嬢様の人柄を知っている者はきっと皆望んでくれるはずです」
「リーリル……」
「お嬢様が幸せになることを私も心の底から願っているのです。どうかご自身のやりたいことを事実とは違う噂などで諦めないで下さいませ」
リーリルはいつも優しくて、それでいて私に勇気をくれるのだ。
だから……
「ねぇ、リーリル。街にはリーリルのオススメのお店はあるの? 教えて欲しいわ」
「っ!お嬢様……! 私のオススメのお店はですね……!」
リーリルがくれた勇気を持って、私は前に進んで行きたいだけ。
リーリルが嬉しそうに好きなお店を教えてくれる。
「ねぇ、リーリル。リーリルのおかげで明日の大会の不安や緊張より楽しみが大きくなった気がするわ。明日の大会も楽しんでくるわね」
「ええ、私は見に行けませんが、心はずっとお嬢様のそばにありますからね」
明日の大会は、もう目の前まで迫っていた。
クラヴィスも頻繁に見に来てくれて、アドバイスをくれた。
しかし、馬術大会で優勝出来るかは相手の強さやその場の運すら関係がある。
大会前日、リーリルがいつものように髪を梳いてくれていた。
「お嬢様、明日は頑張って下さいね。まずは安全第一ですよ!」
「リーリルも心配性ね。クロルにも今朝、同じようなことを言われたわ」
「私はクロルほど心配性ではありませんわ……!」
頬を膨らませているリーリルと目があって、私はつい笑ってしまった。
リーリルも私と顔を見合わせて、楽しそうに笑ってくれている。
「お嬢様、もし馬術大会で優勝出来たら、何がしたいですか? 自分へのご褒美を考えておくことも大切ですよ!」
「ご褒美……そうね、まずは馬術を教えてくれたクラヴィスにお礼が言いたいわ」
「では、一緒に街へ出掛けてはいかがですか?」
「え?」
「クラヴィス様と一緒に街へ出掛けて、クラヴィス様へ練習のお礼でプレゼントを送るのもよろしいかなと」
リーリルが私の髪を梳いてくれている手がさらに優しくなったのを感じた。
「きっとクラヴィス様も喜ばれますよ」
「私は屋敷から出られなかったこともあって、街に詳しくないわ。それに私は国一番の悪女だから、街の者が驚いてしまうかもしれないわ」
「お嬢様なら大丈夫ですよ。それに平民でお嬢様の顔を知るものはいません。不安ならフードのある服を着ることだって出来ます」
リーリルは穏やかな笑顔を私に向けてくれる。
「お嬢様が笑顔で街を歩いて過ごすことを私は……いや、お嬢様の人柄を知っている者はきっと皆望んでくれるはずです」
「リーリル……」
「お嬢様が幸せになることを私も心の底から願っているのです。どうかご自身のやりたいことを事実とは違う噂などで諦めないで下さいませ」
リーリルはいつも優しくて、それでいて私に勇気をくれるのだ。
だから……
「ねぇ、リーリル。街にはリーリルのオススメのお店はあるの? 教えて欲しいわ」
「っ!お嬢様……! 私のオススメのお店はですね……!」
リーリルがくれた勇気を持って、私は前に進んで行きたいだけ。
リーリルが嬉しそうに好きなお店を教えてくれる。
「ねぇ、リーリル。リーリルのおかげで明日の大会の不安や緊張より楽しみが大きくなった気がするわ。明日の大会も楽しんでくるわね」
「ええ、私は見に行けませんが、心はずっとお嬢様のそばにありますからね」
明日の大会は、もう目の前まで迫っていた。
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