図書と保健の秘密きち

梅のお酒

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15 空 (倉田)

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今日は屋上に行くと草餅がいた。もう桜も散って、木には緑の葉が色づき始めている。
週に二回くらいここへ来るが草餅とここで会うのは三回に一回くらい。お互いさぼりたいときにさぼっているから会わないときのほうが多かった。それこそ最近はほとんどあっていなかった。
「よっす」
軽い挨拶を交わし草餅の横に座ると、早速向こうから話しかけてきた。
「今日はいたね」
「うん」
「そろそろ中間テストだけど、倉田って頭いいの?」
「よくない」
「じゃ私が教えてあげよっか?」
「え、草餅って頭いいの?」
「中の下かな」
「中の下人に勉強教わって大丈夫かな」
「大船に乗ったつもりでいなさい」」
「タイタニック号」
「やかましい」
いつも通りのなんてことない会話で安らぐ。なぜか草餅としゃべっているときは気を使わないでいられて落ち着く。
「そういえば、倉田って図書委員だったよね?」
「そうだけど」
「なんか仕事あった?」
「今のところはない」
そう今のところ図書委員の仕事は定期的にある本の貸し出し受付の仕事だけで、副委員長としての三和さんの恋愛相談の仕事はまだない。もしかして順調なのだろうか?
「そういう草餅は保健委員の仕事はないの?」
「私は初めのほうにあった健康診断の準備があったくらいかな」
そういえば視力検査の受付のところで草餅を見た気がする。なんか同じ保健委員の男子としゃべってたな。草餅って結構かわいいし持てるのかななんて考えてしまう。
「そかそか」
「暇に越したことはないよ。忙しくなったら屋上来られないし」
それもそうだ。しばらく屋上で会っていなかったのはテスト期間で勉強が忙しかったからということもある。授業こそ時々さぼっているが決して不真面目ではない。、、、と思いたい。
またしばらく無言で屋上からの景色を眺める。会話が途切れても全く気まずさを感じない。それはこのきれいな景色のおかげか、それとも相手が草餅だからか。
今は授業中で校舎からは何の音も聞こえてこない。遠くの海から波の音が聞こえそうなくらいの静寂の中、私たちはあおむけになり空を眺める。太陽が時々雲から顔を出し、私たちを照らす。まぶしくなって目を閉じると瞼の裏側がオレンジ色に見えた。隣に友人がいるのに瞼の裏側を意識するくらいに心地がいい。
3時間目の終わりを知らせるチャイムが鳴る。そして4時間目のチャイムが鳴るまでずっとそのままあおむけで空を眺める。隣で草餅も同じようにチャイムの音を無視して空を見ていた。
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