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第五部
42 王太子殿下付き秘書官ステファンの困惑【サイドストーリー】
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「つまり王都内で発行された新聞の全てで若き侯爵家の跡継ぎと美しき細君の結婚式を絵付きで取り上げた。その結果一夜にして悪評が覆ったということかな?」
王太子殿下はそういうと目の前にタイミングよく給仕されたハーブティーを飲む。
ソファに座る俺の前にも同じハーブティーが置かれた。年齢不詳な王太子殿下の従者がいれるハーブティーは、爽やかな柑橘の匂いがした。
「さようでございます。とはいえ、うちのネリーネは可愛らしいですから新聞でとりあげられずとも遅かれ早かれ世間に知られたことですけれどね」
爽やかさと皆無な、くどい顔をした男が胸を張り自慢げに答える。
俺とネリーネの結婚について仔細が聞きたいと言われ、ソファに座ると図ったかのように文書係として王太子殿下の書類回送を担当しているハロルドが現れた。
そのままなぜかハロルドも同席している。
そして王太子殿下から俺への問いかけにもなぜかハロルドが答えている。
「……なんでハロルドが答えるんだよ」
「ステファンが答えないからだろう? いいんだよ。俺に遠慮せずネリーネのことを惚気ても」
片目をつぶってもくどい。いや。こういう場で片目をつぶるような真似を平然とやってのけるからくどいのだ。
「義兄がいる場で惚気るなんて悪趣味なこと出来るか」
「何を言うんだ。悪趣味なことあるか。妹が結婚相手に愛されていることがわかったほうが兄として安心するだろう? さあ、ステファン思う存分惚気てくれ」
鼻息荒い濃い顔が近づき、俺は勢いよく顔を背ける。
「ランス殿助けてくれ」
同僚である王太子殿下の補佐官に目があい助けを求める。
「おや。ランス。君も思う存分義兄のいる場で惚気て構わないのだよ?」
焼き菓子を配膳していた年齢不詳の従者がそう言って補佐官に声をかけた。
補佐官の妻はこの従者の妹だ。
視線が集中した補佐官は俺の助けを求める声に応じるために開きかけていた口を閉じて遠い目をする。
補佐官の妻は女官として王宮勤めをしているので俺も顔を知っている。
美人ではあるものの淡々としてやや無愛想なあの女官と惚気るような結婚生活を送っているようには思えない。きっと王太子殿下を近しいもので固めるために取り交わされた政略結婚なのだろう。
表情豊かな愛くるしいネリーネと幸せな新婚生活を送る俺とは違う。
ふと視線を感じると王太子殿下がこちらに真剣な眼差しを向けていた。
まずい。このままでは話が進まない。仕方なくハロルドに話しかける。
「ともあれ新聞社に手を回したのはハロルドなのか? それともデスティモナ伯爵か?」
「手を回すだなんて人聞きが悪い。ただ、ディスティモナ家の令嬢を娶るのがマグナレイ侯爵家の跡取りの条件だとかいうとんでもない情報を新聞社に流した者がいただけだ」
冷静になって考えればマグナレイ侯爵家にデスティモナ伯爵家の令嬢が嫁入りするメリットなんて何もないのだから、跡取りの条件になるはずもない。
だというのに無駄に悪名高いネリーネが侯爵家に嫁ぐことに何か裏があるはずと誤解したものがいたのは事実だ。
「悪評をばら撒いた新聞が、それを覆すのだから世の中はわからないものですね」
ネリーネは社交界の初舞台でどこぞやの貴族のご令息をこき下ろしてしまったらしい。愛らしいネリーネに卑猥な声をかけ体を押し付けるような男罵声を浴びて然るべきなのだが、相手が悪かった。
新聞社の大株主である貴族はネリーネを貶めるような記事を書かせ、ネリーネは「社交界の毒花令嬢」などと呼ばれる羽目になってしまったのだ。
くだんの新聞社はすでに潰れたが金持ちを叩けば庶民が喜ぶと同調していた新聞社も多かった。掌を返したかのような報道はさもしいとしか言いようがない。
「私とエレナの婚約を嘲弄する噂の出どころが劇場なのであれば、それを覆すのも劇場のほうが効果的だな」
王太子殿下は優美な微笑みをたたえ、俺を手招きする。
凛とした声が俺の耳元で潜められる。耳にした企ては到底正気では考えられないものであった。
「それは……エリオット様の耳に入れば反対されるのでは」
自分の意見として王太子殿下の意見を否定するわけにはいかない。お坊ちゃまを盾にし首を振る。
「エリオットはイスファーン王国の大使館設立でこれから多忙になる予定だから反対のしようがないよ」
「で、でもエレナ様は……」
「エレナは私とともに噂を覆す約束をした」
「……そうおっしゃられても、あんな『くだらない芝居』にエレナ様をお連れしてまた胸を痛めるようなことがあっては……」
王立学園に通学するために王都に出てきたばかりのころ、あの「くだらない芝居」を目にし胸を痛め屋敷の階段から転落したと聞く。
「調べによるとエレナはあの日ステファンの言う『くだらない芝居』を目にしているのは確かだ。だがあの日その芝居小屋に『エレナが来ていたこと』を知っているのは、ごく一部の限られた人間だけだ。たくさんの観客がいたはずなのに誰も王太子の婚約者が来ていることに気が付かなかったのだ」
「どういうことですか?」
「ステファン。エレナが王宮に女官見習いとして出仕したのを初めて見たときに私の婚約者だと気が付いたか?」
「いえ。その……言いづらいのですが、町で噂されるような方とは違いましたので。全く気が付きませんでした」
それどころかあの時は本気で運命の少女だと思っていたことを思い出す。
「なぁ。ハロルド。ほかの官吏たちはどうだ? エレナは多くの部署に出入りしていただろう?」
「まったくと言っていいほど気が付いておりませんでした」
「この世で一番愛らしく、純真可憐なマーガレットのような少女が私の婚約者であることを多くの者は知らないのだ。だから、知らせてやるのも必要だろう? ああ、いきなり劇場に向かうようなことはしない。まずは街に出てわたしの最愛の少女がどれほど稀有な存在かわからせてやらねばならない。そうだろう?」
愉悦に満ちた表情は美しさよりも恐ろしさが勝る。
俺だけでなくいつも大袈裟でふざけた態度のハロルドまで頷いたあとは身をすくめ、王太子殿下の言葉を待った。
そして……
幼い頃のエレナ様の愛らしい献身に王妃様が身罷られ塞ぎ込んでいらした心がどれだけ救われたか。
毎年本を贈る約束をしたはいいものの、本を読むような余暇はなく王太子教育で使われた文献の中から興味を引くようなものを選んで贈るしかできなかったものの、文献を理解するために勉学に励み感想や意見を送ってくれていたこと。
貴族たちの派閥争いの余波で婚約者探しが難航し王太子殿下が不名誉な扱いを受けていた際にも「歴史に残る君主になれる」と疑いなく勇気づけてくれたこと。
どれだけエレナ様が愛らしく自分にとって大切かをとめどなく王太子殿下は話し続けている。
まだ終わる気配がないのを察したのか、ハロルドは「回送業務が残ってる」だなんて言って随分前に退室してしまった。
目の前にハーブティーのおかわりが置かれた。
「失礼ですが、王太子殿下はエレナ様について語られる時はいつも饒舌なのでしょうか」
年齢不詳な従者は口角だけ持ち上げる。
「ええ。エリオット様がいらっしゃらない時は」
なるほど。そうか。お坊ちゃんは王太子殿下が繰り広げるの兄が聞くには耐えられないほどの惚気話を聞きたくないから喋り続けて話す隙を作らなかったのか。
俺は真実に到達した。
王太子殿下はそういうと目の前にタイミングよく給仕されたハーブティーを飲む。
ソファに座る俺の前にも同じハーブティーが置かれた。年齢不詳な王太子殿下の従者がいれるハーブティーは、爽やかな柑橘の匂いがした。
「さようでございます。とはいえ、うちのネリーネは可愛らしいですから新聞でとりあげられずとも遅かれ早かれ世間に知られたことですけれどね」
爽やかさと皆無な、くどい顔をした男が胸を張り自慢げに答える。
俺とネリーネの結婚について仔細が聞きたいと言われ、ソファに座ると図ったかのように文書係として王太子殿下の書類回送を担当しているハロルドが現れた。
そのままなぜかハロルドも同席している。
そして王太子殿下から俺への問いかけにもなぜかハロルドが答えている。
「……なんでハロルドが答えるんだよ」
「ステファンが答えないからだろう? いいんだよ。俺に遠慮せずネリーネのことを惚気ても」
片目をつぶってもくどい。いや。こういう場で片目をつぶるような真似を平然とやってのけるからくどいのだ。
「義兄がいる場で惚気るなんて悪趣味なこと出来るか」
「何を言うんだ。悪趣味なことあるか。妹が結婚相手に愛されていることがわかったほうが兄として安心するだろう? さあ、ステファン思う存分惚気てくれ」
鼻息荒い濃い顔が近づき、俺は勢いよく顔を背ける。
「ランス殿助けてくれ」
同僚である王太子殿下の補佐官に目があい助けを求める。
「おや。ランス。君も思う存分義兄のいる場で惚気て構わないのだよ?」
焼き菓子を配膳していた年齢不詳の従者がそう言って補佐官に声をかけた。
補佐官の妻はこの従者の妹だ。
視線が集中した補佐官は俺の助けを求める声に応じるために開きかけていた口を閉じて遠い目をする。
補佐官の妻は女官として王宮勤めをしているので俺も顔を知っている。
美人ではあるものの淡々としてやや無愛想なあの女官と惚気るような結婚生活を送っているようには思えない。きっと王太子殿下を近しいもので固めるために取り交わされた政略結婚なのだろう。
表情豊かな愛くるしいネリーネと幸せな新婚生活を送る俺とは違う。
ふと視線を感じると王太子殿下がこちらに真剣な眼差しを向けていた。
まずい。このままでは話が進まない。仕方なくハロルドに話しかける。
「ともあれ新聞社に手を回したのはハロルドなのか? それともデスティモナ伯爵か?」
「手を回すだなんて人聞きが悪い。ただ、ディスティモナ家の令嬢を娶るのがマグナレイ侯爵家の跡取りの条件だとかいうとんでもない情報を新聞社に流した者がいただけだ」
冷静になって考えればマグナレイ侯爵家にデスティモナ伯爵家の令嬢が嫁入りするメリットなんて何もないのだから、跡取りの条件になるはずもない。
だというのに無駄に悪名高いネリーネが侯爵家に嫁ぐことに何か裏があるはずと誤解したものがいたのは事実だ。
「悪評をばら撒いた新聞が、それを覆すのだから世の中はわからないものですね」
ネリーネは社交界の初舞台でどこぞやの貴族のご令息をこき下ろしてしまったらしい。愛らしいネリーネに卑猥な声をかけ体を押し付けるような男罵声を浴びて然るべきなのだが、相手が悪かった。
新聞社の大株主である貴族はネリーネを貶めるような記事を書かせ、ネリーネは「社交界の毒花令嬢」などと呼ばれる羽目になってしまったのだ。
くだんの新聞社はすでに潰れたが金持ちを叩けば庶民が喜ぶと同調していた新聞社も多かった。掌を返したかのような報道はさもしいとしか言いようがない。
「私とエレナの婚約を嘲弄する噂の出どころが劇場なのであれば、それを覆すのも劇場のほうが効果的だな」
王太子殿下は優美な微笑みをたたえ、俺を手招きする。
凛とした声が俺の耳元で潜められる。耳にした企ては到底正気では考えられないものであった。
「それは……エリオット様の耳に入れば反対されるのでは」
自分の意見として王太子殿下の意見を否定するわけにはいかない。お坊ちゃまを盾にし首を振る。
「エリオットはイスファーン王国の大使館設立でこれから多忙になる予定だから反対のしようがないよ」
「で、でもエレナ様は……」
「エレナは私とともに噂を覆す約束をした」
「……そうおっしゃられても、あんな『くだらない芝居』にエレナ様をお連れしてまた胸を痛めるようなことがあっては……」
王立学園に通学するために王都に出てきたばかりのころ、あの「くだらない芝居」を目にし胸を痛め屋敷の階段から転落したと聞く。
「調べによるとエレナはあの日ステファンの言う『くだらない芝居』を目にしているのは確かだ。だがあの日その芝居小屋に『エレナが来ていたこと』を知っているのは、ごく一部の限られた人間だけだ。たくさんの観客がいたはずなのに誰も王太子の婚約者が来ていることに気が付かなかったのだ」
「どういうことですか?」
「ステファン。エレナが王宮に女官見習いとして出仕したのを初めて見たときに私の婚約者だと気が付いたか?」
「いえ。その……言いづらいのですが、町で噂されるような方とは違いましたので。全く気が付きませんでした」
それどころかあの時は本気で運命の少女だと思っていたことを思い出す。
「なぁ。ハロルド。ほかの官吏たちはどうだ? エレナは多くの部署に出入りしていただろう?」
「まったくと言っていいほど気が付いておりませんでした」
「この世で一番愛らしく、純真可憐なマーガレットのような少女が私の婚約者であることを多くの者は知らないのだ。だから、知らせてやるのも必要だろう? ああ、いきなり劇場に向かうようなことはしない。まずは街に出てわたしの最愛の少女がどれほど稀有な存在かわからせてやらねばならない。そうだろう?」
愉悦に満ちた表情は美しさよりも恐ろしさが勝る。
俺だけでなくいつも大袈裟でふざけた態度のハロルドまで頷いたあとは身をすくめ、王太子殿下の言葉を待った。
そして……
幼い頃のエレナ様の愛らしい献身に王妃様が身罷られ塞ぎ込んでいらした心がどれだけ救われたか。
毎年本を贈る約束をしたはいいものの、本を読むような余暇はなく王太子教育で使われた文献の中から興味を引くようなものを選んで贈るしかできなかったものの、文献を理解するために勉学に励み感想や意見を送ってくれていたこと。
貴族たちの派閥争いの余波で婚約者探しが難航し王太子殿下が不名誉な扱いを受けていた際にも「歴史に残る君主になれる」と疑いなく勇気づけてくれたこと。
どれだけエレナ様が愛らしく自分にとって大切かをとめどなく王太子殿下は話し続けている。
まだ終わる気配がないのを察したのか、ハロルドは「回送業務が残ってる」だなんて言って随分前に退室してしまった。
目の前にハーブティーのおかわりが置かれた。
「失礼ですが、王太子殿下はエレナ様について語られる時はいつも饒舌なのでしょうか」
年齢不詳な従者は口角だけ持ち上げる。
「ええ。エリオット様がいらっしゃらない時は」
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