2 / 10
-2-
しおりを挟む
私はこう見えてもこの間までは侯爵令嬢で、王太子殿下の婚約者だった。
殿下と仲は政略としてもギリギリ無理という感じで決してよいとはいえなかった。
けれどそれに関しては正直楽観視していた。
幼いころは幼い関係ではあったものの仲はよく、ぎくしゃくし始めたのは学園に入って私の成績の方がよかったせいだから。
確かに勉強は私の方が出来たけれど治政や人心把握という点では殿下の方が優れている。実務を始めれば殿下はみるみる実力を発揮し、私などに引け目を感じる必要はなくなるだろうから。
そうなれば最低でも政略結婚をこなせる程度には関係が修復されると思っていたから。
恋情は必要ないですし。
この学園では学内において身分差を笠に着ることを禁止されている。
表向きは身分の低いものの芽を不用意に潰さず、まだ身分にとらわれぬ友情や信用出来る存在を見つける貴重な機会を得るために。
裏向きは特に専門職であるために貴族ではない教師を身分でどうにかしようとするものを止めるためと、身分の低いものがずっとそうだとは限らないために。
きちんと爵位のある家の子弟は身分はその通りでしかないのだが、特待生として来ている庶民が本当に庶民だったことは外部が思うよりも少ない。
大商人の子供などはとにかく、市井で神童と呼ばれていた子供とかいうものは字面はうさんくさいが実態はわかりやすかったりする。
いわゆる大貴族の御落胤。
捨て置かれることも多いが、一部何かの思惑により陰で支援を受けいろいろ学ばされながら育てられている人もいる。
最低限生活出来るため以上の知識を知っている存在は当然飛び抜けてみえる。それで肝心の生活が破綻していれば印象は変わるだろうが、生活も最低限は保証されている。
そんな理由で特待生は親に見捨てられるほどの莫迦は滅多にいないが本当に才能がある存在もほぼいない。そもそも特待生制度が家名を表に出さず貴族の学校に通わせるためにあると言われているくらい。
だから庶民だと莫迦にしていたものが、気がついたら自分より上位貴族になっていて意趣返しされたなどということもまれに起こる。そんな状況は避けさせたいに決まっている。
殿下と仲は政略としてもギリギリ無理という感じで決してよいとはいえなかった。
けれどそれに関しては正直楽観視していた。
幼いころは幼い関係ではあったものの仲はよく、ぎくしゃくし始めたのは学園に入って私の成績の方がよかったせいだから。
確かに勉強は私の方が出来たけれど治政や人心把握という点では殿下の方が優れている。実務を始めれば殿下はみるみる実力を発揮し、私などに引け目を感じる必要はなくなるだろうから。
そうなれば最低でも政略結婚をこなせる程度には関係が修復されると思っていたから。
恋情は必要ないですし。
この学園では学内において身分差を笠に着ることを禁止されている。
表向きは身分の低いものの芽を不用意に潰さず、まだ身分にとらわれぬ友情や信用出来る存在を見つける貴重な機会を得るために。
裏向きは特に専門職であるために貴族ではない教師を身分でどうにかしようとするものを止めるためと、身分の低いものがずっとそうだとは限らないために。
きちんと爵位のある家の子弟は身分はその通りでしかないのだが、特待生として来ている庶民が本当に庶民だったことは外部が思うよりも少ない。
大商人の子供などはとにかく、市井で神童と呼ばれていた子供とかいうものは字面はうさんくさいが実態はわかりやすかったりする。
いわゆる大貴族の御落胤。
捨て置かれることも多いが、一部何かの思惑により陰で支援を受けいろいろ学ばされながら育てられている人もいる。
最低限生活出来るため以上の知識を知っている存在は当然飛び抜けてみえる。それで肝心の生活が破綻していれば印象は変わるだろうが、生活も最低限は保証されている。
そんな理由で特待生は親に見捨てられるほどの莫迦は滅多にいないが本当に才能がある存在もほぼいない。そもそも特待生制度が家名を表に出さず貴族の学校に通わせるためにあると言われているくらい。
だから庶民だと莫迦にしていたものが、気がついたら自分より上位貴族になっていて意趣返しされたなどということもまれに起こる。そんな状況は避けさせたいに決まっている。
13
あなたにおすすめの小説
うまくやった、つもりだった
ひがん さく
恋愛
四大貴族、バルディストン公爵家の分家に生まれたオスカーは、ここまでうまくやってきた。
本家の一人娘シルヴィアが王太子の婚約者に選ばれ、オスカーは本家の後継ぎとして養子になった。
シルヴィアを姉と慕い、養父に気に入られ、王太子の側近になり、王太子が子爵令嬢と愛を深めるのを人目につかぬよう手助けをし、シルヴィアとの婚約破棄の準備も整えた。
誠実と王家への忠義を重んじるこの国では、シルヴィアの冷徹さは瑕疵であり、不誠実だと示せば十分だった。
かつてシルヴィアはオスカーが養子になることに反対した。
その姉が後妻か商家の平民に落ちる時が来た。
王太子の権威や素晴らしさを示すという一族の教えすら忘れた姉をオスカーは断罪する。
だが、シルヴィアは絶望もせずに呟いた。
「これだから、分家の者を家に入れるのは嫌だったのよ……」
婚約破棄を伝えられて居るのは帝国の皇女様ですが…国は大丈夫でしょうか【完結】
繭
恋愛
卒業式の最中、王子が隣国皇帝陛下の娘で有る皇女に婚約破棄を突き付けると言う、前代未聞の所業が行われ阿鼻叫喚の事態に陥り、卒業式どころでは無くなる事から物語は始まる。
果たして王子の国は無事に国を維持できるのか?
逆ハーレムを完成させた男爵令嬢は死ぬまで皆に可愛がられる(※ただし本人が幸せかは不明である)
ラララキヲ
恋愛
平民生まれだが父が男爵だったので母親が死んでから男爵家に迎え入れられたメロディーは、男爵令嬢として貴族の通う学園へと入学した。
そこでメロディーは第一王子とその側近候補の令息三人と出会う。4人には婚約者が居たが、4人全員がメロディーを可愛がってくれて、メロディーもそれを喜んだ。
メロディーは4人の男性を同時に愛した。そしてその4人の男性からも同じ様に愛された。
しかし相手には婚約者が居る。この関係は卒業までだと悲しむメロディーに男たちは寄り添い「大丈夫だ」と言ってくれる。
そして学園の卒業式。
第一王子たちは自分の婚約者に婚約破棄を突き付ける。
そしてメロディーは愛する4人の男たちに愛されて……──
※話全体通して『ざまぁ』の話です(笑)
※乙女ゲームの様な世界観ですが転生者はいません。
※性行為を仄めかす表現があります(が、行為そのものの表現はありません)
※バイセクシャルが居るので醸(カモ)されるのも嫌な方は注意。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
断罪された薔薇の話
倉真朔
恋愛
悪名高きロザリンドの断罪後、奇妙な病気にかかってしまった第二王子のルカ。そんなこと知るよしもなく、皇太子カイルと彼の婚約者のマーガレットはルカに元気になってもらおうと奮闘する。
ルカの切ない想いを誰が受け止めてくれるだろうか。
とても切ない物語です。
この作品は、カクヨム、小説家になろうにも掲載中。
彼女(ヒロイン)は、バッドエンドが確定している
基本二度寝
恋愛
おそらく彼女(ヒロイン)は記憶持ちだった。
王族が認め、発表した「稀有な能力を覚醒させた」と、『選ばれた平民』。
彼女は侯爵令嬢の婚約者の第二王子と距離が近くなり、噂を立てられるほどになっていた。
しかし、侯爵令嬢はそれに構う余裕はなかった。
侯爵令嬢は、第二王子から急遽開催される夜会に呼び出しを受けた。
とうとう婚約破棄を言い渡されるのだろう。
平民の彼女は第二王子の婚約者から彼を奪いたいのだ。
それが、運命だと信じている。
…穏便に済めば、大事にならないかもしれない。
会場へ向かう馬車の中で侯爵令嬢は息を吐いた。
侯爵令嬢もまた記憶持ちだった。
悪役令嬢に相応しいエンディング
無色
恋愛
月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。
ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。
さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。
ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。
だが彼らは愚かにも知らなかった。
ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。
そして、待ち受けるエンディングを。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる