妹の結婚を邪魔するために姉は婚約破棄される

こうやさい

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プロローグ

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「お前との婚約は破棄させてもらう」
 皆の前で殿下がこちらに向かいそう宣言する。
 その殿下の後ろで彼の服の裾をすがりつくように――あるいは止めるように握りしめているのは私の妹だ。
 うっすらと涙が浮かんでいるのが見える。それすら美しい。
「お前の立場はお前の妹とそっくり取り替えさせてもらう」
 殿下がさらに思いがけないことを言う。
「お前にはお似合いだ」
 思わず制服が汚れることにも構わず床に崩れ落ちる。
 うなだれた拍子に落ちてきた髪の毛の影で。
 ――私はにやりと嗤った。
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