妹の結婚を邪魔するために姉は婚約破棄される

こうやさい

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秘めごとは奥に隠す

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 そうやってとりあえず殿下には順調に嫌われた。
 そのことで私をかばってくれる妹がけなげでかわいい、苛められている相手なのに。
 後何か一押しあれば殿下は恐らく婚約破棄を言い出すだろう。わがままと束縛を繰り返したことで最近すっかりこらえ性がなくなったしまったし。
 その一押しは出来れば誰もが納得出来るものがいい。
 ついでに私が家を巻き込まないギリギリまでさらに汚名を被れるものだといい。長子である私が家を継がない理由を周りに納得してもらわなければならないのだから。

 本だと悪役令嬢が殿下の想い人をならず者に襲わせたのが最終的な切っ掛けになったんだけど……殿下の想い人ってやっぱりどう考えてもまだ妹よねぇ? 妹は奇跡だから好きになるのはしょうがないだろうけど、そんな危険な目に遭わせる訳にはいかないし……そもそもならず者に知り合いどころか紹介してもらえるつてもないしなぁ。
 悪役令嬢ってもしかしなくてもかなり有能じゃないと出来ないんじゃ……。
 けど今更後へは引けない。
 実際に襲わせる必要はない――というか、そんな事態になったら助ける方に回るので、架空の依頼の手紙でも書いて、殿下か殿下に報告する取り巻きが来るところに落としとけばいいかな?
 殿下には心にもない恋文に見せかけたわがままを書いて送ってたから、読まずに捨てていたとしても私の筆跡を知っていると言い張れるし、差出人名は書かないけど、おそわせたいあいての名前は書いて、妹が邪魔だとでも書いておけば該当者私しかいないし、何かうっかりしたっぽく見えるし。
 ……企む方が言うのもあれだけど、それで騙される王族ってやだなぁ。
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