私悪役令嬢、今作者の中にいるの。

こうやさい

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 気がつくと書きかけ自作小説の悪役令嬢に転生していた。

 何で!? 死んだ記憶ないんだけどパソコンが爆発でもした!? うー、今回はポイント稼げそうと思ったのに。中古なんか買うんじゃなかった。
 って、それどころじゃない。

 今どこまで進んだか分かるのは幸いだけど、既に詰んでる辺りって分かるのは不幸だ。
 いやまだギリギリ逃げ出せるラインだけど、こちとら現代人。お嬢さまとは別の理由でこんなとこで一人で生きてける自信なんてない。
 てか、この家から出ても周りかなりの数人外な訳で……うん、食べられるな。悪役令嬢の記憶にある彼女を見つめる熱いまなざし……あれたぶん食欲だわ。
 こんなことなら計画に反対する者とか、真に心優しい人外とか近くに配置しとくんだった。

 ……いやまて、攻めこむところまでは決定だけど、最後の最後は悩んでて、感想の反応見て決めようと思ってたから、何パターンか考えてたけど決定してなかった。
 その中には生き残るルートもあったわよね、一番長生きなのは人外堕ちするけど。

 ヒロインの一族は吸血鬼で、ただ一人にだけ致死量まで血を吸われれば人間が吸血鬼に生まれ変わるってちょっとひねったつもりだったけど、なんか途中で似たようなオンノベ読んでどうしようか悩んでたやつ。
 ちなみにそっちはラブロマンスだった。ほかの吸血鬼にヒロインが血を吸われそうになるところを延々とヒーローが守って、結局ヒーローが力尽きて滅んでしまい、ヒロインは吸血鬼の入り込めない修道院で一生を過ごすことを決意するとこまで読んだ。それどうなのと正直思った。そこはヒロインの涙でヒーローが人間としてよみがえるとかってとこでしょーが。
 って、よそ様のオンノベはどうでもいい。

 人外堕ちはヤバい。この状況で前世の記憶持ったまま殺されるまで延々と生き続けるって……いや生まれ変わるんだからそこで前々世になって記憶消えるかもしれないけど、抱えたまんまってのはちょっと。このルート悪役令嬢は人間にわりと絶望して未練ないしそこまででちょん切る予定だったから大丈夫だけど、普段の神経だときついと思う。
 それにこの年とこの容姿で不死って……容姿?

 イラストに起こしたりはしなかったし、厳密に想像してたわけでもないし、描写は下手……修行中なので「美しい」とか「大輪の花のような」とかわりと曖昧にしか書いてないけど、この子って美人のはずよね? 美人の定義が現代と違ってるとかってひねりは入れたつもりはないし。あとまだ若い。
 あ、ちょっと老けないことに心惹かれて来た。意外と乙女だったのね。
 それに真っ先に転生を思いついたけど、憑依型とかいろいろパターンあるから長生きしたら元に戻れる方法が見つかる場合もあったりとか? こっちで死んだら戻れるの場合逆に困るけど……って致死量の血を吸われた時点で戻るかそれ。
 なんかだんだんいい考えのような気がしてきた。人間の敵に回るって言ってもあたしの知り合いいないし、悪役令嬢の方も見捨てられてる訳だし。

 ……けどここはいったん冷静になって……。
 家畜エンド……は死にルートに分類してるのよね、その前に終わるだけで。
 操り人形エンド……生命活動はしてるけど意思はないからこれも死にエンド分類。
 性奴隷快楽堕ちエンド……いやこれはポイント伸びなかったときの対策にとか思ったけどエロく書ける自信がないからボツにした、レーディング変わりそうだし。

 うん、最初からハッピーエンドは予定してなかったからなぁ。こんなことならご都合主義お花畑の話を考えるんだった。
 今からそんな感じに話変えようとして間に合うかなぁ?
 うー、けどそんな簡単に考えつくなら苦労しないし。書くの遅いけど頭の回転はもっと遅いのよっ。

「おや?」
 不意に声がしてぎこちなく顔をそちらに向ける。
「こんなところにいたんですか?」
 そこにはうさんくさい笑顔があった。
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