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58 妄想
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私が芹沢くんの近くにまでやって来ると、彼は椅子をキイっと音を立て回転させて、きっちりと真正面で向かい合ってから、顔から足下までゆっくりと何度か視線を往復させた。
「えっ……何? 変……?」
流石に現役でもなんでもない女子高生コスプレは、間近で見たら引かれたのかもしれない。何も言わない彼に不安になってしまった私に、芹沢くんは何度か頷いた。
「いや……これは、控えめに言って最高。水無瀬さんって、可愛い系の顔だからもう卒業してるはずなのに、違和感がない。このままで高校行っても、ちょっと大人っぽい子だなくらいで、学校内に入るの止められなくて通じるよ……可愛い。これ……俺が癖になったら、どうしてくれるの?」
背の高い芹沢くんは今は座っているので、私の胸辺りの高さに彼の顔が来るという絶好のポジションだった。
「もし、制服フェチになったら、ちゃんと責任取るよ。芹沢くんってどんな制服だったの?」
「俺の時は、詰襟の学生服だった。卒業したら要らないだろうと思って、もう制服は捨てたんだけど、こんなことになるなら、取って置いたら良かった。後々になってこんな後悔をするなんて、全く予想してなかった」
傍に居た私がより近付いて芹沢くんに抱きついたらその時はそうしようと思った訳でもないんだけど、彼の頬に胸が当たってとても嬉しそうな表情になった。
あまり表情を動かさない推しが、わかりやすくデレるという、貴重な一瞬を私は目を光らせ見逃さなかった。
出来たら毎秒、写真撮りたい。
イケメンのこうした可愛い顔は、絶対に女性は癒される。貴重な人類の財産でもあるんだし、後世の人々のためにも残したい。なんで、政府は動かないの? むしろ、事の重大さ的には国連なのかな。
「芹沢くん。絶対、制服着ているところ、格好良いよね。私も、見たかったな……」
絶対。恰好良い。推しの詰襟。絶対。格好良い。
私の強い期待に満ち満ちた目を見て、芹沢くんはどう言うべきかと、若干言葉に迷ったようだった。
「弟の制服を、借りてみる……うん。水無瀬さんが、こういうのが嫌いじゃなかったら。俺も高校生じゃないし、コスプレになってしまうけど……そういうのに、抵抗なければ」
「え! 良いの? すごい。嬉しい。言ってみて良かった……芹沢くんの弟さんって、高校生なの?」
こんな美形の推しに似た遺伝子を持つ個体が、世界にもう一人存在するなんて……絶対に、見てみたい。そういう関係筋の人が見たら、ダブルで国宝指定案件だと思う。
「うん。あいつ高校は、ブレザーだけど。水無瀬さんがこうして着てくれるなら、一人だけじゃなくて。俺も同罪だから、恥ずかしくないし……うわ。最高」
芹沢くんは私のセーラー服の上着の裾から、さりげなく手を差し込み胸を下着の上から優しく揉んで、小さく色っぽく溜め息をついた。
「……芹沢くん、寝室行く?」
これまでの何度かは、お風呂上りに彼がさりげなくリードしてくれるので、私がこういう事を言ったりする事はなかった。芹沢くんはそれを聞いて、こくんと喉を慣らした。
「待って……せっかく、そうやって水無瀬さんから誘ってくれたし。俺が良く勉強中にする妄想を再現したい。良い?」
「妄想? どういう?」
「えっ……何? 変……?」
流石に現役でもなんでもない女子高生コスプレは、間近で見たら引かれたのかもしれない。何も言わない彼に不安になってしまった私に、芹沢くんは何度か頷いた。
「いや……これは、控えめに言って最高。水無瀬さんって、可愛い系の顔だからもう卒業してるはずなのに、違和感がない。このままで高校行っても、ちょっと大人っぽい子だなくらいで、学校内に入るの止められなくて通じるよ……可愛い。これ……俺が癖になったら、どうしてくれるの?」
背の高い芹沢くんは今は座っているので、私の胸辺りの高さに彼の顔が来るという絶好のポジションだった。
「もし、制服フェチになったら、ちゃんと責任取るよ。芹沢くんってどんな制服だったの?」
「俺の時は、詰襟の学生服だった。卒業したら要らないだろうと思って、もう制服は捨てたんだけど、こんなことになるなら、取って置いたら良かった。後々になってこんな後悔をするなんて、全く予想してなかった」
傍に居た私がより近付いて芹沢くんに抱きついたらその時はそうしようと思った訳でもないんだけど、彼の頬に胸が当たってとても嬉しそうな表情になった。
あまり表情を動かさない推しが、わかりやすくデレるという、貴重な一瞬を私は目を光らせ見逃さなかった。
出来たら毎秒、写真撮りたい。
イケメンのこうした可愛い顔は、絶対に女性は癒される。貴重な人類の財産でもあるんだし、後世の人々のためにも残したい。なんで、政府は動かないの? むしろ、事の重大さ的には国連なのかな。
「芹沢くん。絶対、制服着ているところ、格好良いよね。私も、見たかったな……」
絶対。恰好良い。推しの詰襟。絶対。格好良い。
私の強い期待に満ち満ちた目を見て、芹沢くんはどう言うべきかと、若干言葉に迷ったようだった。
「弟の制服を、借りてみる……うん。水無瀬さんが、こういうのが嫌いじゃなかったら。俺も高校生じゃないし、コスプレになってしまうけど……そういうのに、抵抗なければ」
「え! 良いの? すごい。嬉しい。言ってみて良かった……芹沢くんの弟さんって、高校生なの?」
こんな美形の推しに似た遺伝子を持つ個体が、世界にもう一人存在するなんて……絶対に、見てみたい。そういう関係筋の人が見たら、ダブルで国宝指定案件だと思う。
「うん。あいつ高校は、ブレザーだけど。水無瀬さんがこうして着てくれるなら、一人だけじゃなくて。俺も同罪だから、恥ずかしくないし……うわ。最高」
芹沢くんは私のセーラー服の上着の裾から、さりげなく手を差し込み胸を下着の上から優しく揉んで、小さく色っぽく溜め息をついた。
「……芹沢くん、寝室行く?」
これまでの何度かは、お風呂上りに彼がさりげなくリードしてくれるので、私がこういう事を言ったりする事はなかった。芹沢くんはそれを聞いて、こくんと喉を慣らした。
「待って……せっかく、そうやって水無瀬さんから誘ってくれたし。俺が良く勉強中にする妄想を再現したい。良い?」
「妄想? どういう?」
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