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「……水無瀬さん。水無瀬さん。また何か考えてるの?」

「芹沢くんのスーツとか……ご褒美過ぎる。もうダメ。推しの萌えが供給過多過ぎて、頭の回線ショートしちゃうから、もうダメ……あっ……違うの。ごめんなさい。また私、妄想してた。普通が良い……やっぱり、私いつもので良い。芹沢くん」

「……うん。スーツはそろそろ買おうと思ってたから、水無瀬さんの好みのやつ、一緒に買いに行こうね」

 だんだんと彼の好き過ぎる私のことをわかって来てくれた芹沢くんは、今言われて一番嬉しいことを言ってくれた。

「嬉しいぃぃ……無理。好きすぎて、無理」

「俺も。そろそろ我慢するの、無理になって来た。好きな子の裸を前にして、我慢するのは無理」

 芹沢くんは私を自分の身体で覆うように手を付くと、蜜口に長い指を這わせた。

 さっきのお互いの体液の混ざりあったものの残滓でぬるぬると滑り、いとも簡単に指は中へと入り込んだ。

「ふわっ……はっ……あっ……やっ……」

「ここ? ここかな……? わかりにくい」

 芹沢くんが中の様子を探るようにして、二本の指を動かすとお腹側にある位置に来た時に私の身体が勝手にビクンっと反応したのを見て、彼は唇を舐めた。

「っえ? 何っ……何?」

「見付けた。水無瀬さんの、良いところ」

 芹沢くんはそこを重点的に擦って責め立てるようにして、指を動かした。くちゅくちゅという可愛らしい水音だったのは、最初の数分だけだ。

 やがて聞くのも恥ずかしいくらいの大きな水音がして、ばちゃっとベッドの上に水が跳ねた。

 私はというと彼の手技に喘ぎ声も満足に出せないくらいに感じてしまって、もう既にこの時点で身体が動かせなくなってる。

「あっ……ごめっ……ごめんなさいっ……」

「え。やばい。潮吹いただけで、可愛い。いや、俺はもう水無瀬さんだったら、なんでも可愛く思えるようになってしまった。これは、もう病気だな……」

 一人ごちながら芹沢くんは、手早くゴムを付けた大きなもので、私を貫いた。ゆっくりとした律動に、揺らされて、私はただただ幸せだった。

「芹沢くん……好き」

 つい唇からぽろりと無意識に溢れて出て来た言葉も、本当にただそう思っただけで。彼もそのことがわかったからこそ、顔を赤くしたみたいだった。

「俺も……好きだよ。水無瀬さん。ずっと傍に居て。離れないでよ」

 ぎゅっと身体を抱きこまれて、芹沢くんの動きはより激しくなった。私はそれを感じているだけで嬉しくて、ただ幸せで。

 こうして、今だって一緒に居るというのに共にいることを求める声に必死さをも滲ませる彼が、本当に愛おしくて堪らなかった。
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