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16 憂鬱
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「ローレン。いい加減答えてくれないか。何故、そんなにも素っ気ない態度なんだ。君は俺と、いずれ結婚するんだ。そろそろ、もう少しだけでも心を開いてくれても良くないか?」
ギャレット様は優しく貴族らしく紳士的で、商人のイーサンのように擦れてしまっていることもない。意地悪も言わないし、性格も温厚だ。
けれど、たまにこういう……心にやましいところのある私にとって、とても面倒なことを言い出すことがある。
「……そうですよね。ギャレット様がこうして傍に居ることに、なかなか慣れなくて……結婚式までには、出来れば慣れたいのですが」
「まあ、もうそう遠い話でもないだろう。父に聞いてみようか。この国の決まりで婚約期間は一年は取ることになるが、そうすれば式の準備に移るだろう」
「ええ。そうですよね。私も楽しみにしています」
ギャレット様とは昼下がりのお茶を飲みながら、そんな会話を交わした。政務に多忙な彼はほんの少し話しただけで、急ぎだと呼ばれて去っていった。
ギャレット様の宮からの帰り道。私は王太子の婚約者でありながら、期間限定であるという自分の複雑な立場を早く終わらせてしまいたいと強く願ってしまった。
私とギャレット様は婚約者でありながら結婚をしないのだけど、それを彼には明かすことが出来ない。
けれど、ギャレット様は自分のことを口では好きだと言いつつ、やたらと距離を取りたがる私のことを逆に気になってしまっているようだ。
ベルセフォネ様たってのご希望が、完全に逆効果になってしまっている。けれど、私がそれを言っても彼女は怒るだけだろう。
王妃様よりこの話を引き受けた時、私が一年間だけ演技する程度で、この苦境が抜けられるならとふたつ返事で引き受けた。
こうして城の中で王太子妃となるための教育を受け、王族より必要なものは与えられるような日々を過ごしていると、メートランド侯爵家の窮状を見ずに済むせいかもしれない。
いつまでもギャレット様の疑問に二人の関係の核心に迫ることなく、上手いこと言って逃げ続けられる訳もない。
ギャレット様は優しく貴族らしく紳士的で、商人のイーサンのように擦れてしまっていることもない。意地悪も言わないし、性格も温厚だ。
けれど、たまにこういう……心にやましいところのある私にとって、とても面倒なことを言い出すことがある。
「……そうですよね。ギャレット様がこうして傍に居ることに、なかなか慣れなくて……結婚式までには、出来れば慣れたいのですが」
「まあ、もうそう遠い話でもないだろう。父に聞いてみようか。この国の決まりで婚約期間は一年は取ることになるが、そうすれば式の準備に移るだろう」
「ええ。そうですよね。私も楽しみにしています」
ギャレット様とは昼下がりのお茶を飲みながら、そんな会話を交わした。政務に多忙な彼はほんの少し話しただけで、急ぎだと呼ばれて去っていった。
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けれど、ギャレット様は自分のことを口では好きだと言いつつ、やたらと距離を取りたがる私のことを逆に気になってしまっているようだ。
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