分岐ルート(仮)

魂の暇つぶし

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人格を運ぶ

哀れな強者

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「死ぬよりも先に殺してやるさ。」
これは一人の少年が大事な人にかけた言葉である。
病弱なその子の弟は、もう先が無かった。
「苦しい、楽になりたい。」
ただのその言葉だけだった。
「そうか...」
少年は弟の言葉を優先した。
自分の力で痛みなく殺めたのだ。
「ありがとう、兄ちゃん。」
「俺は最低だ。」
少年に残されたものはなくなった。
弟の治療費はバイトで稼いでいた。
だが、もうそれも無意味、とは思わなかった。
「俺が殺したんだ。せめて、墓を建てるぐらいはしないと...」
それから金を稼ぐために働いた。
幸い、力や体力はあったので、沢山の仕事があった。
  
でも、
(お前が殺したんだ!)
その弟が言ったことのない言葉が、弟の声で脳内にあった。
「クソっ...」
そのせいで、限界があった。
「もう無理だ。」
こうなるのだったら、弟を殺したときに、俺も死ねばよかった。
そう思ってばかりいて、遂に限界まで達したときに、アイツは現れた。

「君の悩みはもしかしたら解決する。」
「なんだお前。」
みたものは一人の少女。
「君の願いを叶えてあげる。」
「からかっているのか?」
「いや、いたって真面目だよ?」
「そうかいそうかい」
少年は呆れた顔で言った。
「信じていないようだね。」
「当たり前だろ?」
「では、これならどうだ?」
パチン、と少女が指を鳴らす。
少年を操る催眠が襲った。




「あ?誰だテメェ?」
「博士とよんでくれ」
「その博士がなんのようだ?」
「いや、何か用があるわけではないのだが、君は今から何処へ行くんだね?」
「それを言ってどうなるんだ?」
「どうにもならん」
「なら、いらないだろ」
少年は走り去ってしまった。
「成功」  
認識を変え元の少女から博士になった者は、少年が催眠をする前、ただ抜けがらのように、目的もなく歩いていたのに対して、今は何か目的があって、行動していた。その目的が何かは、催眠を設定した者には、わかりきったことだ。
ならばもう、

「あの恩人ひとに会うまで、私は全力を尽くしてやる。」

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