6 / 13
6. 私のお爺ちゃんと親友の母
しおりを挟む
美雪の母、田中恵美子が通院の為に家を出ると、いつものようにタクシーが家の前に停まっていて、中には武田が座っている。
恵美子の姿を見ると、サッとタクシーから降りて、手招きをする。
「田中さんすみません、今日も西本が仕事で時間が取れないものですから、私が代わりに来させていただきました。」
西本というのは武田の部下で、恵美子と接触した時に車を運転していた人間である。
「いえ、武田さんもお仕事忙しいのに、わざわざ送り迎えの為に来てくださらなくても、私一人で通院出来ますから」
「あの日、西本が運転してたのも私のゴルフの送り迎えで通っただけで、本来彼は普段からあの道を使わない人間なんです。…ですから私も責任を感じてまして、田中さんの怪我が完治するまでは、出来るだけの事をさせて頂こうとおもっているのです。」
「そうですか、でもきっと今日包帯が取れますから、もう通院は終わりだと思いますよ…。」
そんな会話をしている内に、二人を乗せたタクシーは病院の前に既に到着していた。
タクシーを降りた二人は病院の中に入って行き、
「田中さん、いつものように会計の前のソファーでお待ちしてるので診察が終わったら声掛けて下さい。」
恵美子は、やれやれと思う反面、ここまで男性にしてもらった事が無い嬉しさから、診察室へ向かう廊下はニヤニヤ顔だった。
診察室の前のソファーに腰を降ろした恵美子は、こんな事を考えていた。
西本さんが車で来る時は、事務的に迎車と会計をして、ほとんど会話もないまま別れるのだが、武田さんは気遣いから所作まで全てに完璧で、身も心も治療されていると体が熱くなってしまうのだった。
そんな事を想像して顔が熱っていると名前が呼ばれて、診察室の中に入って行った。
思っていた通り、先生からは、前に撮った脳の検査、怪我をした部位のレントゲン等の説明を再び聞き、傷の具合も良好なので、傷薬を処方してもらい次回の診察予定は告げられ無かった。
診察室から出た恵美子は、今日で武田と会うのも終わりかと思うと、寂しい気持ちになって行った。
そして、武田の姿を見て恵美子はある決意をした。
「武田さん、今日で診察が終わりました。…」
武田は本当に嬉しそうに笑顔を作り
「そうですか、それは良かった。」
恵美子は精一杯の勇気を出して
「今までのお礼に、お食事をご馳走させて下さい。」
「ご馳走だなんて、私の方こそ全快の祝いに招待させて下さい。」
そんな、よくある問答を繰り返しながら、タクシーに乗込み恵美子の家まで送ってくれた。
「では、またご連絡しますので、娘さんと西本を入れて四人でお会いしましょう。」
そう言ってタクシーの窓から手を振り武田は去って行った。
恵美子の姿を見ると、サッとタクシーから降りて、手招きをする。
「田中さんすみません、今日も西本が仕事で時間が取れないものですから、私が代わりに来させていただきました。」
西本というのは武田の部下で、恵美子と接触した時に車を運転していた人間である。
「いえ、武田さんもお仕事忙しいのに、わざわざ送り迎えの為に来てくださらなくても、私一人で通院出来ますから」
「あの日、西本が運転してたのも私のゴルフの送り迎えで通っただけで、本来彼は普段からあの道を使わない人間なんです。…ですから私も責任を感じてまして、田中さんの怪我が完治するまでは、出来るだけの事をさせて頂こうとおもっているのです。」
「そうですか、でもきっと今日包帯が取れますから、もう通院は終わりだと思いますよ…。」
そんな会話をしている内に、二人を乗せたタクシーは病院の前に既に到着していた。
タクシーを降りた二人は病院の中に入って行き、
「田中さん、いつものように会計の前のソファーでお待ちしてるので診察が終わったら声掛けて下さい。」
恵美子は、やれやれと思う反面、ここまで男性にしてもらった事が無い嬉しさから、診察室へ向かう廊下はニヤニヤ顔だった。
診察室の前のソファーに腰を降ろした恵美子は、こんな事を考えていた。
西本さんが車で来る時は、事務的に迎車と会計をして、ほとんど会話もないまま別れるのだが、武田さんは気遣いから所作まで全てに完璧で、身も心も治療されていると体が熱くなってしまうのだった。
そんな事を想像して顔が熱っていると名前が呼ばれて、診察室の中に入って行った。
思っていた通り、先生からは、前に撮った脳の検査、怪我をした部位のレントゲン等の説明を再び聞き、傷の具合も良好なので、傷薬を処方してもらい次回の診察予定は告げられ無かった。
診察室から出た恵美子は、今日で武田と会うのも終わりかと思うと、寂しい気持ちになって行った。
そして、武田の姿を見て恵美子はある決意をした。
「武田さん、今日で診察が終わりました。…」
武田は本当に嬉しそうに笑顔を作り
「そうですか、それは良かった。」
恵美子は精一杯の勇気を出して
「今までのお礼に、お食事をご馳走させて下さい。」
「ご馳走だなんて、私の方こそ全快の祝いに招待させて下さい。」
そんな、よくある問答を繰り返しながら、タクシーに乗込み恵美子の家まで送ってくれた。
「では、またご連絡しますので、娘さんと西本を入れて四人でお会いしましょう。」
そう言ってタクシーの窓から手を振り武田は去って行った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる