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第一章 schola
algeo schola Ⅰ
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此処、煌聖学園はパブリックスクールであり寄宿舎付きと豪華な学園である。
宛ら、某魔法魔術学校。実際其れも兼ねているが…
なんと、攻略対象の一人。我が国の皇太子ユピテル・マースも通っているのだ
通常、こう云う上流階級が通う学校はプリ・プレップスクール、プレップ・スクール等
段階的に上がって入るのだが、この世界には魔法がある
つまりは、魔力が強力な奴は国が保護下に置きたいと云う都合で、どんな阿呆でも学費諸々免除で入れるのだ。
皇族や貴族の卵が通っているこの学園はセキュリティレベルも当然高い
ディアナ家は労働階級であるが、このユノ・ディアナ♀もその例に漏れず、強力な魔法が使えるのだ。魔法といっても、杖を媒介にしたモノではなく、弓矢を使用するんだが─
「そこの貴方!タイの色からして新入生ですね?」
突然と声を掛けられ顔を上げた。
「?!…は、はぃ…」
「もう時間無いから早く会場に行きなさい!遅刻ギリギリです!!」
生活態度で減点されますよと急かす様な声で、話し掛けて来たのは此の学園の教師らしい。
如何にもって感じな貫禄のある顔立ちの嫗だ
「か、かぃじょぅはどこでしょうかぁ…?」
やっべ、、会場とか知らんぞ!
「知らないのですか??」
設定資料集とかに、学園の地図とか載ってたか??あ、いや、載ってたとしてもどうでもいいから頭から抜け落ちてるのが山だわ
「はぃぃ…」
「早く付いて来なさい!」
女老師は痺れを切らした様に会場らしき方角へと小走りしていく。
どうやら案内してくれるらしい。後に続こう
「全く、入学早々遅刻など有り得ないですからね。何処の御令嬢かは知りませんが、しっかり時計を見て行動しないといけません。」
くどくどと説教を垂れながらローブの端を掴み小走りで先導してくれている。
「わ、ゎたしごれぃじょぅとかではなくてぇ。とけぃとかぁもってなぃですぅ…」
『時計』と言ったがこの世界では、貴族ではないとよっぽど手に入らない嗜好品に近い物だ。
懐中時計など、細やかな細工がある物程ビックリする程値が貼る。
こんな平民如きが買える代物では無い。とは言えども時計は無いと不便なので、ここの労働階級の人々は街中に聳え立つクソデケェ時計塔を見て生活を送る。
「なんですって?!」
先程までキリキリと小走りしていた足が止まり、くるりと此方へ振り返る。
「では、貴方は?」
「とくたぃせぃですぅ」
驚く理由も分かる。此処の学園は皇族貴族が通う学舎。
この世界の金持ちの子供は、七歳の誕生日に親から懐中時計を贈られる習わしだ
多分、この学園で懐中時計を持って無いのは俺だけだろう。
皺のある乾燥した手が拳を包むように握り締められ、険しい顔をして、俺の顔を覗き込むように視線を送る。
「特待生?!道理で。風格さと云う物が無いですね。時間管理なら、時計塔を見れば宜しいものを、貴方は懐中時計を持っていないと云う理由で遅刻が許されると思っているのですか?」
正す様に正論をぶつけられ少し胸に来た。
だってしょうが無いじゃなか、急に神の悪戯かでバーチャル異世界に連れて来られた此方の気持ちも汲んでくれよ!!
「はい、先生…。」
心の中での訴えとは裏腹に出た言葉は、か細い返事。若干の陰キャムーブ発動。
そんなこんなお叱りを受けてる中、学舎の鐘が鳴り響く
「其の様では、卒業も夢の又夢。しっかりなさい」
某ゲーム雑誌の特集で、見た記憶があるがこの学園は海外と同じく入学は簡単だが卒業は難しいと云う、行きはよいよい帰りは怖い。の仕組みらしい…
この世界の基礎学も知らん莫迦が到底卒業出来るとは思えん
「さっ、急ぎますよ」
ローブを傍目かせ、会場迄の道案内を再開してくれる。
校内を走り抜けて行く最中、口からは白い息が出る
今季は冬。この煌聖学園は十二月下旬から入学式が始まり十一月下旬に卒業式が行われるのだ。
カツカツと靴を鳴らしながら、もう直ぐ着くと思われる会場からはくぐもった協奏音が聴こえて来る。
外に生えている木々は枯れ葉を付け、裸同然の木と共にサワサワと音を立ていた
まるで、木々達が囁きあっているかの様に─
宛ら、某魔法魔術学校。実際其れも兼ねているが…
なんと、攻略対象の一人。我が国の皇太子ユピテル・マースも通っているのだ
通常、こう云う上流階級が通う学校はプリ・プレップスクール、プレップ・スクール等
段階的に上がって入るのだが、この世界には魔法がある
つまりは、魔力が強力な奴は国が保護下に置きたいと云う都合で、どんな阿呆でも学費諸々免除で入れるのだ。
皇族や貴族の卵が通っているこの学園はセキュリティレベルも当然高い
ディアナ家は労働階級であるが、このユノ・ディアナ♀もその例に漏れず、強力な魔法が使えるのだ。魔法といっても、杖を媒介にしたモノではなく、弓矢を使用するんだが─
「そこの貴方!タイの色からして新入生ですね?」
突然と声を掛けられ顔を上げた。
「?!…は、はぃ…」
「もう時間無いから早く会場に行きなさい!遅刻ギリギリです!!」
生活態度で減点されますよと急かす様な声で、話し掛けて来たのは此の学園の教師らしい。
如何にもって感じな貫禄のある顔立ちの嫗だ
「か、かぃじょぅはどこでしょうかぁ…?」
やっべ、、会場とか知らんぞ!
「知らないのですか??」
設定資料集とかに、学園の地図とか載ってたか??あ、いや、載ってたとしてもどうでもいいから頭から抜け落ちてるのが山だわ
「はぃぃ…」
「早く付いて来なさい!」
女老師は痺れを切らした様に会場らしき方角へと小走りしていく。
どうやら案内してくれるらしい。後に続こう
「全く、入学早々遅刻など有り得ないですからね。何処の御令嬢かは知りませんが、しっかり時計を見て行動しないといけません。」
くどくどと説教を垂れながらローブの端を掴み小走りで先導してくれている。
「わ、ゎたしごれぃじょぅとかではなくてぇ。とけぃとかぁもってなぃですぅ…」
『時計』と言ったがこの世界では、貴族ではないとよっぽど手に入らない嗜好品に近い物だ。
懐中時計など、細やかな細工がある物程ビックリする程値が貼る。
こんな平民如きが買える代物では無い。とは言えども時計は無いと不便なので、ここの労働階級の人々は街中に聳え立つクソデケェ時計塔を見て生活を送る。
「なんですって?!」
先程までキリキリと小走りしていた足が止まり、くるりと此方へ振り返る。
「では、貴方は?」
「とくたぃせぃですぅ」
驚く理由も分かる。此処の学園は皇族貴族が通う学舎。
この世界の金持ちの子供は、七歳の誕生日に親から懐中時計を贈られる習わしだ
多分、この学園で懐中時計を持って無いのは俺だけだろう。
皺のある乾燥した手が拳を包むように握り締められ、険しい顔をして、俺の顔を覗き込むように視線を送る。
「特待生?!道理で。風格さと云う物が無いですね。時間管理なら、時計塔を見れば宜しいものを、貴方は懐中時計を持っていないと云う理由で遅刻が許されると思っているのですか?」
正す様に正論をぶつけられ少し胸に来た。
だってしょうが無いじゃなか、急に神の悪戯かでバーチャル異世界に連れて来られた此方の気持ちも汲んでくれよ!!
「はい、先生…。」
心の中での訴えとは裏腹に出た言葉は、か細い返事。若干の陰キャムーブ発動。
そんなこんなお叱りを受けてる中、学舎の鐘が鳴り響く
「其の様では、卒業も夢の又夢。しっかりなさい」
某ゲーム雑誌の特集で、見た記憶があるがこの学園は海外と同じく入学は簡単だが卒業は難しいと云う、行きはよいよい帰りは怖い。の仕組みらしい…
この世界の基礎学も知らん莫迦が到底卒業出来るとは思えん
「さっ、急ぎますよ」
ローブを傍目かせ、会場迄の道案内を再開してくれる。
校内を走り抜けて行く最中、口からは白い息が出る
今季は冬。この煌聖学園は十二月下旬から入学式が始まり十一月下旬に卒業式が行われるのだ。
カツカツと靴を鳴らしながら、もう直ぐ着くと思われる会場からはくぐもった協奏音が聴こえて来る。
外に生えている木々は枯れ葉を付け、裸同然の木と共にサワサワと音を立ていた
まるで、木々達が囁きあっているかの様に─
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