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6話目 気持ちの悪い緑の液体

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「お~、ここがポプパぺの丘かぁ~、ずいぶんきれいなところだなぁ。」

美しい花々と、青い空、そしてきれいな空気にさわやかな風。

「サイコーじゃないか!」

ユウヒは過去一の癒しを感じていた。

「で、なんだっけ?パぺプテ草?確かピンク色のちょっと大きめの花だって聞いたんだけど......、どこだ?」

なだらかな丘を歩きながらパぺプテ草を探す。

例の草はすぐ見つかった。

しかしどうも様子がおかしい。

パぺプテ草の周りにはほかの草が生えていないのだ。

「なんでだ?まあいいか。早速取ろう。」

そういってパぺプテ草に近づいて、引っこ抜こうとすると。

「うぇ!?な、ナニコレ!?!?」

地面から太いツタのようなものが出てきて右腕に巻き付く。

左手でメアリーさんにもらった武器を引き抜いてそのツタを切る。

「なんだ??」

ゴゴゴゴゴゴゴ!

「って、ちょ、は、花が!!」

花が地面から少しづつ出てきて、全貌が露になった。

昨日戦った熊なんか火にならないほどの大きさ。

先ほど地上に見えていたちっちゃな花は頭の上のほうにちょこんと載っていた。

「って!モンスター!?メアリーさん!?そういう事か!!!ちょっと、先に言ってほしかった!って、ぎゃああああああああああ!」

するとモンスターは緑色のねばねばした液体を飛ばしてきた。

「ぐうぇえ、き、気持ち悪い!なにこれ!!い、痛い!痛い痛い!!ちょ、ちょっと!」

その液体が付いた部分は猛烈な痛みを発していた。

すぐにその液体を持ってきていた飲み水で流し、

「つ、使いたくなかったけど...しょうがない。」

町を歩いている冒険者に聞いたのだが、どうやらスライムというのはこのゲームにおいてレアなモンスターだそうだ。

そのスライムが落とす『スライムの粘液』は傷に塗るとたちまち傷がいえるという超便利アイテムらしい。

ユウヒはアイテムボックスからスライムの粘液を取り出して

「うぅ...ねちょねちょしてるよお......。でも、しょうがない。」

しっかりと塗り込んだ。

確かに傷は癒えていったし、痛みも引いていたが、何か別に大切なものを失った気がする。

「くっそ!てめえ!よくも変なのかけやがったな!」

怒りMAXなユウヒは両手で双剣を引き抜き、逆手に構える。

それを見て、パぺプテ草は根っこのような腕のようなものを振り上げた。

それをしっかりとかわし、

「超加速!」

スキル『超加速』を使って一気に詰める。

「跳躍!」

『跳躍』を使って顔付近まで飛び上がって逆手に握った双剣で一発、二発と攻撃を加える。

パぺプテ草を強く蹴り、一度後ろへ引く。

「ちょっとでかいな。なんか急所みたいなのないの?」

すると、ユウヒはキラリと光るものを発見した。

「んん?、あの根元についてるのは何だ?」

パぺプテ草の根本のほうを見ると小さく宝石のようなものが輝いていた。

「もしかして、素材ってあれか?核みたいなものなのかな。」

(もしあれが核なのだとしたらあれを壊せば倒せるはず。)

そう思い、

「投げナイフ!」

ナイフを核のようなものに向かって投げる。

するとそれを見たパぺプテ草は明らかにツタで核のようなものを守りだした。

「やっぱりあれが核だ!あの核を壊せば!よし!そうと決まれば!」

ユウヒは再び『超加速』を使って一気に間合いを詰める。

その間、ツタで攻撃をしてくるが、そのツタをスキルを駆使してうまく避けていく。

すると一瞬隙があき、核が剥き出しになった。

そのタイミングを狙って、まずは右に構えていた剣をスキルを使って投げる。

するとその剣は見事に核へ刺さった。

だがそれだけでは核が砕けることはない。

続いて左に構えていた剣もスキルを使って投げるのだが、その時にすでに刺さっていた剣に向かって投げる。

既に刺さってる剣を深く差し込むためだ。

見事に命中し、核には大きな亀裂が入った。

しかし、まだ壊れるまではいかない。

パぺプテ草は大きく暴れだし、最初にユウヒにかけた液体を一発、二発、三発と連続してかけてくる。

「っ!?これはまずい。」

一発目は楽によけれたが、二発、三発目はギリギリでの回避になってしまった。

一度ユウヒは地面を強く蹴って後ろの方へ戻る。

「ちっ、あとちょっとでやれそうなのに!」

しばらく攻撃に出るタイミングを伺っていると、突如パぺプテ草の上についていた小さな花が急に大きく膨らみだした。

「今度は何??」

するとパンパン膨らんだ花は爆発し、その中から緑色の液体が大量に出てきた。

「うげ、うそだ......。ちょっと、屋根があるところに!」

『超加速』を発動し、近くにあったくぼみに身を隠す。

まき散らされた液体は付近の花々を溶かし、美しい花々の咲いていたこの丘は一瞬で荒れ地と化してしまった。

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