60 / 193
59話目 兄ちゃん
しおりを挟む
今日は兄とゲームをすることにした。
兄とはあまり遊べていなかったのでいい機会だろう。
「うわぁ、本物だったんだ。」
「何よ。本物って。」
「初めまして!メアリーです。」
「あ、初めまして、いつも妹がお世話になっております。」
辺りの目を気にせずペコペコお辞儀をする2人を見てなんだか恥ずかしくなってきてしまった。
「ちょっと!こんな広場でやらないでよ!!」
町の中心、人が集まっている広場でやっているせいで「ユウヒ様、兄と一緒にゲームするなんて可愛い!!」という声が至る所から上がっている。
そしてネット掲示板やSNSでも兄がいることに対して、「兄!場所変われ!!」などと騒がれたのだが、そのことはまだ知らない3人である。
「今日は2人で行くのよね?」
「うん、そうするつもり。」
「じゃあ私はお店にいるから。何かあったら呼んでね~!」
そういってメアリーは自身の店へ向かっていった。
「兄ちゃんレベルいくつ?」
「俺?俺は今23だよ。ユウヒは?」
「私?96だよ。」
「96!?そろそろ100行くじゃん!!」
「そうだね。でもメアリーはもう100行ってるんだよ。すごいよね~。」
「はぁ、どっちもすごい。」
とりあえず私たちはフィールドへ向かうことにした。
私は相当な知名度で、フィールドにいると思いっきり声を掛けられる。
そのためにマントをかぶっているのだが、一部の人にはそのマントもばれているので町の近くや人が多いところで狩りをすることができない。
ゲームをプレイするプレイヤーの数は相当多くなってきている。
ばれないようによくわからない場所でレベル上げするのだ。
「ユウヒも大変なんだね。有名税ってやつかな。」
「そうだね~。最近街を歩いてると決闘してくれとか声かけられることもあるんだけど、正直めんどくさい。」
そう雑談しているうちに、あっという間に目的地に到着した。
「なにこれアルマジロ?」
そうだ。
この前もメアリーときたあそこである。
ここはほんとに不人気だからマジで人がいないんだよね。
しかも最近アップデートでアルマジロ少し経験値落とす量多くなったからありがたい。
「じゃあ早速狩りをしようか。兄ちゃんは武器何?」
「ちょっと恥ずかしいんだけど……、俺ユウヒを見て始めたから、双剣なんだ。」
「ぶっッ!!アハハッ!!!そっかそっか!そうだよね~!私にあこがれたんだもんね??」
「うるせえ!!」
「じゃあ兄ちゃんの腕を見せてもらおうか。」
「うん。なんか緊張するけど……。」
そういって兄ちゃんはアルマジロと戦い始めたのだが……。
「ちょっと!!戦い方がなってないよ!!腕はこうだから!!」
なかなかひどかったのである。
確かに戦い方は人それぞれで、自由だと思う。
しかし、いくらなんでもひどかった。
そのために今日は兄ちゃんへのコーチングとなった。
まず兄ちゃんは瞬発力が弱かった。
双剣は接近戦になるからできるだけ攻撃を見て、素早く動かないといけないのに、ちんたらちんたら動いている。
見ていてむずむずするんだよね。
「私逆手に持ってるんだけど、多分兄ちゃんは逆手よりも普通に片手剣持つ感じのほうがいいかもね。」
逆手で持つときは指先の繊細な動きや判断力が重要視される。
慣れている人がやると1発1発の攻撃力が高くなるのだが、慣れていないとまず傷すらつけられないこともある。
兄ちゃんは慣れていないので普通に持たせることにした。
最近私の影響か知らないけど兄ちゃんみたいに双剣使っている人が多くなっている。
みんな逆手で持とうとするから全体的に双剣使いは弱いといった風潮が広まってしまっていたりする。
双剣使いとしてそれは許せない。
うまい人をまねるのも大事だけど、自分に合った戦い方を見つけることのほうがもっと大事だと思う。
3時間ほどのコーチングを行って兄との初めてのゲームは終わった。
「まあ、あれだ。とにかくお前が楽しそうで良かったよ。」
兄とはあまり遊べていなかったのでいい機会だろう。
「うわぁ、本物だったんだ。」
「何よ。本物って。」
「初めまして!メアリーです。」
「あ、初めまして、いつも妹がお世話になっております。」
辺りの目を気にせずペコペコお辞儀をする2人を見てなんだか恥ずかしくなってきてしまった。
「ちょっと!こんな広場でやらないでよ!!」
町の中心、人が集まっている広場でやっているせいで「ユウヒ様、兄と一緒にゲームするなんて可愛い!!」という声が至る所から上がっている。
そしてネット掲示板やSNSでも兄がいることに対して、「兄!場所変われ!!」などと騒がれたのだが、そのことはまだ知らない3人である。
「今日は2人で行くのよね?」
「うん、そうするつもり。」
「じゃあ私はお店にいるから。何かあったら呼んでね~!」
そういってメアリーは自身の店へ向かっていった。
「兄ちゃんレベルいくつ?」
「俺?俺は今23だよ。ユウヒは?」
「私?96だよ。」
「96!?そろそろ100行くじゃん!!」
「そうだね。でもメアリーはもう100行ってるんだよ。すごいよね~。」
「はぁ、どっちもすごい。」
とりあえず私たちはフィールドへ向かうことにした。
私は相当な知名度で、フィールドにいると思いっきり声を掛けられる。
そのためにマントをかぶっているのだが、一部の人にはそのマントもばれているので町の近くや人が多いところで狩りをすることができない。
ゲームをプレイするプレイヤーの数は相当多くなってきている。
ばれないようによくわからない場所でレベル上げするのだ。
「ユウヒも大変なんだね。有名税ってやつかな。」
「そうだね~。最近街を歩いてると決闘してくれとか声かけられることもあるんだけど、正直めんどくさい。」
そう雑談しているうちに、あっという間に目的地に到着した。
「なにこれアルマジロ?」
そうだ。
この前もメアリーときたあそこである。
ここはほんとに不人気だからマジで人がいないんだよね。
しかも最近アップデートでアルマジロ少し経験値落とす量多くなったからありがたい。
「じゃあ早速狩りをしようか。兄ちゃんは武器何?」
「ちょっと恥ずかしいんだけど……、俺ユウヒを見て始めたから、双剣なんだ。」
「ぶっッ!!アハハッ!!!そっかそっか!そうだよね~!私にあこがれたんだもんね??」
「うるせえ!!」
「じゃあ兄ちゃんの腕を見せてもらおうか。」
「うん。なんか緊張するけど……。」
そういって兄ちゃんはアルマジロと戦い始めたのだが……。
「ちょっと!!戦い方がなってないよ!!腕はこうだから!!」
なかなかひどかったのである。
確かに戦い方は人それぞれで、自由だと思う。
しかし、いくらなんでもひどかった。
そのために今日は兄ちゃんへのコーチングとなった。
まず兄ちゃんは瞬発力が弱かった。
双剣は接近戦になるからできるだけ攻撃を見て、素早く動かないといけないのに、ちんたらちんたら動いている。
見ていてむずむずするんだよね。
「私逆手に持ってるんだけど、多分兄ちゃんは逆手よりも普通に片手剣持つ感じのほうがいいかもね。」
逆手で持つときは指先の繊細な動きや判断力が重要視される。
慣れている人がやると1発1発の攻撃力が高くなるのだが、慣れていないとまず傷すらつけられないこともある。
兄ちゃんは慣れていないので普通に持たせることにした。
最近私の影響か知らないけど兄ちゃんみたいに双剣使っている人が多くなっている。
みんな逆手で持とうとするから全体的に双剣使いは弱いといった風潮が広まってしまっていたりする。
双剣使いとしてそれは許せない。
うまい人をまねるのも大事だけど、自分に合った戦い方を見つけることのほうがもっと大事だと思う。
3時間ほどのコーチングを行って兄との初めてのゲームは終わった。
「まあ、あれだ。とにかくお前が楽しそうで良かったよ。」
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
528
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる