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144話目
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2つのパーティーに分かれているが、それは両方が敵である私たちにとっては意味はない。
確かに端から見れば4対4対2の戦いだが、私たち2人からすれば8対2と変わらない。
しかも、8人全員がこちらを襲ってくるというわけではなく、敵同士で勝手にやり合う可能性もあるわけだ。
余計にたちが悪い。
どのように動くのが最適か、常に頭の中で考える必要があるからだ。
この場合、2人でうまく連携していくということが最も大事になってくる。
1対8をするのか、2対8をするのか。
集中砲火を食らわず、相手の注意を2つに分割することが可能なのは強みだ。
それに、今回は私も音符猫も大きく動きながら接近戦で戦うことができる。
戦場を一気に駆け抜けていく。
互いの思惑がひしめくこの混戦の場で、どのようにのびのびと自身のやりたいことを行うことができるのか。
「気合い入れていこう。相手のペースには乗らないように。」
「わかってる。」
1人1人着実に倒していきたい。
まずは先ほど私たちのいる倒木に向けて攻撃を放ってきた輩から倒していきたい。
魔法を使っていたということはCentresではない。
ひとまずは別のパーティーの魔法使いを攻めることとする。
こちらの存在に気付いてすぐさま攻撃をよこせるプレイヤーが全体を指揮しているのならば、それは私たちにとって非常に動きにくい状況になる。
全体を幅広く見て、それで仲間たちに指示を出す。
そういうことが得意なプレイヤーがパーティーに1人いるだけでチームプレイのやりやすさは一段と上昇する。
杖を一切使わずに魔法を放っているプレイヤーを見つけた。
先ほど私たちに向けて飛ばしてきた火魔法をCentresの人たちに向けて放っている。
どうやら私たちが接近してきていることには気が付いているようで、すぐさまこちらにも攻撃を仕掛けてきた。
先ほど放ったものと同じ火魔法だ。
火魔法がこちらに放たれるのを見て、敵の視線はこちらへと集まってきている。
全員に私たちの存在はバレているだろう。
跳んできた火球を素早く引き抜いた短剣で切り、消滅させる。
音符猫は道を開けろと言わんばかりに付近の敵に向かって得意な火魔法を打っている。
草原にも草は生えているが、先ほどまでいた森に比べれば引火する可能性は低い。
ようやく最も得意な魔法が使えて楽しそうである。
音符猫の魔法のダメージは非常に高い。
私は魔法使いじゃないから理由に関して詳しく言えないのだが、おそらくイメージがちゃんとしているのだろう。
魔法はイメージ、それは様々なところで言われていることだ。
彼女はしっかりとそれを理解してはなっているのだろう。
音をも置き去りにする速さで放たれる通常の4分の1にも満たない大きさの小さな火球は、敵に当たると爆発するように一気に燃え上がる。
通常の火球に比べて小さいため、速さを上げられ、加えて的が小さくなるために剣で切るということがやりにくい。
一見ただ小さくしているだけに見えるこの攻撃も、やり手がほとんどいないという点からわかるように、非常に難易度の高い技らしい。
細かな魔力のコントロールと、細部までしっかりとしているイメージ、そして己の技量。
すべてが最高峰な音符猫だからこそできる技である。
先ほどからこちらへと魔法を放っている少年、杖を持っていないのだから威力が弱まるはずなのに、杖を使っているほかのプレイヤーと変わらない威力で飛ばしてくる。
じっと観察してみると、彼が魔法を発動するときに左手の人差し指が光っているのを見つけた。
よく見るとそこには魔力結晶の埋め込まれた指輪が付いており、どうやらあれを使って魔法の威力を増強しているようであった。
杖じゃなくてもいいんだ、と思ったのだが、指輪だと使える魔力結晶の大きさに限りがあるため、制限があるのだろうなとも思った。
音符猫が開いた相手の魔法使いへと続く一直線の道を、全速力で駆け抜ける。
確かに端から見れば4対4対2の戦いだが、私たち2人からすれば8対2と変わらない。
しかも、8人全員がこちらを襲ってくるというわけではなく、敵同士で勝手にやり合う可能性もあるわけだ。
余計にたちが悪い。
どのように動くのが最適か、常に頭の中で考える必要があるからだ。
この場合、2人でうまく連携していくということが最も大事になってくる。
1対8をするのか、2対8をするのか。
集中砲火を食らわず、相手の注意を2つに分割することが可能なのは強みだ。
それに、今回は私も音符猫も大きく動きながら接近戦で戦うことができる。
戦場を一気に駆け抜けていく。
互いの思惑がひしめくこの混戦の場で、どのようにのびのびと自身のやりたいことを行うことができるのか。
「気合い入れていこう。相手のペースには乗らないように。」
「わかってる。」
1人1人着実に倒していきたい。
まずは先ほど私たちのいる倒木に向けて攻撃を放ってきた輩から倒していきたい。
魔法を使っていたということはCentresではない。
ひとまずは別のパーティーの魔法使いを攻めることとする。
こちらの存在に気付いてすぐさま攻撃をよこせるプレイヤーが全体を指揮しているのならば、それは私たちにとって非常に動きにくい状況になる。
全体を幅広く見て、それで仲間たちに指示を出す。
そういうことが得意なプレイヤーがパーティーに1人いるだけでチームプレイのやりやすさは一段と上昇する。
杖を一切使わずに魔法を放っているプレイヤーを見つけた。
先ほど私たちに向けて飛ばしてきた火魔法をCentresの人たちに向けて放っている。
どうやら私たちが接近してきていることには気が付いているようで、すぐさまこちらにも攻撃を仕掛けてきた。
先ほど放ったものと同じ火魔法だ。
火魔法がこちらに放たれるのを見て、敵の視線はこちらへと集まってきている。
全員に私たちの存在はバレているだろう。
跳んできた火球を素早く引き抜いた短剣で切り、消滅させる。
音符猫は道を開けろと言わんばかりに付近の敵に向かって得意な火魔法を打っている。
草原にも草は生えているが、先ほどまでいた森に比べれば引火する可能性は低い。
ようやく最も得意な魔法が使えて楽しそうである。
音符猫の魔法のダメージは非常に高い。
私は魔法使いじゃないから理由に関して詳しく言えないのだが、おそらくイメージがちゃんとしているのだろう。
魔法はイメージ、それは様々なところで言われていることだ。
彼女はしっかりとそれを理解してはなっているのだろう。
音をも置き去りにする速さで放たれる通常の4分の1にも満たない大きさの小さな火球は、敵に当たると爆発するように一気に燃え上がる。
通常の火球に比べて小さいため、速さを上げられ、加えて的が小さくなるために剣で切るということがやりにくい。
一見ただ小さくしているだけに見えるこの攻撃も、やり手がほとんどいないという点からわかるように、非常に難易度の高い技らしい。
細かな魔力のコントロールと、細部までしっかりとしているイメージ、そして己の技量。
すべてが最高峰な音符猫だからこそできる技である。
先ほどからこちらへと魔法を放っている少年、杖を持っていないのだから威力が弱まるはずなのに、杖を使っているほかのプレイヤーと変わらない威力で飛ばしてくる。
じっと観察してみると、彼が魔法を発動するときに左手の人差し指が光っているのを見つけた。
よく見るとそこには魔力結晶の埋め込まれた指輪が付いており、どうやらあれを使って魔法の威力を増強しているようであった。
杖じゃなくてもいいんだ、と思ったのだが、指輪だと使える魔力結晶の大きさに限りがあるため、制限があるのだろうなとも思った。
音符猫が開いた相手の魔法使いへと続く一直線の道を、全速力で駆け抜ける。
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