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(ほんとによかったの?)
「いいさ。私の国で好き勝手やっている奴を許すことはできない。」
(ならいいけど。)
今まで使ったことない量の魔力を出しながら、フルスピードで私はケルスレイド帝国帝都まで飛んで行っている。
空気を切り裂きながら音を置き去りにし、ものすごい速度で流れていく自国の景色を眺めていた。
のどかな風景の中にぽつぽつと点在する町や村は、いつも通りに動いているように見えた。
「見えた!あれが国境だ!!」
1時間半ほど進むと、ニシゾノ王国とケルスレイド帝国の国境が見えてきた。
(ここまでワープしてくればよかったんじゃ……)
「あ……。」
焦りすぎたか。
1時間半も時間を無駄にしてしまった。
ただ、国境付近に来てもいまだに戦っている兵たちの姿が見えない。
ほんとに我が国は戦争中なのだろうか。もしかして貿易戦争とかそういう感じだった?
まあここで止まっても意味はないので、ここからさらにケルスレイド帝国帝都まで飛ばしていく。
只今、ケルスレイド帝国の上空を飛んでいます。
ケルスレイド帝国という国は王朝の移り変わりが非常に激しい国だ。
この大陸で1,2位を争う広大な国土を持つこの国は、古くから争いが絶えないような国らしい。
現在のケルスレイド帝国の形ができたのがおよそ120年前で、それ以前も様々な国がこの広大な領土を支配していたらしい。
実際に見たわけではないのでわからないのだが。
そのせいか、辺りとは全く違う独特な文化を持つこの国の村々の建築は、やはり我が国とはだいぶ異なっていた。
ニシゾノ王国やヘリティア王国など、辺りの国は現代でいうところのヨーロッパ風の建築が多いのだが、帝国の場合は中華風の建築がメインとなっている。
ただ、先ほども説明したとおりに王朝の移り変わりが激しく、その都度国の運営の方向性が変わっていくため、場所によって様々な建築を見ることができる。
実際、国境付近の村や町はヨーロッパ風の建築が多く並んでいた。
そんなこんなで国境から2時間半ほど飛んだ頃、ようやく帝都が見えてきた。
「ずいぶん栄えてるね。」
ニシゾノ王国の王都であるフェッペルゲンの2倍ほどの大きさの帝都チェンメンは、やはりこれまた中華系の建築であった。
道を跨ぐようにしてつながっている大きな建築や、豪華な装飾の施された建物は、遠くから見ていてもその素晴らしさが伝わってくる。
ただ、帝都に到着したのにもかかわらず、まだ1度も戦闘中の兵士を見ていない。
―――と思っていたら!
「いたぁぁあッ!」
帝都の大きな門の付近で溜まっている我が国の騎士団の姿がそこにはあった。
ここまで一度も戦闘中の兵士を見かけなかった理由、それはすでに帝都まで軍が進んでいたからであった。
2人が戦争中だというのにもかかわらず慌ただしく動いていなかった理由は、時折悪だくみをしているような表情を見せていた理由は、そろそろ戦争が我が国の勝ちという形で終結するからであったのだ。
「うそ、でしょ……。」
ここまで飛んできた意味は……。
と心の中で強く思ったのだが、それを体の奥底へと押し鎮めるように深く深呼吸をし、私は門から少し離れたところに建ててあった騎士団の拠点へと降りていった。
「いいさ。私の国で好き勝手やっている奴を許すことはできない。」
(ならいいけど。)
今まで使ったことない量の魔力を出しながら、フルスピードで私はケルスレイド帝国帝都まで飛んで行っている。
空気を切り裂きながら音を置き去りにし、ものすごい速度で流れていく自国の景色を眺めていた。
のどかな風景の中にぽつぽつと点在する町や村は、いつも通りに動いているように見えた。
「見えた!あれが国境だ!!」
1時間半ほど進むと、ニシゾノ王国とケルスレイド帝国の国境が見えてきた。
(ここまでワープしてくればよかったんじゃ……)
「あ……。」
焦りすぎたか。
1時間半も時間を無駄にしてしまった。
ただ、国境付近に来てもいまだに戦っている兵たちの姿が見えない。
ほんとに我が国は戦争中なのだろうか。もしかして貿易戦争とかそういう感じだった?
まあここで止まっても意味はないので、ここからさらにケルスレイド帝国帝都まで飛ばしていく。
只今、ケルスレイド帝国の上空を飛んでいます。
ケルスレイド帝国という国は王朝の移り変わりが非常に激しい国だ。
この大陸で1,2位を争う広大な国土を持つこの国は、古くから争いが絶えないような国らしい。
現在のケルスレイド帝国の形ができたのがおよそ120年前で、それ以前も様々な国がこの広大な領土を支配していたらしい。
実際に見たわけではないのでわからないのだが。
そのせいか、辺りとは全く違う独特な文化を持つこの国の村々の建築は、やはり我が国とはだいぶ異なっていた。
ニシゾノ王国やヘリティア王国など、辺りの国は現代でいうところのヨーロッパ風の建築が多いのだが、帝国の場合は中華風の建築がメインとなっている。
ただ、先ほども説明したとおりに王朝の移り変わりが激しく、その都度国の運営の方向性が変わっていくため、場所によって様々な建築を見ることができる。
実際、国境付近の村や町はヨーロッパ風の建築が多く並んでいた。
そんなこんなで国境から2時間半ほど飛んだ頃、ようやく帝都が見えてきた。
「ずいぶん栄えてるね。」
ニシゾノ王国の王都であるフェッペルゲンの2倍ほどの大きさの帝都チェンメンは、やはりこれまた中華系の建築であった。
道を跨ぐようにしてつながっている大きな建築や、豪華な装飾の施された建物は、遠くから見ていてもその素晴らしさが伝わってくる。
ただ、帝都に到着したのにもかかわらず、まだ1度も戦闘中の兵士を見ていない。
―――と思っていたら!
「いたぁぁあッ!」
帝都の大きな門の付近で溜まっている我が国の騎士団の姿がそこにはあった。
ここまで一度も戦闘中の兵士を見かけなかった理由、それはすでに帝都まで軍が進んでいたからであった。
2人が戦争中だというのにもかかわらず慌ただしく動いていなかった理由は、時折悪だくみをしているような表情を見せていた理由は、そろそろ戦争が我が国の勝ちという形で終結するからであったのだ。
「うそ、でしょ……。」
ここまで飛んできた意味は……。
と心の中で強く思ったのだが、それを体の奥底へと押し鎮めるように深く深呼吸をし、私は門から少し離れたところに建ててあった騎士団の拠点へと降りていった。
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