12 / 16
第二章 年下冒険者は俺の痛みを受け止める
12 モンスターに舐められる
しおりを挟む
「遅い時間ですし、もう少し横になっていてください」
無言で言われたように大人しくまた毛布の上に横になる。一人で。
焚火の熱を顔に感じながら毛布の下で甘噛みされた場所を強く握る。
疲れは確かに感じている。なのに寝られずに内側からじわじわと広がってくる熱が行き場もなく、腹の奥で溜まってくる。
まだ時々視線を向ける彼を見ないように再び目を閉じて毛布を引き寄せる。
暫くするとリースが道具を片付け始める。そっと俺の横で暫く立って見下ろし、焚火の反対側にある彼の寝床で横になるのが聞こえる。
そしてすぐに規則正しい寝息が聞こえてくる。
そっと目を開けて彼の顔を見る。
伏せられた睫毛が時々震える。夢を見ているのだろうか、瞼の下で目が動いている。彼の凛々しい唇が焚火の明かりに照らされている。
――――体が……きつい
自由になればこの感覚は自然となくなるかと思っていた。だが触れ慣れている体にこの誰にも触れられない状態は拷問に等しい。
毛布の下で軽く股間に触れるとやはり硬く立ち上がっている。
俺は寝ている彼の顔を見ながらそれを引っ張り出し、静かに手を上下に動かす。
前立腺や奥を刺激されない自慰ではなかなか射精したくとも射精出来ない。もどかしい熱に唸りそうになる。
リースが少し寝る体勢を変える。仰向けになり、唇が僅かに開く。
俺は明らかに彼に欲情している。だけど彼が好きだから欲情しているのか、単に性欲が溜まっているのか、それとも少し結婚生活で乏しくなった感情が回復している兆しで興奮しているのかは分からない。
リースの股間辺りに視線を向ける。毛布に包まれているそこはどうなっているか気になる。彼の力強い腕に抱きかかえられ、奥まで突かれてみたい。
犯されたい。
「……っ」
熱く濃い精液を掌に受け止める。
――――……やっちゃった……。これ、どうしよう……
俺は彼を起こさないようにそっと起き上がって手の汚れを流しに行った。
◇◇
朝は早かった。
あの後も中々寝付けずに一晩中姿勢を変えながら寝ようとした。
まだ仄かに暗い中、小さくなった焚火の向こう側を見る。リースはまだ気持ち良さそうに寝ている。
その時、背後でもぞもぞとした動きを感じる。風が植物を揺らしているのかと思い顔を向けると、大きな鼻が俺の頬に押し付けられる。
「……あ」
すぐにぺろぺろと舐められて目を閉じる。
「ん……レン……さぁん⁉︎」
リースが半分悲鳴に近い叫び声を上げる。
それもそうだろう。子牛のサイズの蟻が真っ黒な鼻先を俺の顔に押し付けている。昆虫にはない長細い舌を器用に伸ばして俺の顔を舐め回す。
「モンスターかな? ちょっと知らないタイプだ」
「なんでそんなに冷静なんでかか⁉︎」
――――なんか噛むリースって可愛いなぁ
俺はゆっくりと上半身を起こしてその蟻のようなモンスターを見る。一匹だと思っていたのだが背後に三匹いる。
リースが剣に手を伸ばすのを見て彼の方に掌を広げて伸ばす。
「待って。敵意は感じられないよ」
「何言っているんですか! 今、舐められていましたよ⁉︎ べろんべろと!」
「人間の味が美味しいのかもね」
「思いっきり食べられる前提じゃないですか! 恐ろしい事言わないでくださいっ」
リースは青褪めている。俺が立ち上がるとすぐに腕を引っ張られて蟻達から離される。俺が蟻に近付かないように震える腕で押さえている。
「リースは虫苦手?」
「四より四肢が多いのは無理です!」
物凄く力強く宣言される。
俺は少し笑いながらリースの押さえるというよりもしがみ付く腕を退かし、蟻達の方へと近付き、しゃがむ。手を伸ばすと蟻はその手に頭を擦り付けて嬉しそうにする。
「懐かれたみたい。でも何故だろう。今までモンスターに懐かれるような体質ではなかったけど」
蟻達は俺の手を舐めてから離れていく。
リースは俺の横に来て歩く彼等を見送っている。
無言で言われたように大人しくまた毛布の上に横になる。一人で。
焚火の熱を顔に感じながら毛布の下で甘噛みされた場所を強く握る。
疲れは確かに感じている。なのに寝られずに内側からじわじわと広がってくる熱が行き場もなく、腹の奥で溜まってくる。
まだ時々視線を向ける彼を見ないように再び目を閉じて毛布を引き寄せる。
暫くするとリースが道具を片付け始める。そっと俺の横で暫く立って見下ろし、焚火の反対側にある彼の寝床で横になるのが聞こえる。
そしてすぐに規則正しい寝息が聞こえてくる。
そっと目を開けて彼の顔を見る。
伏せられた睫毛が時々震える。夢を見ているのだろうか、瞼の下で目が動いている。彼の凛々しい唇が焚火の明かりに照らされている。
――――体が……きつい
自由になればこの感覚は自然となくなるかと思っていた。だが触れ慣れている体にこの誰にも触れられない状態は拷問に等しい。
毛布の下で軽く股間に触れるとやはり硬く立ち上がっている。
俺は寝ている彼の顔を見ながらそれを引っ張り出し、静かに手を上下に動かす。
前立腺や奥を刺激されない自慰ではなかなか射精したくとも射精出来ない。もどかしい熱に唸りそうになる。
リースが少し寝る体勢を変える。仰向けになり、唇が僅かに開く。
俺は明らかに彼に欲情している。だけど彼が好きだから欲情しているのか、単に性欲が溜まっているのか、それとも少し結婚生活で乏しくなった感情が回復している兆しで興奮しているのかは分からない。
リースの股間辺りに視線を向ける。毛布に包まれているそこはどうなっているか気になる。彼の力強い腕に抱きかかえられ、奥まで突かれてみたい。
犯されたい。
「……っ」
熱く濃い精液を掌に受け止める。
――――……やっちゃった……。これ、どうしよう……
俺は彼を起こさないようにそっと起き上がって手の汚れを流しに行った。
◇◇
朝は早かった。
あの後も中々寝付けずに一晩中姿勢を変えながら寝ようとした。
まだ仄かに暗い中、小さくなった焚火の向こう側を見る。リースはまだ気持ち良さそうに寝ている。
その時、背後でもぞもぞとした動きを感じる。風が植物を揺らしているのかと思い顔を向けると、大きな鼻が俺の頬に押し付けられる。
「……あ」
すぐにぺろぺろと舐められて目を閉じる。
「ん……レン……さぁん⁉︎」
リースが半分悲鳴に近い叫び声を上げる。
それもそうだろう。子牛のサイズの蟻が真っ黒な鼻先を俺の顔に押し付けている。昆虫にはない長細い舌を器用に伸ばして俺の顔を舐め回す。
「モンスターかな? ちょっと知らないタイプだ」
「なんでそんなに冷静なんでかか⁉︎」
――――なんか噛むリースって可愛いなぁ
俺はゆっくりと上半身を起こしてその蟻のようなモンスターを見る。一匹だと思っていたのだが背後に三匹いる。
リースが剣に手を伸ばすのを見て彼の方に掌を広げて伸ばす。
「待って。敵意は感じられないよ」
「何言っているんですか! 今、舐められていましたよ⁉︎ べろんべろと!」
「人間の味が美味しいのかもね」
「思いっきり食べられる前提じゃないですか! 恐ろしい事言わないでくださいっ」
リースは青褪めている。俺が立ち上がるとすぐに腕を引っ張られて蟻達から離される。俺が蟻に近付かないように震える腕で押さえている。
「リースは虫苦手?」
「四より四肢が多いのは無理です!」
物凄く力強く宣言される。
俺は少し笑いながらリースの押さえるというよりもしがみ付く腕を退かし、蟻達の方へと近付き、しゃがむ。手を伸ばすと蟻はその手に頭を擦り付けて嬉しそうにする。
「懐かれたみたい。でも何故だろう。今までモンスターに懐かれるような体質ではなかったけど」
蟻達は俺の手を舐めてから離れていく。
リースは俺の横に来て歩く彼等を見送っている。
46
あなたにおすすめの小説
世間知らずな山ごもり薬師は、××な騎士団長の性癖淫愛から逃げ出せない
二位関りをん
恋愛
平民薬師・クララは国境沿いの深い山奥で暮らしながら、魔法薬の研究に没頭している。招集が下れば山を下りて麓にある病院や娼館で診察補助をしたりしているが、世間知らずなのに変わりはない。
ある日、山の中で倒れている男性を発見。彼はなんと騎士団長・レイルドで女嫌いの噂を持つ人物だった。
当然女嫌いの噂なんて知らないクララは良心に従い彼を助け、治療を施す。
だが、レイルドには隠している秘密……性癖があった。
――君の××××、触らせてもらえないだろうか?
従僕に溺愛されて逃げられない
大の字だい
BL
〈従僕攻め×強気受け〉のラブコメ主従BL!
俺様気質で傲慢、まるで王様のような大学生・煌。
その傍らには、当然のようにリンがいる。
荷物を持ち、帰り道を誘導し、誰より自然に世話を焼く姿は、周囲から「犬みたい」と呼ばれるほど。
高校卒業間近に受けた突然の告白を、煌は「犬として立派になれば考える」とはぐらかした。
けれど大学に進学しても、リンは変わらず隣にいる。
当たり前の存在だったはずなのに、最近どうも心臓がおかしい。
居なくなると落ち着かない自分が、どうしても許せない。
さらに現れた上級生の熱烈なアプローチに、リンの嫉妬は抑えきれず――。
主従なのか、恋人なのか。
境界を越えたその先で、煌は思い知らされる。
従僕の溺愛からは、絶対に逃げられない。
身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される
秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました!
最終17位でした!応援ありがとうございます!
あらすじ
魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。
ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。
死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――?
傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。
美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜
飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。
でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。
しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。
秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。
美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。
秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。
終焉の晩餐会:追放される悪役令息は、狂欲の執事と飢えた庭師を飼い慣らす
河野彰
BL
かつて、ローゼンベルグ家の庭には白薔薇が咲き誇っていた。嫡男リュシアンは、そのバラのように繊細で、風が吹けば折れてしまいそうなほど心優しい青年だった。しかし、名門という名の虚飾は、代々の放蕩が積み上げた「負の遺産」によって、音を立てて崩れようとしていた。
悪役になり切れぬリュシアンと彼を執拗にいたぶる執事のフェラム、純粋な愛情を注ぐ?庭師のルタムの狂気の三重奏。
宰相閣下の執愛は、平民の俺だけに向いている
飛鷹
BL
旧題:平民のはずの俺が、規格外の獣人に絡め取られて番になるまでの話
アホな貴族の両親から生まれた『俺』。色々あって、俺の身分は平民だけど、まぁそんな人生も悪くない。
無事に成長して、仕事に就くこともできたのに。
ここ最近、夢に魘されている。もう一ヶ月もの間、毎晩毎晩………。
朝起きたときには忘れてしまっている夢に疲弊している平民『レイ』と、彼を手に入れたくてウズウズしている獣人のお話。
連載の形にしていますが、攻め視点もUPするためなので、多分全2〜3話で完結予定です。
※6/20追記。
少しレイの過去と気持ちを追加したくて、『連載中』に戻しました。
今迄のお話で完結はしています。なので以降はレイの心情深堀の形となりますので、章を分けて表示します。
1話目はちょっと暗めですが………。
宜しかったらお付き合い下さいませ。
多分、10話前後で終わる予定。軽く読めるように、私としては1話ずつを短めにしております。
ストックが切れるまで、毎日更新予定です。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる