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第二章
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激情にまかせた行動の果てに待っているものを、彼女はまだ知らない。
「君の言いたいことはよく分かるよ。俺だって、身内がひどい目に遭ったら、その犯人を殺してやりたいくらい憎むと思う」
だけどね、と真啓は注意深く諭した。
「君の言う、その事件の犯人と、送られてきた脅迫状の差出人が、必ずしも同じとは限らない。脅迫状は無関係な人間の、ただのイタズラって可能性もある」
里香の顔に戸惑いが浮かぶ。
「二通の脅迫状と、事件の関係を調べよう。君も思い当たることがあったら教えてほしい。僕は受験生の君より、時間の融通が利くからね。協力できることがあるかもしれないし」
「はなはだ微力ですが、まあ、ないよりマシでしょう」
相変わらず手厳しい物言いに苦笑する。
「有澤さん」
「はい?」
「こうなった以上、あなたが姉を守ってください。ありとあらゆる危険から」
それがあなたの責任ですと言わんばかりだった。
だが、里香が真啓にそこまでを期待しているとは思えない。
何もしないより、発破をかけておいたほうが、いくらかマシという程度のものだろう。
「分かってるだろ?君のお姉さん、大人しく守られてくれるような人じゃないよ」
里香がむっとしたように鼻白む。
だが、気分が悪いのはこちらも同じだ。自分から首を突っ込んだとはいえ、できることなら聞きたくない話だった。
聞いてしまえば、迷いが生じる。
真啓ごときが、巻き込まれて何ができるというのか。
公香は、男である自分といることで、嫌な思いをしてはいないだろうか。
どうして真啓が近くにいることを許しているのだろうか。
自分は今まで何度、知らないうちに無神経な言葉であいつを傷つけただろう?
肩にずっしりと重みがのしかかる。
真啓は口の中が苦くなるのを感じて、思わず顔を歪めた。
「君の言いたいことはよく分かるよ。俺だって、身内がひどい目に遭ったら、その犯人を殺してやりたいくらい憎むと思う」
だけどね、と真啓は注意深く諭した。
「君の言う、その事件の犯人と、送られてきた脅迫状の差出人が、必ずしも同じとは限らない。脅迫状は無関係な人間の、ただのイタズラって可能性もある」
里香の顔に戸惑いが浮かぶ。
「二通の脅迫状と、事件の関係を調べよう。君も思い当たることがあったら教えてほしい。僕は受験生の君より、時間の融通が利くからね。協力できることがあるかもしれないし」
「はなはだ微力ですが、まあ、ないよりマシでしょう」
相変わらず手厳しい物言いに苦笑する。
「有澤さん」
「はい?」
「こうなった以上、あなたが姉を守ってください。ありとあらゆる危険から」
それがあなたの責任ですと言わんばかりだった。
だが、里香が真啓にそこまでを期待しているとは思えない。
何もしないより、発破をかけておいたほうが、いくらかマシという程度のものだろう。
「分かってるだろ?君のお姉さん、大人しく守られてくれるような人じゃないよ」
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だが、気分が悪いのはこちらも同じだ。自分から首を突っ込んだとはいえ、できることなら聞きたくない話だった。
聞いてしまえば、迷いが生じる。
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※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
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