99 / 131
王道は傍観しててこそ萌えるんだ!
7
しおりを挟むとりあえずキスの感触が残ってて気持ち悪いから口をすすぎたい……
浅くなる自分の呼吸に危機感を感じながら、近くのトイレに駆け込んで気が済むまで口をすすいだ。
口をすすぎ終わってフラフラ状態で廊下に出て廊下の角を曲がったとき……誰かにぶつかってしりもちついた。
すぐに立ってぶつかった相手に謝らなきゃって思うのに上手くいかない。
「すまない、書類に目を通していて前を見て……レイカ?」
ぶつかった相手を見上げると、びっくり顔のレオが私に手を差し出しながら固まってた。
レオの瞳に困惑した色が濃くなってきたのを感じて、急いで『いつも』の私に気持ちを切り替える。
麗「レオ!ハーベスト先生の授業振り~
今からお昼なの?早く行かないと… レ「何があったんだ」……何で?」
レ「何かあったんだろ。誰だって今のお前を見ればすぐ分かる」
麗「……」
レオはこともなさげにそう言ったけど、私の顔はいつも通りなはずだから誰だって分かるわけじゃないんだよ?
レオには母上と同じくらい誤魔化すのが出来ないな~
まぁ、それだけレオが私を見てくれてるってことだし洞察力に長けてるってことなんだけど。
麗「本当に大丈夫だよ?」
レ「大丈夫なわけないだろ!
顔は真っ青だしそんなに震えてるだろ!!」
『いつも』の私でニッコリしながら言ったのに、レオに怒鳴られた……
いつもと違うレオの本気の怒りにびっくりして、『いつも』の私が顔から抜け落ちた気がした。
レオから自分の身体に視線を落とすと、尋常じゃないくらい震えてた。
麗「本当だ……笑えるくらい震えてるね」
レ「レイカ」
麗「でも本当に大丈夫だよ?
多分震えてるのもお昼ご飯めっちゃ食べた後なのに走ったからだと思うし……
ほら、私のことよりレオのお昼休みが終わっちゃうから!」
レ「……少しは頼れよ」ボソッ
麗「えっ?何……ってヒャッ!な、何すんの!降ろして!!」((o(><;)(;><)o))ジタバタ
何か言われた気がして聞き返したらレオにヒョイッて抱き抱えられた。
お姫様抱っこっていうマジで恥ずかしい抱きかたで……
しばらく降ろしてもらおうとジタバタして抵抗したけど、レオは抱き締めた腕に余計力を入れて降ろしてくれなかったので、非常に遺憾ながら大人しくすることにした。
ようやくレオが降ろしてくれたのは保健室のベッドの上。
レ「体調が悪いんだろ?少し寝とけ」
麗「えっと…あの、ありがと」
素っ気なく言ってベッド脇のイスに座ったレオに戸惑いながらもお礼を言って大人しくベッドに入った。
だけど、レオの立ち去る気配がないので、シーツからレオを見ていると、逆にジッと見られた。
麗「レオ?」
レ「ん?」
麗「レオ戻んないの?
……そろそろ昼休み終わっちゃうよ?」
レ「風紀の仕事中にリュオルの差し入れを食べてたから大丈夫だ。」
麗「そっか…リュオル君の差し入れ美味しいもんね」
レ「それよりレイカはどうしたんだ?
昼に別れた時は元気だったろ?」
やっぱり聞かれるか…………でも何て答えたらいい?
俺様とキスして気付いたらめっちゃガクブル状態でしたーなんて言えなくないですかw……ダメだ。
テンション上げようと思っても全然上がらん。
ってか草生えない。
はぁ…ヤバいな……いかんせん自分でやったことなのに身体が拒否反応起こしちゃってるとか私弱すぎー
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
124
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる