異世界に召喚されたからって、何で俺を従者に指名するんだよ!?

オフィス景

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1 どこ、ここ?

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 スマホがメールの着信音を奏でた。ちょうど日課分のスクワットを終えたところだったので、スマホを取って、内容を確認した。

 差出人の名は、懐かしいものだった。

「年単位で久しぶりだな。どうしたんだ?」

 開いたメールを見たら、眉間に皺が寄った。



『あなたは勇者の従者に指名されました。承諾しますか?   y/n』



 あいつに何があった?

 素朴な疑問を感じたが、単なるおふざけかもしれない。とりあえずつきあってみることにした。

 yを押して返信する。

 するとーー

 いきなり爆発でもしたかのように目の前が真っ白になった。

「うわっ!?」

 反射的に腕で顔をカバーする。

 そして、カバーを外した時、世界は一変していた。

「どこだ、ここ……」

 体育館の一角にある筋トレスペースでトレーニングをしていたはずが、似ても似つかない石造りの部屋になっていた。ってか、牢屋っぽくねえか、ここ?

 三方は石壁。唯一ついている扉は頑丈さだけが取り柄のような鋼鉄製。試してみたが、鍵がかかっていてびくともしない。扉についている明かり取りの窓から入る光だけが薄く部屋の中を照らしている。

 …なーんかやな感じがするなあ……

 どうしたもんかと思っていると、パタパタ足音が聞こえてきた。

 明かり取りの窓から人の顔が覗く。

「あ、いた」

 逆光で顔はよく見えなかったが、女の子の声がした。

「ごめんなさい。すぐに開けます」

 鍵を回しているのか、ガチャガチャ音がした後、耳障りな軋み音とともに扉が開かれた。

「大丈夫ですか、哲平くん」

 ん? 何で俺の名前をーーって、舞子か?

 メールを送ってきた幼馴染みだ。

 波多野舞子。

 同じ病院で同じ日に生まれ、幼稚園から小中とずっと同じクラスだった、筋金入りの幼馴染み。別の高校に行ってからは会っていなかったが、一目でそうとわかるくらい、外見は変わっていなかった。

「一体何がどうなってるんだ?」

 訊くと、舞子の目から大粒の涙が溢れだした。

「…ふ、ふえぇぇぇ……」

 堰が切れたかのような大号泣。こりゃ落ち着くまでは話すのは無理っぽいな。

 なだめようと肩を抱いたら、しがみついてきた。驚いたが、好きにさせる。その方が早く落ち着くだろう。

 と思ったのだがーー

 時間の経過がはっきりわからないので何とも言えないんだが、舞子が泣き始めてから、かれこれ二時間は経過したのではなかろうか。

 いい加減泣き止まないと、干からびちゃうんじゃないかな?

 いつ終わるともしれない正座をさせられている気分だな、これは。はっきり言って拷問だ。

「…ひくっ……ひっ……」

 やっと声のトーンが変わってきた。そろそろ泣き止むかな……
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