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序章
死亡フラグ
しおりを挟む意外にも桜花の存在は早く見つける事が出来た。
というのも向こうで女子高生が喧嘩をしている、と周りの人が騒いでいたからだ。
桜花は護身術を嗜んでおり、おとなしく人の言いなりになる性格でもない。
例え刃物を持った人に脅されようと、屈しないのだ。
(桜花…無事でいて)
我が従姉妹殿は少々…いやカナリ人から恨みを買っている。
こうやって過激な女子グループに狙われるのも珍しくはない。
その度に麗央が助けに入り、どうにか逃げ出すといった感じだった。
「離しなさいっ!」
遠くから叫び声が響く。
間違いなく桜花の声だった。
道を挟んだ向こうの路地から彼女が姿を現わす。
その後ろには数人の女生徒の影があった。
「待ちなっ!よくも人の彼氏を取ったな、この泥棒猫っ!!」
「今日という今日は許さねー!」
「殺してやるっ!!」
口々に物騒なことをいいながら桜花を追いかけている。
(これは早くなんとかしなきゃ、冗談抜きで刺されちゃうかも…)
桜花と合流できるように慌てて走った。
その時、目の端にキラリと光る刃物が映った。
桜花を追いかける女生徒の一人がポケットから取り出したのだ。
「桜花、危ない!!」
大声で叫んだ。
間一髪で避ける。
けれど、その拍子に彼女は赤信号の横断歩道へと踏み出した。
そこへ運悪くも猛スピードでトラックが突っ込んでくる。
考えるヒマなんてなかった。
よくよく考えると馬鹿なことをしたなとも思うし、そうする義理もないと思う。
けれど、その時は身体が勝手に動いていた。
「桜花っ!!」
彼女を歩道へと突き飛ばす。
その後、宙を舞うような衝撃。
痛みはどこかにいっていて、あぁ、死ぬんだなと思った。
「…れ、麗央ちゃーーんっ!!!」
桜花の叫び声に、彼女は無事だったのかと安堵する。
そして次の瞬間には意識を手放したのだったーー。
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