『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ミリア  その1

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勇者パーティーが自宅待機になってことで、ミリアは自宅である王都の貴族街にあるバークマン侯爵家に戻っていた。


「ミリア。パーティーが失態を犯したそうだな」


ミリアの祖父であり、バークマン侯爵家の当主であるロック・バークマンは食事を終えると鋭い目つきでミリアを睨みつけるとそう言った。


「はい、私は至らぬばかりに申し訳ありません」


テーブルを同じくするミリアは目を瞑り、頭を下げて謝罪する。


「ミリア。お前が属するパーティーであるならば、パーティーの醜態による悪評はそのままお前自身、ひいては我がバークマン家にも降りかかる。パーティーの失態はお前の失態、パーティーの責任はお前の責任だ。今後は十分に注意せよ」


「はい。ご迷惑をおかけしました」


淡々と話すロックに、ミリアはただただ謝罪を述べ頭を下げる。
他にも夫人であるジェニファーがテーブルを同じくしているが、何も語らない。重苦しい雰囲気が食堂を支配していた。


「ミリア、お前は幸運にも聖女として白魔法の才に恵まれることができた。だが、いかにお前自身がしっかりしていても、周囲に足を引っ張られるようでは意味がない。ゆめゆめ忘れるな。自分だけでなく、周りにも目を光らせるのだ」


「はい。肝に銘じます」


ミリアが頭を垂れると、思い出したかのようにロックが言った。


「そうだ。今日はアウナス司教と話合いが終わり、以前から進めていた縁談がまとまった。ミリアとリフト・アウナスの婚約が内定だ。彼に婿に来てもらうことになる」


ロックの言うリフト・アウナスとは同じ勇者パーティーのリフトのことである。
家同士で縁談が進められていたのだが、それがついにまとまったのだ。ミリアは一瞬目を見開いたが、すぐにまた無表情に戻る。


「縁談の件、承りました。私のためにありがとうございます」


ミリアが再び頭を垂れた。それを見てロックは小さく頷く。



「大事な時期だ。いろいろなことに注意せよ。リフト君とも荒波を立てないように。それと・・・」


ロックは言いかけ、やや間を持たせてから続けた。


「何があっても知られてはならぬぞ。。アウナス司教はともかく、リフト君に知れれば破談も多いに有り得る」


「はい」


ミリアの返事を聞くと、ロックは話は終わりだとばかりに席を立ち、食堂を出て行った。ミリアはそんな祖父の背中を見送る。


「ミリア、しっかり頼むわね。あのとは違うということを見せて頂戴」


祖母であるジェニファーの言葉に、ミリアは「はい」と返事を返す。

縁談が決まったというのに、ミリアの表情には嬉しさよりも戸惑いの色が強く浮かんでいたが、ジェニファーがそれに気付くことはなかった。
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