『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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追放後

記念

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「はぁ・・・!人の目も気にしなくて良い酒ってのはうまいなぁ!」


勇者パーティーの掟である禁酒に縛られなくなったゴウキは、14杯目のビールを飲み干した。
例え見られても問題ない。どれだけ酒臭くしても問題ない。何にも縛られない飲酒。


「酒!飲まずにはいられないッ!」


解放感、そして勇者パーティーからされた仕打ちに対するストレス。この二つが拍車をかけ、ゴウキはビールを水のようにガバガバと飲み続けた。
これまで制約がある中で(まぁ破ってはいたのだが)しか飲まなかったゴウキがどうやく心から飲酒を楽しんでいるのを見て、スミレは楽しそうに笑う。


「お・・・?今日はリノアやデニスは来ないのか?」


酒を一旦止め、口に煙草を咥えたゴウキが時計を見て疑問に思った。いつもならゴウキが飲んでいればほぼ偶然?合流していた時間だった。


「リノアは組んでくれる奇特なパーティーが現れて、今日はクエスト中。デニスは夜勤だってさ」


「へぇ、良く知ってんな」


「ま、忍者だから」


忍者だから、で何でも出来るのは凄いというか怖いが、このスミレが勇者パーティーにいたら本当に世界が変わったかのようにいろいろ出来ただろうな・・・と既に叶わぬ妄想をゴウキは膨らませた。


「忍者ってな万能だな・・・俺にポーションの目利きのコツを教えてくれたのもスミレだったな」


「薬学は忍者の基本だしね」


「そういうのって簡単に他人に教えて良かったのか?」


「良くないかな。けどまぁ、ゴウキだから教えた」


何でもないように言うスミレに、ゴウキはつい照れくさくなり、火をつけたばかりのはずの煙草をつい灰皿に押し付けてしまった。


「お前な・・・簡単にそういうこと言うと・・・」


その先を言おうとしてゴウキはやめ、15杯目のビールに口をつけた。


「簡単に言うと何?どうなるって?」


ニヤニヤと、意地が悪そうな笑みを浮かべてスミレはゴウキの顔を覗き込む。
ゴウキは無視をしてビールを飲み続ける。


「勘違いしちゃうって?いいんじゃね?勘違いじゃないかもしれないじゃん」


ゴウキはビールを噴き出し・・・そうになりながらも耐え、むせた。
いつもならこの手のからかいにはそろそろリノアの制止が入る。だがその彼女が今夜はいない。おまけにデニスもいない。二人きりなのだ。


「あのさ、女忍者って寝技も得意なんだよね」


ガラン


ゴウキは手に持ったグラスを落とし、僅かに残ったビールの中身がテーブルに広がった。

台拭きでテーブルを拭きながらゴウキは「いや、だからさ・・・」と何かスミレに言いたそうにしながら、せわしなく視線を彷徨わせる。
そんなゴウキを見て、スミレはまた意地の悪そうに笑いながら言った。


「勇者パーティーからの解放、そしてアタシとのパーティー結成を記念して、今夜は特別に相手してやってもいーよゴウキ」

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