『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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追放後

目茶苦茶なリノア

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(うーん、スミレ・・・一緒にダンジョン潜ったのって初めてだけど、まさかここまで凄いとは)


ゴウキはスミレの活躍を目の当たりにして、改めて凄いのがパーティーに入って来たなと実感した。「反りが合わなそう」などと言って勇者パーティーへの加入の意志は全く無さそうだったが、実際に入っていたらどうなっていたんだろうとゴウキは考える。


「ゴウキ先輩!私だって役に立ってみせますよ!!」


スミレのことを褒めたたえるゴウキに対し、嫉妬してへそを曲げたリノアは両手に握りこぶしを作って憤慨した。


「おぅおぅ早く役に立ってみせねぇとな?今だってお前何もしてなかったし」


後衛でありかつ魔法使いであるリノアよりも、接近戦担当のゴウキやデニスが早く動けるので仕方がないのだが、あえてスミレは意地悪で煽った。


「ぐっ・・・じゃあいいですよ。次は私が役に立ってみせます。貴方の出番が無くなっても知りませんからね!」


煽られたリノアは鼻息も荒くそう宣言する。それに対しスミレは余裕そうに「おぅ、それならアタシに楽させてみな?」となぉ煽るように言った。


「おい、リノア。あんま無茶すんなって。スミレ、お前も煽ってねぇで・・・」

「索敵、終わりました」


リノアが自分を宥めようとしたゴウキを遮り、唐突に言った。


「え、何が終わったって?」


「索敵です。魔力を細かい波にして放つことで、反響からいろいろ検知する方法を編み出したんです。で、ここから先100メートル先に先ほどと同じタイプの魔物が三体、天井と同化して張り付いてます。そこから140メートル先に恐らく人とと思われるものが落とし穴の罠にかかって死んでいると思わます。それから・・・」


「ちょ、ちょっと待て」


一気にまくし立てるリノアにゴウキは待ったをかける。スミレもデニスも目を丸くしていた。


「おい待て、そんなことが本当にわかるのか?」


ゴウキの問いに、リノアはにっこり笑いながら頷いた。


「これまで他のパーティーと組んでいたときにも何度かこっそり実験してましたが、検知結果を外したことはありませんでした」


「何を馬鹿な・・・」


スミレとて流石に先ほどリノアが言ったような正確な検知などは出来ないので、ハンッと鼻で笑った。
音と気配と匂いと感、それらを総動員したとて100メートル先の状態までは把握できない。よっぽど存在感を示しているような間抜けなら見つけられるかもしれないが。


「ちなみにお望みとあらばここからでも攻撃魔法でその100メートル先で潜んでいる魔物を攻撃できますよ。やってみせましょうか?」


「やってみろよ!」


信じられないようなことを言うリノアに、スミレはゴウキより先にやれと言い放った。リノアはフッと笑うと瞬時に空中に魔法陣を展開する。


「ウリプスミサイル!」


リノアがそう唱えると白い光が三つ現れ、ヒュィィィィンという音を立てて一瞬でダンジョンの先に飛んでいき、闇の中に姿を消した。



「手ごたえあり、です」


リノアがそう言うので現場まで向かってみると、実際にリノアが言う通りメタリックスライムが3体、体に大穴を空けて絶命していた。


「うっそだろ!?」


スミレは驚愕したが、それで終わりではない。その先でもリノアが言うように、落とし穴の罠が発動して竹やりに串刺しになっていた冒険者の死体を発見したのだ。


「どうですか?私だってやればできるんですよ!斥候をやるというスミレ先輩の役を奪っちゃいけないと思ってさっきは魔物検知は任せていたんですから」


ドヤ顔で誇るリノアに対し、スミレは「ぐぬぬ」と唸る。


「いや・・・ちょっと凄すぎないか?もう滅茶苦茶だろ。俺なんかよりよっぽど・・・」


リノアの超異能っぷりに、ゴウキは顔を青くした。
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