181 / 508
ゴウキ・ファミリー
未知の魔物
しおりを挟む
リフトの非礼により、あわや一触即発となりかねなかったその場は、クレアとリフトの謝罪でどうにか一旦収まったが、リフトのことについては中央への報告は免れないこととなった。
リフトは甘んじてその決定を受け入れるが、内心は腹に据えかねていた。
「今回の敵についてお聞かせ願えますか?」
場の空気を切り替えるため、クレアが切り出した。
ギリアムとグリードがお互い顔を見合わせ、頷き合う。
「始め、奴らは我がディンコクの地から発生しました」
グリードが神妙な顔をしながら、とつとつと語る。
ディンコクの国境に近い地から突如現れた正体不明の未知の魔物達は、従来より認知されている魔物と比較して強く、習性など特徴も把握していないために苦戦したという。
掃討できぬ間に魔物は数を増やし、やがてバルジ王国を目指すように進行を開始。ディンコクで発生した魔物が隣国であるバルジ王国へと侵入してしまえば、ディンコク国軍の恥としてグリード率いる国境警備隊は奮闘するも、不慣れな敵であることが不利なのもあって力及ばず押し切られ、バルジ王国国境侵入を許してしまう形となった。
今はディンコク軍の責任でもあると国境警備隊がバルジ王国軍に協力を申し出る形で共同戦線を取っている形になっているという。
バルジ王国軍とディンコク軍の活躍により、ある程度は押し返すことに成功したが、今だに魔物の殲滅には至っていない。
味方の被害が増える中で、更なる増援を要請しようと考えていた矢先、クレア達が到着したのだという。
「見たことのない魔物・・・ですか」
クレアは顎に手を添え、考え込む仕草を見せた。
「えぇ、複数種類いるのですが、いずれもこれまで確認されているどの魔物とも型が一致しません」
ギリアムとグリードは心底参っているかのように溜め息をつく。
軍隊の魔物との戦い方は、敵の種類によって指揮官がそれに応じたベストの戦術を練って命令し、殲滅作戦を決行する。例えば空を飛ぶことのある魔物だと、狙撃できる弓兵や黒魔法士の部隊を前面に配置する・・・といったようなものだ。だが、未知の魔物となると特徴や行動パターンなどのデータがないために、指揮官の方も混乱してしまうのだ。
効率的な戦術を練られないと、当然現場がその分負担を強いられることになる。今回の大苦戦もそういった不慣れによる混乱が積み重なって起きたことであった。
「わかりました。これから私達が前面に出てみます」
戦術が錬られず苦戦するのであれば、圧倒的な力を持つ勇者達が前面に出て戦って魔物達の戦力を削るしかない。そして勇者達が打ち漏らした敵を後ろから連合軍が掃討を行うことになった。
未知の魔物の軍団との戦闘・・・
クレアは何か予感めいたものを感じた。
それはこれから始まる大きな、とても大きな戦いの予感であった。
リフトは甘んじてその決定を受け入れるが、内心は腹に据えかねていた。
「今回の敵についてお聞かせ願えますか?」
場の空気を切り替えるため、クレアが切り出した。
ギリアムとグリードがお互い顔を見合わせ、頷き合う。
「始め、奴らは我がディンコクの地から発生しました」
グリードが神妙な顔をしながら、とつとつと語る。
ディンコクの国境に近い地から突如現れた正体不明の未知の魔物達は、従来より認知されている魔物と比較して強く、習性など特徴も把握していないために苦戦したという。
掃討できぬ間に魔物は数を増やし、やがてバルジ王国を目指すように進行を開始。ディンコクで発生した魔物が隣国であるバルジ王国へと侵入してしまえば、ディンコク国軍の恥としてグリード率いる国境警備隊は奮闘するも、不慣れな敵であることが不利なのもあって力及ばず押し切られ、バルジ王国国境侵入を許してしまう形となった。
今はディンコク軍の責任でもあると国境警備隊がバルジ王国軍に協力を申し出る形で共同戦線を取っている形になっているという。
バルジ王国軍とディンコク軍の活躍により、ある程度は押し返すことに成功したが、今だに魔物の殲滅には至っていない。
味方の被害が増える中で、更なる増援を要請しようと考えていた矢先、クレア達が到着したのだという。
「見たことのない魔物・・・ですか」
クレアは顎に手を添え、考え込む仕草を見せた。
「えぇ、複数種類いるのですが、いずれもこれまで確認されているどの魔物とも型が一致しません」
ギリアムとグリードは心底参っているかのように溜め息をつく。
軍隊の魔物との戦い方は、敵の種類によって指揮官がそれに応じたベストの戦術を練って命令し、殲滅作戦を決行する。例えば空を飛ぶことのある魔物だと、狙撃できる弓兵や黒魔法士の部隊を前面に配置する・・・といったようなものだ。だが、未知の魔物となると特徴や行動パターンなどのデータがないために、指揮官の方も混乱してしまうのだ。
効率的な戦術を練られないと、当然現場がその分負担を強いられることになる。今回の大苦戦もそういった不慣れによる混乱が積み重なって起きたことであった。
「わかりました。これから私達が前面に出てみます」
戦術が錬られず苦戦するのであれば、圧倒的な力を持つ勇者達が前面に出て戦って魔物達の戦力を削るしかない。そして勇者達が打ち漏らした敵を後ろから連合軍が掃討を行うことになった。
未知の魔物の軍団との戦闘・・・
クレアは何か予感めいたものを感じた。
それはこれから始まる大きな、とても大きな戦いの予感であった。
1
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
陰キャの俺が学園のアイドルがびしょびしょに濡れているのを見てしまった件
暁ノ鳥
キャラ文芸
陰キャの俺は見てしまった。雨の日、校舎裏で制服を濡らし恍惚とする学園アイドルの姿を。「見ちゃったのね」――その日から俺は彼女の“秘密の共犯者”に!? 特殊な性癖を持つ彼女の無茶な「実験」に振り回され、身も心も支配される日々の始まり。二人の禁断の関係の行方は?。二人の禁断の関係が今、始まる!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる