『濁』なる俺は『清』なる幼馴染と決別する

はにわ

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ゴウキ・ファミリー

ワンサイドゲーム

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ムハンはゴウキはサンドワームに飛び掛かられているのを見て、「あぁ、だから言ったのに」と思った。
ムハンは砂漠の道の案内人としてそこそこ経験を積んでいる。仕事をしている中で、砂漠の魔物で腕試しをしたい、あるいは砂漠の魔物の希少な素材を手に入れたいという冒険者は何組も担当した。

サンドワームが出てくると、大体の冒険者パーティーは誰か一人くらいは食われた。
不意に現れ、巨体からは想像もつかないほどの素早さで行動するサンドワームは、初見で中々その動きに対応することは出来なかった。
誰もが最初は「大丈夫」「覚悟はしている」と言って軽く考えているが、実際に目の当たりにしてその脅威を知ると大体は態度が変わる。
サンドワームは普段は地中に潜り、獲物を狩るときだけ姿を現す。だから、大抵の冒険者は一方的に攻撃されるだけされて、すぐに地中に逃げられて反撃もままならぬまま一方的に削られていくというパターンに陥る。
時に反撃に成功し、深手を負わせた冒険者もいたが、結局は地中に逃げられてしまい逃がしてしまったことで、倒したというところはムハンは見たことがない。
今回のサンドワームも表面の傷がたくさんあった。かつて自分が案内した冒険者が負わせた傷もあるのだろうとムハンは思った。

だが、傷を負わせてもコイツは倒せないーー
明るく勝気な冒険者パーティーが、いくつもこのサンドワーム一匹だけで壊されてきたのをムハンは間に当たりにしてきた。

だから、今回もゴウキが食われたのを見て、この後のことが予想できた。
パーティーは仲間の死をきっかけに油断がなくなり、慎重に戦い出すかーーあるいは恐慌状態に陥って一直線に走って逃げだすかーー

だが、現実はムハンが思っていたようなことにはならなかった。


「えっ・・・?」


ムハンは自分の目に映った現実を受け入れられず、思考が停止する。


サンドワームは、ゴウキにかぶりついた・・・と思いきや、ゴウキはワンドワームのかぶりつきを両手で防いでいるのである。口を両端に持って、ゆっくりと力づくで広げていく。

最後はそのまま手でつかんだまま、サンドワームの口を力づくでねじ切るように引き裂いていた。


「うげっ・・・」


生きた蛇を開いた口を支点に真っ二つに力づくで割くようなことをしている。グロテスクな攻撃に、思わずムハンは目を背けそうになる。



ブチッ


ゴウキは口だけでなく、サンドワームの体中を掴み、力づくでどんどん引きちぎっていく。
大量の血が流れてサンドワームは悲鳴を上げるも、しっかりとゴウキに掴まれているので逃げることも叶わず、そのままじわじわと体を千切られていった。

ブチッ
ブチブチッ


これまでサンドワームといえば冒険者に対し一方的な狩りをする姿しか見て来なかったムハンだが、一方的にいたぶられ、ついには悲鳴を上げる力も残らず絶命するという真逆の姿を始めて見ることになった。



「ムハンさんよ。このサンドワームって金になる部位はどこなんだ?」


力づくでバラバラに解体し尽されたサンドワームの体中を眺めながら、ゴウキはなんでことないように問う。


「えーと、き、牙・・・ですかね・・・よくわかりません。前例が無いもので」


ムハンは乾いた声でそう答えるが精いっぱいであった。
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