429 / 508
賢者リノア
幼馴染は浮気者 2
しおりを挟む
トマスはリノアことを蔑ろにし、都会のいろいろな女と浮名を流していたが、意外にも勉強だけはしっかりやっており、成績は上々。そんな彼はそこそこにモテた。
村でもリノア以外の村娘から熱い視線を浴びていたトマスは、ルックスは悪くなく、社交性もある。
だから女の方から寄ってきて遊び相手には困らなかったし、トマスも「リノアよりいい嫁さんを見つけるのもいいかもしれない」などと考えていた。
トマスの中ではリノアとの将来はあくまで「セカンドプラン」、もしくは「サードプラン」として位置付けていた。都会に出て気が高ぶっただけでなく、学業の方が思いのほか優秀だったので変な自信がついてしまっていたのだ。
だが、年が経過して卒業が間近になってくると、トマスはここで漸く現実にぶつかることになる。
これまで情を交わして来た女の誰に迫っても、決してトマスと正式な婚約を結ぼうとしなかったのである。それどころか
「え?トマスは確かに遊び相手としては良かったけど、結婚となるとちょっと・・・ねぇ?」
「田舎の村・・・なんでしょ?そこへ嫁ぐというのは・・・」
「あ~、私、実は故郷に婚約者がいるの。もう将来のこと決まっちゃってるから、トマスとのことはほんの息抜きというか・・・」
婚約相手として話を持ち掛けた相手達からシビアな現実を突きつけられてトマスは愕然とした。
これまで相手をしてきた女達は、トマスとはあくまで遊びであり、本気で将来を共にしようとは考えてもいなかったのである。
ムキになったトマスは候補者のレベルを下げてでもこれまで関係を持ったり、もしくはそこそこ交友を深めた女性に声をかけたがそれでも全滅だった。
誰もが山奥の村へ嫁ぐことを敬遠したり、もしくは自分の故郷に戻って稼業を継いだり婚約者とそのまま結婚したりと既に将来設計の出来上がった女達ばかりだったのだ。
「嘘だろ・・・?」
ここに来て、トマスは漸く残酷な現実に気が付いてしまう。
遊び相手としては悪く無いと誘われはするが、しかし実のところ伴侶として選んでも良いと考えてくれていた女が皆無だという現実に、深く心が抉られたのだった。
学業は優秀な成績を収め、実際学生ながらも様々な新発見をして成果を出していたトマスは、自分は優秀な雄であると有頂天になっていた。
だが、トマスと関わった女性達は、トマスは入学当初に「婚約者がいる」と友人に話していた事実を知っていた。婚約者がいるのに浮気をする男など願い下げだったのだ。(もちろん自分達のことは棚上げである)
ショックに打ちのめされたトマスだったが、彼には最後の最後に心の支えにしていた存在がいた。それがリノアである。
彼女の存在を、今更のように思い出していた。
村でもリノア以外の村娘から熱い視線を浴びていたトマスは、ルックスは悪くなく、社交性もある。
だから女の方から寄ってきて遊び相手には困らなかったし、トマスも「リノアよりいい嫁さんを見つけるのもいいかもしれない」などと考えていた。
トマスの中ではリノアとの将来はあくまで「セカンドプラン」、もしくは「サードプラン」として位置付けていた。都会に出て気が高ぶっただけでなく、学業の方が思いのほか優秀だったので変な自信がついてしまっていたのだ。
だが、年が経過して卒業が間近になってくると、トマスはここで漸く現実にぶつかることになる。
これまで情を交わして来た女の誰に迫っても、決してトマスと正式な婚約を結ぼうとしなかったのである。それどころか
「え?トマスは確かに遊び相手としては良かったけど、結婚となるとちょっと・・・ねぇ?」
「田舎の村・・・なんでしょ?そこへ嫁ぐというのは・・・」
「あ~、私、実は故郷に婚約者がいるの。もう将来のこと決まっちゃってるから、トマスとのことはほんの息抜きというか・・・」
婚約相手として話を持ち掛けた相手達からシビアな現実を突きつけられてトマスは愕然とした。
これまで相手をしてきた女達は、トマスとはあくまで遊びであり、本気で将来を共にしようとは考えてもいなかったのである。
ムキになったトマスは候補者のレベルを下げてでもこれまで関係を持ったり、もしくはそこそこ交友を深めた女性に声をかけたがそれでも全滅だった。
誰もが山奥の村へ嫁ぐことを敬遠したり、もしくは自分の故郷に戻って稼業を継いだり婚約者とそのまま結婚したりと既に将来設計の出来上がった女達ばかりだったのだ。
「嘘だろ・・・?」
ここに来て、トマスは漸く残酷な現実に気が付いてしまう。
遊び相手としては悪く無いと誘われはするが、しかし実のところ伴侶として選んでも良いと考えてくれていた女が皆無だという現実に、深く心が抉られたのだった。
学業は優秀な成績を収め、実際学生ながらも様々な新発見をして成果を出していたトマスは、自分は優秀な雄であると有頂天になっていた。
だが、トマスと関わった女性達は、トマスは入学当初に「婚約者がいる」と友人に話していた事実を知っていた。婚約者がいるのに浮気をする男など願い下げだったのだ。(もちろん自分達のことは棚上げである)
ショックに打ちのめされたトマスだったが、彼には最後の最後に心の支えにしていた存在がいた。それがリノアである。
彼女の存在を、今更のように思い出していた。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑 ネトロア
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
- - - - - - - - - - - - -
ただいま後日談の加筆を計画中です。
2025/06/22
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
友達の妹が、入浴してる。
つきのはい
恋愛
「交換してみない?」
冴えない高校生の藤堂夏弥は、親友のオシャレでモテまくり同級生、鈴川洋平にバカげた話を持ちかけられる。
それは、お互い現在同居中の妹達、藤堂秋乃と鈴川美咲を交換して生活しようというものだった。
鈴川美咲は、美男子の洋平に勝るとも劣らない美少女なのだけれど、男子に嫌悪感を示し、夏弥とも形式的な会話しかしなかった。
冴えない男子と冷めがちな女子の距離感が、二人暮らしのなかで徐々に変わっていく。
そんなラブコメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる